染色体疾患(先天性疾患)について


通常、ヒトの細胞には46本の染色体があり、それぞれが21組の対を成している。

このうち22対(44本)は常染色体と呼ばれ男女に共通するが、残りの1対は性染色体といい、男性はXY、女性ではXXを持つ。

22対の常染色体は、大きい方から122 番と番号が振り分けられている。(21番と22番のみ例外で、実際は21番染色体が最も小さい)




染色体疾患の原因

染色体の数の変化(数的変化)や形の変化(構造変化)によるものがあり、もっとも頻度の高い変化は数的変化のトリソミー(通常2本の染色体が3本存在すること)。

出生前診断で対象となる疾患は、21番染色体が3本になるダウン症候群、18番染色体が3本になる18トリソミー、13番染色体が3本になる13トリソミー。

このように、染色体の数が増えると赤ちゃんに様々な症状が現れる。





ダウン症

ダウン症候群は、先天性の心臓の疾患(約50%)や消化管の疾患(10%)などを有することがある。
出生後は小柄だが、少しずつ成長していく。

筋肉の緊張が低下しているため、運動の発達は時間がかかる。また、知的発達は個人差があり、言葉の発達はゆっくり。子育ての際に、より手をかけてあげることが必要なことがあるが、その子にあった赤ちゃん体操やリハビリテーション、療育により、最大限の発達を引き出すことが可能。
また、厚生労働省の研究班のアンケート結果によると、ダウン症のある方の約9割が「幸せを感じる」という結果がでている(n=841名)。

多くのダウン症候群があるお子さんは、支援クラスを利用しながら地元の学校、あるいは特別支援学校に通っている。
就業する方も多く、スポーツ・芸術などさまざまな分野で活躍している方もおり、社会性が保たれていることが多い。現在の平均的な寿命は、50  60代。




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