おしんスッチー 初めてのフライトLAX→NRT | あたし・主婦の頭の中

おしんスッチー 初めてのフライトLAX→NRT

おしんスッチー 初めてのフライトNRT→LAX

おしんスッチー 初めてのフライトin LA   の続きです。


GW中のロサンジェルス発成田行きのフライトは

言うまでもなく満々席!

ボーディングの挨拶に始まり、新聞を配り、雑誌・・・

ベルトチェックをし、離陸のためにジャンプシートに座って時にはすでにかなり疲れていた新人の私。

それから、ドリンクサービスの後にお食事を配り・・・


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温かい飲み物をサービスし・・・


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お客様の食事を下げ、ぐったりしてギャレーに戻ったら・・・


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先輩に怒られ、すぐに食事の後でごった返す

トイレの前で芳香スプレー片手にスタンバイ。


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30分後、さらにぐったり度アップでギャレーに戻ると・・・

先輩は優雅に座ってお食事を召し上がっていた・・・。


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ギャレーの中、指くわえて先輩を眺めているわけにもいかず・・・


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またカーテンの外の戦場へ向かった私。


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やっぱりだよ・・・。

お客さんは一斉に私の方を見て、にこやかに手を振った。


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頼まれたコーラやオレンジジュースを手に

また働くのである。それが新人の役目なのだから。


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先輩の食事も終わり、やっと自分の食事にありつけたものの・・・

先輩のように優雅に椅子に座って・・・なんて許されない。

立ったまま、超スピードでかっ食らう!

余談だが、私は恐ろしいくらい食べるのが速い。

私は昔から食べるのが遅い方ではなかったが、

乗務員になってから、さらにそのスピードに拍車が掛かり、

結果、今では育ち盛りの男子に負けないくらい食べるのが速い。

(全然自慢にもならないけどさ~)


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だって・・・速く食べるには理由があるの。

食事中だって、容赦なく・・・


♪ふぁほ~ん


カーテンの外から聞こえるPAXコール。(お客さんの呼び出しね)


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急いで口の物を飲み込んで、カーテンの外に飛び出せば・・・

そこにはジャンプシートに座り、一応、にこやかにお客様を見渡している先輩が、重い? 腰を上げて今立ち上がろうとしているではないか。


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先輩は言う。


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とてもにこやかにそうおっしゃるものの・・・

でも、その微笑の裏には・・・


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新人には、そう言ってるように思えてならないわけで・・・

私は咄嗟にこう応える。


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天井に輝くライトブルーの光を目印にお客様のところに伺えば、

また私の姿を見つけた他のお客様からの熱烈コールが起こり・・・

なかなか食事再開には至らない・・・。


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やっとこさ、ギャレーに戻ると・・・

レスト(休憩)表が回ってきていて、先輩が言った。


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食事を即行済ませ・・・

機内の一番後ろにあるバンク(ベッドがある部屋)に

向かおうにも・・・

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その長いアイル(通路)・・・

1歩歩けば、お客さまからのオーダーが入り・・・
なかなかバンクまで進めないわけ。


私はチータ?

365歩のマーチ歌っちゃう?



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*チーターじゃなく、チータなんだって知ってた?


やっとバンクのベッドに横になった時にはね、

もうレストは後30分も残っていなかった。

私はパンパンになった足を放り出しながらいろいろ考えた。


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その後も、新人の私は働きに働いた。

そして思った。

「やっぱり無理だ・・・帰ったら辞表を出そう」


ところが、全部のサービスが終わって、

後は着陸を待つだけとなった時だった。

パーサーが私たち新人のところに来てこう言ったのだった。


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「コックピットでのランディングを体験しなさい。

これ、バスの中で歌を歌うのと一緒だよ。新人の特権。伝統なんだ」


*今はいろいろ厳しくなって、乗務員がコックピットでランディングも

 禁止されているかもしれません。当時ももしかしたら、ダメだったの

 かもしれないけど、今より緩い時代、私はこんな経験ができました。


コックピットに入ると・・・


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目の前には真っ青な空。

私たちを快く歓迎して下さった機長と副操縦士。


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成田空港が近づいてくると、目の前には畑の綺麗な緑が広がり・・・。

そして、滑走路が遠くに見えた。

機体が滑走路に近づくと、コンピューターから英語の声で

機体と滑走路の距離がカウントダウンされていった。


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20・・・10・・・


ゴーーーーーーー!!


何をどう感動したか・・・私は今でもうまく説明ができない。

でもね、コックピットで見たあの真っ青な空、そして滑走路。

沢山の乗客を乗せた、大きな機体が無事に滑走路に着陸した瞬間、

10時間に及ぶフライトの疲れも忘れるくらい

心の奥から熱いものがこみ上げてきたのだ。


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「空っていい! 飛行機ってステキだ!」

そう思った瞬間だった。


成田に着き、先程の感動を胸に出口でお客様に

お別れの挨拶をしていた時。


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沢山のお客さんが優しく声を掛けてくれた。


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中には素通りしていくお客さんだってたくさんいるけど、

うん、私だって今までいつも照れくさくって、うつむき加減で

スチュワーデスさんの前を通り過ぎていたもの。

でも、1つの温かい言葉でも十分だった。

肉体労働、上下関係、向いていないから辞めようかと迷っていた私に

その言葉は優しかった。



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そして、最後のお客さんを送り届ける頃には、

「もう少し続けてみよう!いやもっと続けたい!」

と思ってたのだ。


私の心の中に用意していた辞表・・・?


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その辞表はね・・・


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太陽にほえろのテーマソングと共に・・・


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心の中から消えうせたわ・・・。


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これでいい・・・一件落着じゃないか・・・


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↑この後ろを振り向いたら派手なベスト、わかってくれたあなた! ありがとう!



それから・・・私は辞めるどころか、

スチュワーデスとして最終的には7年という歳月を過ごした。

当然のように毎年あの恐怖の満々席のGWはやってきたけど・・・


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でも、私は、GWなんか怖くはなかった。

だって私は辞めないで頑張って続けてきたんだから・・・。

もう新人なんて呼ばせないわ!


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↑他にゴリさん、山さん以外で刑事の名前出てくる?



♪タララン・・・タララン・・・タララン・・・タラララララン・・・

♪パオンパオンパオン・・・

       

追記:カータン刑事 97年殉職 あっ間違えた! 辞職する


                 おしんスッチー三部作完!!



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前回の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございました。初フライト、先輩たちのタフさに向いてないんじゃないかと悩んだ私でしたが、その後、到着後すぐにディズニーランドに行って、フルに遊べるほどタフな女に成長しました。その翌日、LAに住んでいる友達と遊び、朝までガールズトークして、寝ずに成田まで平気でフライトなんてこともありました。お茶のポットを持つたびにプルプル震えてた腕も、免税品のウイスキーを一度に12本まで持てるようになってました。今にして思えば、慣れていなかっただけで、肉体労働は私にとって天職だったのかもしれません・・・。足の浮腫み解消法ですが、今回長くなってしまい、書けませんでした。決して勿体ぶってるわけではないので、近いうちにアップします。ホントに大したことじゃないので、申し訳ないのですが・・・。では、長い記事に最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。