先月開催したワークショップの参加者の皆様と!充実した素晴らしい3日間でした!

 

こんにちは、新人映画監督の春本雄二郎です。

 

 

ただいま『映画大学in福岡』という映画イベントにゲストで呼ばれていまして、博多からこのブログを書いています。

 

 

昨日、深夜にホテルのフロントの方オススメの博多ラーメンを食べに行き、チャーシュー麺を頼んだところ、丼にはチャーシューが2枚...。当然、初見の店なのでデフォルトのラーメンの仕様を知りません。『チャーシュー麺って、二枚なんですか?』という質問をして、『チャーシューの枚数でガタガタいう客』という印象を持たれたくないと思った春本は、もしかしたら『ラーメンにはチャーシューが入っていないのかもしれない』という思い込みをして、意見を言うのをやめました。その後、隣の客が頼んだチャーシュー麺には、チャーシューが5枚乗っていました。

 

さて。

 

春本は、映画『かぞくへ』という作品を監督しておりまして、

https://haru-gumi.amebaownd.com/pages/2603727/page_201902131333

 

現在、次回作『嘘に灯して(仮)』という作品を製作準備しています。

 

月に一度、演技ワークショップを開き、次回作のキャスト選考もしています。

 

7/28(日)〜7/30(火)の三日間で、キャスト選考も兼ねたワークショップを開催するのですが、その上で、最近俳優部からよく耳にするようになった驚くべき質問と、それについて春本が考えたことについてお話ししたいと思います。

 

それではどうぞ。

 

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現場で俳優部が意見を言えないことの弊害

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最近、俳優部から『現場で意見を言って良いんですか』という驚くべき質問をされることが多くなりました。

 

シンプルに、答えは『イエス』です。

 

極めて当たり前のことですが、

『演じる』という部分で、俳優部は、どの部署よりもエキスパートでなければなりません。

(5/11のブログ「俳優は自分で『言語化』し『体現』する自由がある」)

https://ameblo.jp/yujiro1203/entry-12460491479.html

 

 

ということは、俳優部は監督が提示してくる演出と、自分の演技プランを一度は照らし合わせなくてはいけない

 

でないと、その人は、言われた通りに動くだけの単なる『再現者』(=人形)でしかありません

なので、当然『意見は言って良いし、むしろ言わなくてはいけない』

 

もちろん、その意見の『的確性』『言葉選び』『発言のタイミング』は重要です。

とはいえ、意見を言って良くない現場など、本来あろうはずがないのです。

 

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こんな質問が出てきてしまうようになった背景はおそらくこうです。

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今、商業の現場で、俳優と監督が現場をストップしてディスカッションする場面はほとんど見られないようです。(もちろん、一部の現場によっては見られます)

 

その多くは予算面が要因になっています。短い期間で撮り切らないといけないため、ディスカッションをする時間がないのです。

 

結果、それを何年も目の当たりにしてきたスタッフやキャストは、

いつしかディスカッションという概念をポッカリと無くしてしまうんですね。

 

また、こういう一因もあると考えられます。

最初は尖っている新人俳優も、先輩俳優が現場でディスカッションをしないのを見てしまうと、日本人特有の『空気を読んでしまう』性質が発動し、どんどん丸くなってしまうんですね。

『下手に発言して悪目立ちすると、次呼んでもらえないかもしれない』と考えるからです。

 

話を戻します。

 

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そうすると俳優にどういう変化が起こるか?

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そうです。

『受け身』『まず指示を待つ』という姿勢になるのです。

 

この姿勢は、俳優部に限ったことではなく、全部署に共通して言えることなのですが、作品にとって大変な損失であるとともに、スタッフ自身にとっても大変なマイナスです。

 

『受け身』になるとはどういうことか?

 

というと、ズバリ『答えをもらえる』『答えがある』という思考回路になる

ということです。

 

極めて当たり前のことなのですが、

オリジナルの表現に『答え』(=正解)などありません

そして、『答えがあるもの』は、『すでに誰かがやったもの』なのです。

 

そこで、表現には『答えがある』と思い込んでいる人は、

『どこかにあるものを使おう』としてしまいます。

 

と、どうなるか?

 

みなさん、もうお分かりですね。そうです。

それが、『誰かのものまね』『演技している感』『違和感』につながるというわけです。

 

何度も言いますが、

表現に答えはありません。

自分で作る、探すしかないんですね。

 

でもそれが人々を惹きつけるオリジナリティ、自然さ、馴染みを生むんです。

 

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じゃあ俳優として何をやれば良いの?

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二日目のワークショップでは、互いの個性に基づいたオリジナルな内容の演技をしてもらいます。

 

『表現に答えはない』と言いましたが、

表現のために欠かせない『基礎の力』は確実にあります

 

その基礎の力があって初めて、俳優は表現を存分に追求することができると、春本は考えています。

 

春本の主催する演技ワークショップでは、

 

『言語化の力』

俳優が台本を自分自身で理解し、そこから自分の演技プランを立て、監督とディスカッションする上で、想いを言葉にできる力。

 

『体現力』

自身の演技プランを言語にした上で、それを動作に置き換える力。

 

『構成力』

自身のプランを、効果的に表現するために、分量・尺・タイミングを計算する力。

 

この三つの力を掘り起こし、伸ばすための、実践的な練習をします。

また、俳優それぞれのオリジナリティを活かす内容を提案し、自分自身をしっかり見つめてもらえる機会を作ります

 

 

ベースの力を日頃から鍛錬し、内なるものと向き合う時、俳優は唯一無二の輝きを放つと考えています。

 

春本は次回作『嘘に灯して(仮)』を今年冬に撮影します。

 

輝きを持った俳優の方たちと一緒に、楽しみながら、時に勝負しながら作品を良くしていきたいと思っています!!

 

 

7/28(日)〜7/30(火)三日間で開催するワークショップで、

参加者のみなさまの『構成力』『言語化力』『体現力』鍛える内容の授業を提供し、そこで共に作品をつくっていける方を見つけていきたいと思っています!

詳しい情報と、お申し込みはこちらから

https://haru-gumi.amebaownd.com/pages/2391450/page_201811161110

(リピーターの方、映画工房春組会員の方は割引があります)

 

みなさまのご参加を、心よりお待ち申し上げております!

 

 

 

春本が主宰する『映画工房春組』では、全国から映画を愛するみなさまが集まって、今日もやいのやいのと映画について熱く語ったり、はたまた映画祭を作ったり、上映会を開いたりしております。

 

また、春本がこのブログよりもさらに踏み込んだ映画について、あれやこれや考えていることを記事にして投稿しています。

 

昨日は『脚本執筆のおける真のテーマの見つけ方』について記事を書きました。

作り手を目指す方にとってはぜひ理解しておいていただきたい内容です。

受け手の方は普段は知れない必見の内容になっています!

 

興味がある方はコチラ↓

映画工房春組