卒業研究について、空間を広く見せる手法を調べてリストアップ、分類しました。また、アンケート(試作版)の結果をまとめました。

 

(1)空間を広く見せる手法

 

広く見せる手法に関しては、

①大きい鏡を置く

②大きめの窓を設置する

③何も置かない場所を作る

④間接照明を使う

⑤脚が細いテーブルやチェアを選ぶ

⑥背の高い家具は隅や窓際に配置する

⑦テレビを壁掛けスタイルで設置する

⑧アイボリーやホワイトなどの明るい色を使う

⑨ボーダー柄の家具を取り入れる

⑩背の高い家具を手前に、背の低い家具を奥に配置する

⑪天井を高くする

⑫家具の高さは目線より低くする

⑬生活動線を確保して目線の抜けを作る

⑭家具のデザインを統一する

⑮透明な家具を取り入れる

 

他にも多くの手法がありますが、よく活用されている手法をまとめました。

これらをチャート化し、横軸を元の構造や設備が関わるものか、反対に主体的な家具選びで変化させられるものなのかという基準で分類し、縦軸を色・模様が関わることか明るさ・開放感が関わるものかで分類しました。

 

 

家具選びによって広さ感を変える手法は多く存在するため、色・模様と構造・設備が関連する手法について調べたところ、光沢のある素材や透明な素材によって広く見せる手法や木目の向きによって広く見せる手法が存在することが分かりました。

 

 

(2)アンケート結果

 

アンケートの内容は「秘密基地を作った経験」に関するものです。

アンケート結果をまとめる際に気づきましたが、回答者の中で室内に秘密基地を作った人と屋外に秘密基地を作った人でちょうど半々に分かれていました。

室内に秘密基地を作った人は押し入れの中やベッド、机の下や段ボールの中などを対象としていました。狭い場所に何かを持ち込む(ゲームやお菓子など)ことで安心感を得たり自分だけの場所とする、ある種の縄張り意識のようなものが働いているのではないかと考えました。

屋外に秘密基地を作った人は家の物置や公園、材木置き場の空間に材木の皮を剥いで屋根にした経験があることが分かりました。

場所の選び方には家や学校の近くに秘密基地を作れる環境があるかどうかも関係していると思いますが、本人の性格的な特性も関係があるのではないかと考察しています。

内向的な人は室内、外向的な人は屋外に作る傾向がある、また、そこに持ち込むものや誰と作るかなど、一概に秘密基地と言っても多様性があると思いました。

このような経験はどのように本人の記憶に影響を与えるのか、その経験が空間に対する考え方に反映されるものなのかを調べていきたいと思います。