和田京平レフェリーの全日本プロレス解雇に思うこと | YUJIのブログやっちゃうぞバカヤロー!

和田京平レフェリーの全日本プロレス解雇に思うこと

今月19日に開催された全日本プロレスの両国国技館大会後に、和田京平レフェリーがその日をもって退団することが明らかになりました。会場に見に行った人も、僕のようにPPVで生中継を見ていた人も、ほとんどの人はこの日で京平さんが全日本を辞めてしまうということを知らずに試合を見ていました。翌日にそのことを知った僕は、驚くとともに、事前に発表しなかったのは京平さんの意思なんだろう、と思っていました。つまり、自分が辞めることを発表してしまえば、ファンの興味は選手ではなく自分に向いてしまう。それでは、興行の主役である選手たちに申し訳がない…そういうことなんだろうと、勝手に考えていました。

それにしても全日本プロレスにとっては、先日のスーパーヘイト選手の暴行事件に続いて、京平さんまで辞めてしまうなんて、大変だよなあ、なんて思ってました。前々から決まっていたことなんだろうけど、このタイミングで京平さんまでいなくなってしまうのは間が悪い、というか…そして、京平さんの退団は京平さん自身の意思によるもの、と思いこんでいたんです。そして、21日に京平さんが記者会見を行うということだったので、そこで退団に至る経緯が聞けると思って待っていました。

そして21日になって、僕はふと思い立って、全日本プロレスの公式サイトの所属名鑑ページを見てみました。そこには京平さんは載っていませんでした。ブログのリンクも切られていました。しかし、それに対する説明はいっさいナシ。最初からいなかった人のようになっていました。この辺りから、何か変だな、と感じていたんですよ。そして、記者会見が行われ、その内容を知り、愕然としました。


http://battle-news.com/news/2011/06/000546.php

これが、40年近くにわたって団体に在籍してきた功労者に対する仕打ちなのか?これを読んだとき、僕はどうしようもない怒りがこみ上げてきましたよ。

「歴史と伝統のある全日本プロレス」とはいうものの、今の全日本プロレスは、ジャイアント馬場さんが創設した団体とは全く別物といっても過言ではないんですよね。だって、2000年にそれまでの所属選手とスタッフがごっそり抜けてしまい、その2年後には、ライバル団体である新日本プロレス出身の武藤敬司が社長になったわけですよ。それぞれのタイミングで、決して少なくない数のファンが全日本から離れていったであろう中で、それでも全日本プロレスを応援し続けるのは、そこに京平さんがいたからではないでしょうか。長年にわたって数々の激闘を裁いてきた京平さんがいるから、今の「武藤全日本プロレス」は「歴史と伝統ある全日本プロレス」たりえたはずなんですよ。

もちろん、歴史と伝統を重んじるよりも、自分たちの新しい手法でやっていきたいという気持ちもあるんでしょう。昔からの全日本ファンにとっての伝統の象徴である京平さんも、武藤にとっては「旧派閥の残党で目の上のたんこぶ」でしかなかったんでしょう。だったら、もうこの団体には「全日本プロレス」とは名乗ってほしくないですね。かつての伝統や歴史を知る人たちを次々に切り捨ててそれでいて全日本プロレスの看板は世間に浸透しているから残して利用する、なんて姑息なことはせずに、新たなプロレス団体として一から出発してほしい。それこそ、三沢光晴さんが一からノアを築きあげたみたいに。

この記者会見にしても、全日本がセッティングしたものではないらしいですね。公式サイトからは、両国大会の翌日にはもう削除されていたそうで、そういうことだけは素早い対応をするのに、それに対する説明は全くありません。

「当社所属の和田京平レフェリーは6月19日の両国大会をもって退団しました」

という事実を伝えるリリースすらありません。「両国国技館大会当日券情報」なんて、両国大会が終わったら全く意味のない情報なんだし、そんなものはさっさと削除して、伝えるべきものを伝えろよ、と言いたいですね。


それにしても、京平さんがフリーになったという去年の4月には、小島聡の退団も発表されています。あれは小島の方から辞めたように言ってましたが…もしかしたらあれも、会社側の方からフリー契約の通告があったんじゃないでしょうか。あの当時、小島は左ひじの手術を控えていたので考えられなくはない。その通告に対して、小島は全日本プロレスの冷たさを感じて、フリー契約を蹴って退団したのではないか…ま、憶測の域を出ませんけど、いろいろ勘ぐってしまいますね。


京平さんはというと、フリーとしての最初のリングは、25日の鈴木みのるのチャリティー興行になるそうです。その翌日の「びっくりプロレス」にも参加するそうですし、さらにSMASHへの参加も決定、そしてZERO17月3日後楽園大会にも参加するそうです。「もう要らない」という武藤の下で働くよりも、京平さんを必要とするリングにいた方が、京平さんも幸せでしょう。

それに対して、全日本プロレスは今後どうなるでしょう。リング上ではブードゥマーダーズの解散と鈴木みのるの撤退があり、リング外で暴行事件と社長辞任があり、さらに今回の京平さんの解雇で、「全日本プロレスはもう見る気がしない」と書かれているブログをいくつか見ました。僕も正直言って、全日本に対して失望しました。もっとも、それは武藤をはじめとする経営者に対してだけなんですよね。選手たちには何の罪もないわけで。例えば、「読○新聞の社長は嫌いだけど、ジャイアンツの選手は好き」という人は世の中にけっこういるんじゃないかと思います。それと同じで、経営者のことはどうあれ、選手たちのことは応援したいから、これからも地元で興行があった場合は観戦すると思います。来月の魚津大会も、チケットをお願いしてあることですし、見に行こうと思います。