15才の少女が行きずりの親子(ともに女性)を刃物で刺すという事件が起きた。渋谷区神泉での出来事だ。犯人の少女は母親と弟を殺そうとおもっていてその〝練習〟のためにこの親子を襲ったと供述しているらしいのだが近年この類の事件がかってより多く発生しているように思える。
日本人の精神性に関しては徳川時代に培った儒教の教えに立脚した考え方が士農工商といった身分制度の中でも脈々と息づいていて師や親を敬う、相隣関係にあっては互譲の精神をもって接する、自らの欲求よりも相手を慮る、といった考えや価値観をほぼ一様に持ち備えていたものである。時代が下り昭和の頃においてもこれらの精神性は失われることなく日本人の中に生き続けていたが昭和後半以降からは「個人主義」的考えが前面に表れ始め「他人を考える前にまず自分」といった価値観の変容が顕著になってきてしまった。そうなってきていても人として生きてゆくときの「倫理観」や「道徳」の教えを幼小児期にしっかり刷り込んでおくことができれば常軌を逸する行動に走る前に自らを自制する心理が働きある意味の抑止力として作用するのではないか?と考えるのである。つまり学校や家庭内での「躾」をしっかりしておくことで人心の良化を図ることができるはずである。一方、今回のような忌まわしい事件を教訓として文科省や教育庁、場合によっては法整備といった観点で国として「人づくり」のための施策を打つことも非常に必要なことでは無いか?と考える。現状この類の案件に対する国の問題意識は皆無というくらいである。大事なことは先ず「倫理観」をしっかり植え付けることである!先人が事あるごとに人としての「学び」を説いてきた歴史を国と国民を導いてゆく人達(教育者や政治家、教育機関など)が頭を冷やしてシャキッとしてゆかないと人も国も滅んでゆくことになってしまう!
ことさら厳しくすることまでは必要ないが「遵法互譲の精神」(自動車教習所ではそう教えられた)を日本人はもう一度再教育するべきである!