ミッションインポッシブル | あたし・主婦の頭の中

ミッションインポッシブル

前にも書いたことがあるが、朝、新聞を読んでいると、必ず泣く・・・。

何かしらの記事で涙が零れる。

ちなみに昨日はこんな記事で泣いた。


多摩動物公園で行われた訓練の記事だ。

地震でパニックになったシロオリックスの親子が脱走して、

来園客に衝突したという想定の訓練だという。

この記事のどこに涙が出る要素が隠されているのか?

疑問に感じる方もいらっしゃると思う。

実は、本物のシロオリックスを訓練に参加させることはできないわけで、実際の訓練に参加したのは、何と着ぐるみを着た職員だという・・・。

その一見滑稽と言えるこの光景、

それを80人掛かりで、約40分に渡って行った。

その写真を見ていたら・・・


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涙、涙である。

この着ぐるみに入っている職員は

一体どんな気持ちで横たわっているんだろうか・・・。

「堪んないぜ! こんな着ぐるみ着せられてよ!

早く終わんねーかな」と思っているのか?

いやいや違う。

「俺は人間じゃない! 今この瞬間は俺はシロオリックスさ!」

と思っていたに違いない、いやそう信じたい。

また捕獲している人たちの表情も皆、真剣そのもので、

誰一人「馬鹿らしい」なんて思っている人なんていない。

(たぶん、きっとそう!)



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人間が何かに一所懸命に取り組んでいる姿には

本当に心が打たれるものだ

ちなみに私が心打たれたこの写真がネット上にあったので、

是非、皆さんもこれ を見て感動の熱い涙を流して頂きたい。


と、昨日もそんな涙の朝で始まったわけだけど、

涙をぬぐいながら、私も思い出した訓練があった。

客室乗務員時代の緊急時における訓練のことを・・・。



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この日、教官はいつになく厳しかった。

我々はモックアップと言われる飛行機の一部を

室内に作った訓練所に集められた。

今日は、実際の水上で訓練するのではなく、

機体の外は床になっており、その床にボートの位置と

水面がマーキングされていた。


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↑絵で表現する限界を感じた1枚。わかって頂ける?


教官は言った。

「これから君たちは乗客と乗務員役に別れ、

緊急着水した場合の訓練を行います!」

どうせどちらの役もしなければならないのはわかっているものの、

始めは客役の方が気が楽である・・・。

私は願った。


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教官は次々といろんな客役を指名していった。


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皆指名されるや、まるで何かに乗り移られたように

見事その役になりきっていった。


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ケガ人とか子供とか書かれたゼッケンのようなものを付け・・・

いよいよ訓練は始まった。


我々が乗った飛行機に不具合が生じ、近くの海に緊急着水しなければならいことになった。

機長のアナウンス、そして乗務員の救命胴衣着用の指示・・・

機内の照明が暗くなったり、サイレンみたいなものも鳴ったか・・・?(記憶が定かではない)

そんな状況の中、訓練とわかっていながら、

我々はかなりの恐怖に包まれ、機内は緊迫した状況になった。


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想像はしていたことだが、乗務員役を指名されてしまった私は

早くも使命感で押しつぶされそうになっていた。

これは訓練なのだ。そう、自分に言い聞かせても、

その重圧は変わらない。

乗客は「ギャーギャー」叫び、パニック状態にすらなっている。



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いよいよ、着水に備え、全身緊張の体勢を整える。


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体に与える衝撃を抑えるために、緊急着陸、着水時は

頭を下げ、体をカチンカチンに固めないといけない。

気分は瞬間冷凍されたマグロと言えばわかりやすいだろうか?


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乗客に向かい合わせになって座っている我々は

頭は下げないものの、なるべくジャンプシートから体を離さないように

やはり瞬間冷凍マグロ、カチンカチンになる。


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飛行機は無事着水した。

それからは機体が沈まないうちに一刻も早く、

乗客をボートに誘導し、飛行機から離れなければならない!


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私の頭の中では

太陽にほえろ! のテーマソングが流れたか?

いや、ミッションインポッシブルのテーマソングだったか?


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私は先にボートに行き、安全確認をしたのち、

まだ飛行機に残っている乗務員にサインを送った。


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私のOKのサインで、他の乗務員が乗客をボートに

誘導し始めた。


まずはイケメン!

あっ間違えた、子供、お年寄り・・・。


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私はテキパキと誘導し、素晴らしい乗務員だった。


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きっとこんなテキパキこなせる乗務員のいるフライトなら

どんな緊急事態が起こったって怖くはない!

そう思われるような働きぶりだった。

その甲斐あって、短時間で全員がボートに乗った。


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少し緊張も和らぎ、私は自分の活躍ぶりに

しばし酔いしれていたその時だった!!

教官が怒鳴り出した。

 

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「それも致命的なミスだ!」


致命的なミス? かなりの興奮状態の中、

冷静に振舞うことはとても大変なことであるけど・・・


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その時、聞いた。教官の怒鳴る声を!

「YOU!」

その時、見た。教官の人先指のその先を!

「ME?」


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あんなに完璧だった私が? なぜ?

すると、教官は呆れてものも言えないと言った感じにこう言った。


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私の足元・・・?


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そうだ、興奮した私は何を思ったか、ずーっと

水と書かれた床の上で乗客を懸命に誘導していたのだった。

これは床だ・・・。

でも、もしこれが本当の着水だったとしたら・・・

一体どうなっていたというのだ?


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1人水に浮かびながらも懸命に誘導にあたる乗務員?

小谷実可子(例えが古い?)も目じゃないわ! って?


この後、小谷実可子は教官にすごく絞られ・・・

結局1度も乗客役は演じられず、

ただひたすら乗務員としてのミッションを遂行する役を

繰り返すばかりだった。



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前回の記事にもたくさんのコメントをどうもありがとうございました。父の誕生日のお祝いコメントもどうもありがとうございます。泣いて喜んでおりました。毎日、雨降りが続いてます。洗濯物がすごいことになってます。今日はそんな洗濯物が暖簾のように部屋に垂れ下がっているおしゃれな我が家からお送りしました。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとう!