肩幅 そのプライドが！
＊はじめに＊
どうか心配しないでください。笑って下さった方が故人もうかばれます。
って生きているけど・・・
私は、ガッチリしている。（自慢してどうするって？）
どのくらいガッチリしているかというと・・・
高校生の時だった。
家でタンクトップを着て、アイスを齧っていたら・・・
姉が、私の顔の部分を手で隠しながら言った。
「もう少しで惚れそうになる！ その肩幅！」
全然嬉しくなかったが、この肩幅、
同性をも魅了してしまう頼もしさがあるんだと、その時悟った。
（うん、全然嬉しくなかったんだけど・・・）またこんなこともあった。
高校時代。男の子と初デート？ いや、単に男友達と、
映画「グレムリン」を一緒に観に行っただけなのだが・・・。
映画館が異常に寒かった。
私は半袖を着てきたことをとても後悔した。
すると、その男子は優しく言った。
「このジャンパー着る？」って。
彼はとても華奢だった。
どう見たって、肩幅なんか私の方がありそうだった。
いや実際にあった。
もし仮に彼のジャンパーを借りて着てみたとしても・・・
真空パック状態になることは目に見えていて・・・
そんな状態で、もしクシャミでもしたら・・・
私は変身してしまうだろう。
いや確実に変身する！
そう思った私は、
その華奢で親切な男の子の申し出を断った。
鳥肌を立たせながら・・・。
翌日、私は高熱にうなされた。
そして、3日後、熱が下がり目を覚ました私は、
相撲取り・寺尾が理想の男性に変わっていた・・・。
以来大のマッチョ好きである。（潤君は除く・・・）
それからね、どれくらい私はガッチリしているかと言うと・・・。
今でも夫は私の後姿を見ると必ず言う。
思わず何よ？
「抱きしめたくなるんだよ！」って？
ううん・・・
「叩きたくなるんだよ！！」
そう夫は、いつも私の広い背中をパンパン！ と
敬意？を もって叩くのだ。
と前置きが長くなってしまったけど、
そう、私はとにかくガッチリしているのだ。
わかってくれた？
今まで、このガッチリした体型を生かし、男勝りに逞しく生きてきた。
それが私の持って生まれたキャラクターだと思うし、
私自身、とても気に入っているのだ。
（と、まぁある時期から、そうやって割り切ってきたのだ）
しかし！ そんな私なのに・・・
自分で許せない事態に襲われることが年に数回あるのだ。
先週の金曜日のことだ。
夕方、娘たちを連れ、イトーヨーカドー武蔵小金井店に行った。
上の子が林間学校に行くので、下着などを買いに行ったのだ。
後は会計を済ませるだけ！
しかし、すでに下の子はかなり飽きてきていて・・・
すると、上の子がこう言ってくれた。
レジとちびっこ広場は近いところにあり、
小５の上の子が見ていてくれるなら安心だわと
私は1人レジに向かった。
お財布の中には5000円しか入ってなかった。
私はイトーヨーカドーのポイントカード「アイワイカード」と一緒に
クレジットカードをレジに出した。
すると、店員さんは申し訳なさそうにこう言った。
あら？ そうなの？ だったらわたくし・・・
こんな時、シルクのガウン着て、
ブランデーグラス片手にクルクル・・・
こう言える自分でありたい！！
ありたいと願うものの・・・でも・・・
残念ながら、私はそんな人間ではなかった。
ブランデーグラス回せない代わりに、
頭の中では、２つの考えがクルクル回る・・・。
私の激しい木魚の音が聞こえたのだろうか・・・？
店員さんがこう言った。
彼女の提案に促されたということにして私はＡＴＭに向かった。
子供たちを残して行くには早く帰ってこなければならない。
ちなみにここは４階。ＡＴＭは１階にある。
私は猛ダッシュでエスカレーターを駆け下り・・・
そして、ＡＴＭで現金を下ろすと、
猛ダッシュでエスカレーターを駆け上がった！
こんなこと朝飯前よ！
ほら、男に負けない体力と肩幅の持ち主だもん、私！
ＡＴＭで下ろしたお金とアイワイカードを手にレジに！
１万円を差し出したところで・・・
あら・・・いやだ・・・
もしかして・・・あの事態が・・・？
年に数度のあれ・・・？
意識が遠のいていく・・・。やだ、こんなところで私・・・
そうなのだ。こんなガッチリしているくせに
私は慢性貧血なのだ。
年に数回、中世ヨーロッパの貴婦人のように、
