最近は農作業がゆっくりしているのもあり、視察、視察の視察ラッシュです!
行くほうばかりですが。
視察先の経営者の皆さまや多くの農業経験者の方に話を伺うなかで、
いくつかのパターンがあることがわかりました。
先日「半田税理士事務所」の講演会でも話題としてあがっており、
税務や経営面からみても、間違ってないのかなという事で記事を上げてみたいと思います
大きく分けると2つの成功モデルがある
①大規模農業、外部資本、多角化
②農業体のグループ化
①大規模農業
補助金を受けているケース、受けていないケースとありますが、
ほとんど受けていないケースが多いと思います。
その代わり、外部の資本を受け入れ、共同出資という形で株式を持ち合うような形態で
規模の大きな商品を市場へと供給しております。
・トマト
・パプリカ
・きゅうり
・水耕栽培
・きのこ
などが多く、規模も2haの温室などは小さいほうでした。
資材も国内メーカーではなく、オランダメーカーから取り寄せたりと
「効率化」が徹底され、技術と一緒に設備を購入しているようでした。
コンサルやアドバイザーも多く参画するなど一つのプロジェクトを作り上げているような印象です。また、経営体として、多角化も取り組んでおり、飲食店や加工設備
コンサルなど多岐にわたった事業展開を行っているようです。
販路としては、直接契約が多く、市場へ流しているケースはあまり見かけませんでした。
その編も意外な点です。販売会社を別に作るケースもあるため、企業としての生産活動を行っているようでした。
②農業体のグループ化
JAの「部会」などもこれにあたると思いますが、今回は、農業経営体がそれぞれの利点と分業化をすることで経営負担を減らす「バリューチェーン」方式のグループ化を紹介します
品目でのグループ化というよりは「カテゴリ」でのグループ化
・葉物野菜
・有機野菜
・高糖度トマト
・「七草」
これらの共通事項でグループ化し、組織としてのメリットを最大化させています。
それぞれのカテゴリで「シェア」が高く維持できていたり、市場外への直接販路を持っているのも特徴です。物量で交渉する、統一したクオリティで交渉するといったグループ化のメリットを武器にプライスリーダーを維持するのもポイントではないでしょうか
・生産者は「生産特化」することで製品のクオリティを上げるグループ化
農業体は規模にかかわらず、横のつながりの組織構造で、その上部組織として「販売会社」を一社置き、梱包、販売、物流の一切を任せる形でグループ化を行っています。
種や栽培資本(ハウス、農業機械など)は個々の生産者が計上しますので、減価償却を行いながら、生産を行っていきます。
納品先にあたる「販売会社」は、物流や営業の一切を代行しますので、
一経営体に本来ある「トラック」や「梱包機」などはなく、それらにかかっていたコストや人財は生産活動へと向けることで経営の効率化を図っております。
個人ではなかなかそろえることができないものを「販売会社」のコストとして計上するため高い利益率が確保できるわけです。
また、「原価」を把握しているため(生産が母体のため)無理な買いたたきは当然できません。
そのため、市場へ対して、強い営業力が必要になるわけですが、それだけの物量と商品力を備えているグループが現在台頭してきているのではないでしょうか。
※これは本来JAの役割であるという意見もありますが、複数の組織があり競争することで業界の活性化になるのでは?という意見もあり、著者も賛成する
農業の未来像を推察するに
・農業人口減少による「共選出荷」の終了
→大小の経営体が参画する共選を維持するメリットが農業体になくなるため
生産者減少により出荷量が多い農業体への負担が増えるため。
・「委託販売」モデルの崩壊と失敗による「買取販売」の台頭
→すでに全農が検討開始したが、農家の原価意識が高くなり、価格が合わなくなると
出荷を取りやめるなど、「もの」を集めることができなくなるため。
・組合員の減ったJAの自己資本比率の維持のための合併加速
→銀行としての機能維持するために、自己資本比率を維持する必要があるが
共済事業、年金預金などがどんどん引き出されるなか、比率の維持が困難になるため
・外部資本の参入や農業経営体の成長による第二JAやそれに連なる組織の台頭
→農業外からの参入や、小売、物流業が自らの資本を使い、組織化を促進
結果としてJAと同じ機能を持つようになるため
・既存物流の「市場外」流通の加速とブロック化
→JAの「部会外出荷の禁止」に近いものがあるが、ブロック化することで
他社へと自グループの商品が流通することを防ぎ、結果として自グループの利益が最大化するように仕向ける。(寡占状態やシェアを維持することで販売力を維持する)
※独禁法への抵触も考えられるが、野菜はだれでも作ることができるため、難しい
(直売所の出荷者制限などもそれにあたる)
これらのことが考えられます。
しかし、さらに一つ付け加えると
「地域を維持するための営農組織」
というのも加えてよいのではないかと思います。
フランスに代表される補助金による運営が主体の営農です。
半公務員化、3セク化といってもいいでしょう。
おそらく、しぶとく生き残り、つぶれることはないと思います。
(税金はたっぷり注がれるわけですが)
ビジネスモデルとしては不適当ですが、
そうでもしないと維持できない地域は多いのは
事実です。
延命措置でしかないと思いますが、延命で地域がつながるならと考える経営体も多くあり、
その中から維持だけでなく発展へと変革する経営体も出てくるのではないでしょうか。
まとめると
・個人事業としての農業は限界
・大規模化、グループ化などの組織化は必要
という事になるでしょうか。
最後に
これから訪れる、農業の大きな変化を「厄災」ととらえるか、
「好機」ととらえるかは、見え方一つではないかと思います。
著者は「ブルーオーシャン」でしかないと思います