今日の午前11時30分頃、参院選応援で奈良県奈良市を訪れていた安倍晋三元総理大臣は駅近くで街頭演説をおこなっていた。演説が始まって1分ほど経ったとき、安倍氏の背後から迫った暴漢山上徹也41歳の手製銃によって撃ち殺された。凶弾は2発。一発目は当たらなかった。銃声音というより爆発音的な音だったので一発目の音がしたとき一瞬安倍さんは音がした方をふり返ったがすぐに演説に戻った。その数秒後二発目が発砲され今度は胸と首筋に命中。安倍さんは演壇から前のめりになるように倒れこんだ。犯人の山上は直後SPによって取り押さえられた。銃弾は手製銃の散弾だったらしい。
心臓周辺の血管損傷が激しく収容先の病院で夕方5時すぎに亡くなった。事件時の情況は繰り返しテレビで放映れていたが腑に落ちないのは安倍さんを警護していた警護員の立ち方だ。安倍さんの周囲には4、5名の警護員が立っていたが、いずれもが安倍さんの同じ方向を向いて立っていたことである。本来なら安倍さんに背を向け周囲見張っていなければならないはずなのに、である。したがって犯人は容易に安倍さんに近づくことが出来、至近距離からの発砲となってしまったのである。警護員が安倍さんを囲み円陣状になって警護にあたっていたら近づいてくる犯人を制止することは容易に可能だったはずだ。

悲劇が襲う直前の安倍さんの表情は明るく溢れるような笑顔が印象的だっただけに数秒後に訪れる状況をご本人は予想だにしていなかったことだろう。
 政治家が暴漢に襲われたことは過去に何度かあったことだが今回の事件を観ていて63年前にあった当時社会党の委員長だった浅沼稲次郎が講演中の演壇上で暴漢山口乙矢によって刺殺された事件を思い出した。

刃渡り30cmほどの短刀で刺されたのだ。その時の様子はテレビで何度も観たので鮮明な記憶として残っている。
 自民党政権にあって8年8か月という長期政権を維持したことによって党内における大きな影響力をもっていた最大派閥のトップが倒れたことによって派閥の後継問題を含めしばらく揺れることになりそうだ。岸田総理が強い指導力と党内での求心力を持っていれば政局も揺るがないはずなのだがさほどインパクトを感じない人だけに不安はぬぐえない。
 政治の側面で大きな人材を失ったことは事実だが大切なことは地震後の態勢立て直しをどう図りこの国をどういった方向に導いてゆくか?である。
 民衆の政治離れが言われて久しい。政治がしっかりしていない国は諸外国からも見くびられてしまう。防衛・経済・教育を中心に国内態勢をしっかり固めることに専念し国体の強靭化に全勢力を傾けた国造りを望みたいのだが果たして覚醒するのか?・・・。