ふらっと倒れることがある。
しかし、私にはこの「肩幅のプライド」というものがあるのだ！
グラングランする中、肩幅のプライドをもって、
私は倒れるわけにはいかないのだ！
逞しい、頼もしい私でありたい！
私は必死になって、カウンターに手をついた。
周りの店員さんの「大丈夫ですか？」「お客様？」
という声が遠くで聞こえてくるんだけど、
「大丈夫です！」という声が出せない・・・。
倒れちゃいけない！
倒れるなんて、私のキャラ的に頂けないのよ！
そう思い、手で必死に体を支えているもの、
足はガクガクしてしまう・・・。
ちょっと何やっているのよ！ 私！
自分の意志とは反対に・・・
下半身はピンクレディーの「ＵＦＯ」を勝手に
踊りだしているではないの！
そんな母親の姿を見た長女！
思わず言った。
「ちょっと、ママ！ おしっこ漏れちゃう？」
ナイス長女！ これぞあなたのママのキャラ・・・
こう言って誉めてあげたかったのだが・・・
声にはならず・・・。
私は必死に踏ん張った！
ここで倒れちゃいけないと・・・。
土俵際追い詰められて・・・でも、必死で堪えた。
皆が心配そうに私を見ていた。
皆の口元が動いている・・・。
でも、私は水の中に入ったみたいで
何を言っているのか聞こえなかった・・・。
やがて、車椅子が運ばれてきた。
車椅子・・・？
車椅子を見た途端、私の中でそれまで堪えていた
足が緩んだ・・・。
倒れるんじゃない！ 車椅子に座るんだ・・・。
それならこの私にだって許されるよね・・・？
それからは、車椅子に乗せられ・・・
どこを通ったか覚えていない・・・。
気がつけば、イトーヨーカドーさんの事務所のような
簡易ベッドに寝かしてもらっていたのだ。
目の前には娘たちの姿・・・。
次女は「ママ～！ ママ～！」と言って、大泣きしていた。
そんな姿を見ていたら、急に場面は時代劇。
今日は年に１度の祭りの日・・・
外では賑やかに祭囃子が流れている。
すまないね・・・あんたたち・・・
こんな祭りの日に倒れちまうなんて・・・
おっかーを許しておくれ・・・ゲホゲホ・・・
次女は依然泣き止まなかった。
号泣である。
でも・・・よくよく聞くと・・・何？
えっ？
あなたが泣いているのはもしかして、
おっかーの心配ではなく、単にお腹が空いただけ？
それを聞いた事務の方が子供たちに
優しく声を掛けてくださった。
ジュースを頂き、本も見せて頂き・・・
でも、次女はお腹が空いたを繰り返していた。
やがて、困った長女が私のところにやってきて
「私、竜ちゃん連れてフードコートで何か食べさせてくる」
と言って、係りの方にフードコートに連れて行って頂いた。
子供たちがいない間、簡易ベッドで休ませてもらったら、
段々気分がよくなってきた。
事務の方が様子を見に来てくれ、ジュースを下さった。
本当に人の優しさに触れた出来事。
それから私たち親子は、深々と頭を下げ、
イトーヨーカドー武蔵小金井店を後にした。
帰ってきて、荷物を開くと、小さな紙袋に
おつりとアイワイカードとレシート、
もちろん、
そこには9800円分のポイントがきちんと付けられていた・・・。
売り場の方、そして、Ｙ田さん、本当にお世話になりました。
追記：
私はもうすっかりいつもの調子に戻り、
今日も肩幅のプライドで元気ハツラツ、
逞しく頼もしく過ごしております！！
そうだ！ イトーヨーカドーといえば、セブンプレミアム！
こちらの記事 更新しました。
今月は・・・夏休みの昼飯の問題に迫るべく、
母である私が「夏休みの課題」に取り組みました。
娘たちが喜ぶと思ってキャラ弁ならぬ
キャラ麺作りにチャレンジ！
ところが、どーして？ 娘たちはわかってくれない・・・？
私の力作！？ キャラ麺、是非見てね！
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前回の記事にたくさんのコメントをどうもありがとうございました。エプロン、つける人ってやっぱり少ない？ でも、その用途は様々で笑いました。夏は暑いからエプロンをつけない派と、夏のノーブラ対策にエプロンをつける派、爆笑でした。でも、かなりの主婦が急な宅急便の対応に、エプロンが役立っていると知り、私も参考にさせて頂きます！ アンケートご協力心からありがとうござました。