卒業研究に際し、先行研究となる論文をリストアップしました。
読後に内容をまとめてこちらの記事に追記していきます。
〇居住空間における空間経験と規模感覚との関連性に関する研究
居住空間の広さに対する感じ方は以前住んでいた住居との比較による影響が大きい
→実家暮らしから一人暮らしに移行した人はその分狭く感じるのでは?
具体例:実家から寮生活に移行した人へのアンケート調査で寮の個室を狭く感じる人が多かった
時間経過による感じ方の変化もある→要確認
家具配置による変化
→作業スペースの確保が広さを感じる要因に
細長いスペースよりも正方形に近いスペースの方が作業スペースと認識しやすい
学生寮の個室という観点から考えるのも良いと思った。以前はアパートのワンルームなどを想定していたが、学生寮などを例に取り上げてみるのも良いかもしれない。
〇近代以降の小広場空間とその展開に関する研究 ~帝都復興計画における「広場」を中心として~
都市空間のオープンスペースの重要性
→周囲の景観と馴染んでいないものや利用計画がうまくいっていないものが多い
帝都復興計画において
「広場」は街路事業によって設けられ、事業上は公園とは区別されていた
「眼を通しての慰安」、美観的観点が強調され、人々に保健や保安といった間接的な働きかけをする存在
→利用の仕方は異なっていたにしろ、全ての市民が慰安を享受できるという点において重要な意味を有していた
復興広場の一つである和泉広場の事例
時代を経て劇的な変化を遂げた都市の中で、唯一そのまま残っているのはオープンスペースとしての広場
狭い空間でも多様な利用方法があり、多くの人の憩いの場となる
都市空間の中の狭小空間について、以前は室内空間についてのみ考えていたが屋外についても調べたほうが人の動き等についても知れると考えた。
〇照明の配置・色温度が狭小空間の印象評価に与える影響
天井照明の配置と色温度が心理に与える影響
狭小空間において、照明は部屋の中央に配置するのが好まれる傾向にある
反対に、壁面付近に分散させると評価が下がる
照明は2700Kが最も評価が高い(快適性、作業のしやすさの面で)
照明は快適な空間づくりに欠かせないため、模型制作の際にもこだわりたい。インテリアデザインの講義で学んだ内容として、照明配置や色温度などの重要性を再確認した。照明の大きさや形、見た目等についても考慮する必要がある。
〇家具配置が室内空間の広さ感に与える影響について
シュードネグレクト効果(右視野よりも左視野を重視しがちな人間の認知傾向のこと)が空間の広さ感に影響
家具は奥に向けて背の高いものから低いものの順にて並べると、錯視効果で部屋を広く
見せることができる
奥行き感
奥までの動線距離の長さによる「奥まり感」で評価
→事前研究「インテリアにおける家具の配置が空間の知覚に及ぼす影響 室内空間に影
響を与える錯視効果の研究 その2」を参照
人間の認知機能を利用して広がりをもたせるのは興味深いと感じました。
室内評価には個人の好み以外にもこうした認知機能の影響が大きいため、重点的に調べたいです。