ネットや本では、識者の方々が様々な意見を述べられています。参考になる場合も多いことでしょう。確かに多角的な見方があるのはよいと思います。ただ、私は下記の記事には、さすがに同意できませんでした。ある意味で危ないとさえ思えます。

一部引用:私は3年前、やたらにのどが渇くので、検査を受けることにしました。 すると、血糖値が660mg/dlにも達していたのです。 むろん、重症「糖尿病」の域です。医者には、インシュリン注射による治療をすすめられましたが、私の場合、「2型糖尿病」だったため、断ることにしました。その後、私は、もっぱら「歩く」ことによって、血糖値をコントロールしています。それまで、まったく運動をしていなかったためか、毎日30分ほど歩くことにしたところ、血糖値を200~300前後でコントロールできるようになったのです。「正常値」とされる数字までは下がっていませんが、それでも、のどは渇かなくなり、さほどの支障は感じていません。~引用ここまで

 

確かに(食後高血糖を下げるために)膵臓から過剰に分泌されるインスリンによる血糖値の下がり過ぎ(低血糖)は、ケトン体の補充がないので(脳がエネルギー不足となり)危険です。私も胃切除したばかりの頃に、お握りを食べた後の運転中に低血糖症状になり(ダンピング症候群) 意識を失いかけて危なかったことがあります。このような状態が慢性的に続くと、身体全体もエネルギー不足傾向となり(身体は)筋肉を分解してエネルギーを得ようとするので、筋肉痩せになってしまいます。これはがん患者にもよくないです。

でもケトジェニックの場合は(甲状腺機能低下症などがなければ)増えたケトン体が肝臓の糖新生(筋肉分解)を抑え、インスリンによらずに自然に血糖値を下げます。この場合にはエネルギー(カロリー)は足りているので、低血糖症状や筋肉分解は発生しません。私の現在の空腹時血糖値は70~80、ケトン値は2~3くらいです。ただしカロリー(エネルギー)不足にならないように充分に気を付けて、最近では質の良いオリーブオイルをコーヒーやココアに入れて飲んでいます。なかなか良い味です。毎朝のスクワットと組み合わせると筋肉量も増えるようです。

しかしケトジェニックでない場合でも「(空腹時)血糖値を200~300前後でコントロールできてる」というのは危なく思えます。糖尿病は酷くなるまであまり自覚症状がないからです。私の母親は高血糖を長年放置したために、ある日突然、脳梗塞になりました。胃がんで経過観察中の場合にも、ダンピング症候群を伴うことが多いので、糖尿病対策は考えておいた方が安心に思います。

私はがんになる以前はこの先生の著書をたくさん持っていました。英語は会話よりも、まず文法が大事だ、という鋭い見識には「なるほど」と思ったものです。でもそれと今回の記事とはまた別で、やはり「違うところは違う」のだと私は思います。