僕の名前は、雅武里依留。なんとも、ふざけた名前だろ?苗字だけでも十分もの珍しいのだから、そこは親も察してくれて、シンプルな名前をつけてくれればよかったものの・・・。ふざけているのか、大真面目なのか、はたまた僕に対する嫌がらせなのか、よりにもよって、超キラキラネームをつけられてしまった。
 両親はただ単に、リエルという響きが気にいったらしく、そんな天使の名前が実在することも知らずに、つけてしまったらしかった。
 僕はこの名前のせいで、どれだけ同級生にからかわれ続けてきたことか・・・。
 そしてそこはかとなく、天使なのだから、悪いことは出来ないという漠然としたプレッシャーにさいなまれながら、17年間生きてきてしまった。