最大10日間という大型連休も終わり世間は日常を取り戻し始めた。コロナ禍で自粛や外出制限などで閉塞感いっぱいだった昨年までの連休とは大きく変わり観光、行楽、帰省などで全国各地へ向けて一斉に人が散らばり各地がにぎわうGWとなった。
 新緑がさわやかな季節となり翩翻と風に泳ぐ鯉のぼりの染め色が目に染みる。一年で一番爽やかさを感じる季節でもある。温暖化の影響で以前のような四季が崩れつつある自然環境だが低温と雪に閉ざされていた冬が終わり、自然界の動植物類が一斉に目覚め活動を始める。木々は芽吹き目にもまぶしい新緑が野山を覆う・・・人間にとっても心躍る季節の到来である。
 以前、私が未だランニングに夢中だった頃、GWになると仲間たちと旧街道での走りに出かけていた。東京日本橋を起点とした旧街道である。ランナーにとって道は走りを受け入れてくれるベース。その道は徳川家光が整備したとされる旧五街道がメインだった。東海道、中山道、甲州街道、日光街道そして奥州街道の五つである。それぞれの道筋の置かれていた旧宿場を訪ねながら襷で走りつないでゆく・・・峠あり、海岸線あり、そして歴史とそれを育んだ住人の人情あり・・・と実に味わい深いランニングを楽しむことができたものである。あれから30数年が経った・・・。ずいぶんいろいろな変化が身辺では起こった。転職・起業、ウルトラマラソン大会立ち上げ、24時間テレビマラソン企画・・・どれをとっても「時代背景と社会変化」を見つめながら「どうすれば世の中のトレンドとシンクロするか?」を考えながら行動してきたような気がする。目の前の事象だけに囚われていたら大局を見失ってしまう。大局が見えないと「的」を見失う。
コロナ禍からロシア・ウクライナ問題、世界的不況の予兆など世界情勢も日本社会も不透明で混沌とした様相を呈し始めている。今はじっと冷静に状況を見つめながら「これからどうなってゆくのか?」を見極める時期なのかもしれない。その中で最善策は何か?をもうしばらく考えたいと思う。
いつかカラダが動くうちに今度は「歩き」でもう一度旧街道を訪ねてみたいと思う。人と事物と自然の変化をみかん畑のある薩田峠あたりから駿河湾越しに富士を眺めてみたい。