楽しい話題しか書きたくなかった当ブログですが、ウクライナで悲しく辛く理不尽で信じられないことが起きてしまいました。長くなりますが、IKEA公式サイトからのロシア、ベラルーシにおける現時点での決定の全文をここに翻訳して、間に少し私の追記(*印)を付け足してアップします(原文はこちらです)。

最後に私が2006年にロシアのIKEAに取材に行ったときの話もあります。

 

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2022年3月3日
イケアがロシアとベラルーシでの事業を一時停止

 


ウクライナにおける壊滅的な戦争は人間の悲劇であり、私たちの深い共感と懸念は、影響を受けた数百万人の人々とともにあります。インター・イケア・グループとインカ・グループ(*イケアの母体)は、イケアのコワーカーとその家族の安全と安心を守るために直ちに行動を起こし、今後もそれを継続していきます。

 

戦争はすでに大きな人的影響を及ぼしています。また、サプライチェーンや取引状況にも深刻な混乱をもたらしています。これらの理由から、イケアグループはロシアでのイケアの事業を一時的に停止することを決定しました。(*ロシアにある約17店舗を一時的に閉鎖)

●インター・イケア・グループは、ロシアとベラルーシからの輸出入をすべて一時停止する決定を下しました。
●インター・イケア・グループは、ロシアにおけるイケア製品の生産業務をすべて一時停止することを決定しました。これは、すべての生産業者からこれらの部門への納入が一時停止されることも意味しています。
●ただしショッピングセンター「メガ」(*イケアの母体インター・イケア・グループによるINGKA CENTRESが運営する、イケア店舗を中心とした大型ショッピングモール)は営業を継続し、ロシアの多くのお客さまが食料品、日用雑貨、薬局などの生活必需品を入手できるようにします。 (*このイケア店舗も開店しておくのかどうかは表記がありません。他にフランスのスーパーAuchanも入っています)

 

これらの決定は、関係する約15,000人のイケアのコワーカーに直接的な影響を及ぼします。グループの決定は長期的なものであり、当面の雇用と収入の安定を確保し、現地の関係者とその家族への支援を行っています。

すでにイケア全体では、定評ある人道支援団体とともに、最も必要とされている地域で被災者を緊急支援するためのいくつかの取り組みを始めています。

インカファウンデーション(*イケアの母体が運営する財団)は本日、ウクライナの紛争により強制的に避難させられた人びとへの人道支援として、2000万ユーロを直ちに寄付することを発表しました。これは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、ウクライナでの紛争の影響を受けた人々への支援と保護を拡大するために行った緊急アピールに応えたものです。

また、インター・イケア・グループとインカ・グループは、現地で活動するUNHCRやSave the Childrenなどの団体に、製品などの支援を行うために、まずそれぞれ1,000万ユーロを提供します。

状況は極めて危機的で動きが速くなっています。グループの各社はこの現実の中で人々の利益を最優先に考え、ナビゲートすることに専念しています。

 

 

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翻訳は以上です(主にDeeplを使いました、感謝!)

 

私は現在までにIKEAに関するファンブックを2冊出版していますが、2006年に出版した1冊目『IKEAファンブック』のための取材でロシア(モスクワ)のIKEAへ取材に行きました。

 

 

当然ですがGoogleMapは無いしキリル文字以外の案内は街中に一切なく、1月でマイナス10℃で寒いし、道ゆくロシア人のみなさんの案内がたより。無事たどり着けたときの感動はひとしおでした。モスクワの交通は(当時)本当に複雑で、公共交通が大好きですぐ乗り方になじむ私でも相当手強い仕組みだったのです。

 

そのときの話をちらっと『IKEAファンブック』に書いておりますので、ここに転載します。

 

『IKEA ファンブック』(2006)より

 

今まで私が巡った世界のIKEAの中ではダントツに美しく整理された店内でした。そしてここ↑ではカットしたのですが、店内巡回の警備員がライフルを持っていたのがロシアらしくてものすごく印象的でした。当時のモスクワではIKEAは「ちょっといい高級店」的な位置付けで、世界の他の支店と同じくミートボールもちゃんとありましたが、これまた丁寧な作りで盛り付けも美しく、ご高齢のスタッフさんたちがとっても親切だったのを今もよく憶えています。商品も他国にはないキラキラしたガラス製のゴージャスなカクテルセットなどがあり、マニアの血が騒ぎました。

 

どうかまたもう一度行くことができますように。

 

 

 

 

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