信号機が歌う街並み 僕も負けじと三度音上
得意気な顔して 煌めかすハーモニー
君の大きい目も細ませる
春が歌う森の囀り 耳を澄まして響いた声
「あの小鳥、下手だね」って よく聴いてるんだね
こりゃ油断できない

上いったり下いったり
自由に動けるのは 僕だけじゃないの?

気づいた? 口ずさむのは僕の癖で
それを笑うのが君の役で
無機質街の音楽は 君と僕だけに響くのさ
いつも街が奏でるオーケストラに
彩る声を添えていくのさ
横にいる君専属の いい音楽家きどりでもいいかな?

何気ない顔をしてるから きょとん覗き込んで呟く
「いいことあった?」「いや別に何にも」
君といるからなのに

君が僕の前から消えたら
ただの浮ついて滲んでいる 曖昧なメロディ

気づいた、口ずさむのは僕の癖で
それを笑うのが君の役で
忘れられない音楽が 君と僕だけに増えていく

気づけば 口ずさむ僕の隣で
笑うのは君以外に増えて
デュオがトリオやカルテット 重ねた声の数輝く
笑うのかな? こんな歌を聴いたら
でも君が笑うんならいいや
これからも君を彩るんだ まだ音楽家きどりでもいいかな?