心房細動とは心臓を動かす電気信号の乱れによって生じ、脈が乱れて不整脈になってしまう病態です。不整脈になると心房(心臓内の部屋)内の血液がよどんで固まり(血栓)それが全身に回り、大事な血管を塞いでしまうことがあります(脳梗塞など)これは非常に危ないです。心房細動の原因には年齢、高血圧、糖尿病、ストレスなどがあるようですが、心房細動が炎症と関係してることもまた確かなようです。
一部抜粋:心房細動の患者では、からだに炎症があることを示すCRPという物質の数値が高いことが分かっています。今回の論文では、心房細動自体がこの炎症の原因となっていることを示す結果が提示されています~この論文では心房細動それ自体が、炎症を引き起こすことを示唆していますが、実際は炎症によって心房細動が引き起こされているとも考えられています。このため心房細動の予防に、こうした炎症を抑える薬が有望視されているわけです~ここまで
SGLT2阻害薬にはこの心房細動を抑制する効果があるようです。
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.121.022222 米国心臓協会ジャーナル(AHA) 2021年9月
要旨:SGLT2阻害薬は、死亡率を含む心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全など)の悪化を減少させますが、心房細動に対する影響は不明です。75,279人の調査でSGLT2阻害薬による重篤な心房細動の発症リスクが低いことが裏付けられ、別の18,832人の調査では、心房細動の病歴がある患者の心不全、または心血管死のリスクを低下させる結果となりました。SGLT2阻害薬は心房細動の発症を軽減し、心不全による入院/心血管系死亡を(心房細動の病歴の有無にかかわらず)同程度に減少させる可能性があります。
やはり鍵は炎症(特にCRP)を抑えることにあるようです。そしてオメガ3にもやはりCRP値を抑える効果があるようです
さらに最新の米国心臓病学会ジャーナル(JACC)2023年7月には次のように書かれています。
https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2023.05.024
要旨:オメガ 3 と心房細動の関係については、依然として議論の余地があります。私達が17のコホート研究からの54,799人の参加者を調査したところ、オメガ 3 の体内レベルは、心房細動発症リスクの増加と関連していませんでした。私たちのデータは、心房細動のリスクに関して、オメガ 3 の習慣的な食事摂取の安全性を示唆しています。有害な冠動脈発症(心臓突然死、心筋梗塞、狭心症など)の予防におけるこれらの脂肪酸の既知の利点と組み合わせると、私たちの研究は、魚/オメガ3脂肪酸の摂取を推奨する現在の食事ガイドラインを維持できることを示唆しています~ここまで
長年フィッシュケトンを続けてきた私の心臓は(物理的には)まったく正常で健康です。少々きつい山登りも平気です。そして(薬による)糖質制限であるSGLT2阻害薬やオメガ3にも、炎症をある程度抑える効果が実際にあると私は思います。さらにこのことは、がんの場合にも当てはまると私は考えます。がんの実態は巨大な慢性炎症だからです。ゆえに少しでもこの慢性炎症を抑えていく工夫が、がんを抑える上でとても重要に思います。
注:SGLT2阻害薬は薬剤なのでお医者さんによる管理が一番安全です。