昨年9月5日の早朝、小松島市の旅館で一泊した朝、宿近くの小松島港へ来てみました。この街へ来たのはいつかこの場所を訪ねてみたかったからでした。40年前5月のことでした。まだ就職して2ヶ月目、初めて来た見知らぬこの街で飛び込み営業実習のため2週間を過ごしました。1日の仕事を終えても帰るのはあの小さな旅館だけ。近くの酒屋で缶ビールを買ってこのコンクリートのブイに座って海を眺めて時間を潰しました。すると岸壁の先を大きなフェリーが出港して行きました。私もあの船に乗って名古屋へ帰りたいと思ったものでした。
いつぞや豊田市の書店で購入した復刻版時刻表1985年3月号には小松島港18時30分発和歌山行きのフェリー便が確認できました。そんな航路も本四架橋が開通して廃止されてしまったようです。
かめや旅館でいただいた懐かしい朝食、あの日お世話になったのはこの旅館だったと確信しました。当時はまだ小さな旅館で宿名も違ったと聞きました。
そんな話をしていると出発の時、支配人の奥様も出てきて見送って下さいました。私は家族に見送られるような思いで旅館を出発しました。
付近の風景はあの頃とは大きく変わってしまったと思います。当時は廃線になったばかりの小松島駅があり線路は港の埠頭まで繋がっていました。小松島の朝の空気を味わいながら南小松島駅までの道を歩きました。いつかきた道を帰るような小松島の朝でした。




