およそ2年続いているコロナ禍は社会活動におおきな変容を余儀なくされている。大手製薬会社が経口の治療薬を発表、PCR検査キットでの市販のものが出てくるなど対処療法としての取り組みが断片的ではあるが現れ始めている。

 

 新たに誕生した岸田自民党総裁(首班指名で第100代内閣総理大臣になるのだが)は真っ先にコロナ対策を打ち出していたが喫緊事項として第6波が襲来するまでに収容先医療施設拡充、臨時収容施設整備、医療スタッフ確保、医療用材確保、ECMOなど治療機材確保、そして事業継続を維持するための事業者・就労者への経済対策が打ち出せるか?など感染再拡大に対する備えが国のトップとしてしっかりした指導力が問われる局面が即訪れることを覚悟して国難を乗り切る手腕を発揮してもらいたいものである。

 政権を担当するためには選挙も大事だが票や議席を獲得するためにも国民が納得するコロナ対策をしっかりやらなければならない。国民の信頼を得るためには口先だけでなく実効ある政治を展開することが一番の早道になることをこんな時だからこそ「チャンス!」と捉えて実践してもらいたいものだ。


 緊急事態宣言が数か月ぶりに解除され行楽地をはじめ各地で人の賑わいが戻り始めているが、今次第5波が急速に収束に向かった原因を専門家も政府も一切解明できていない。ワクチン接種が進んできたために集団免疫的なものが形成されつつあるのか?ウイルス自体が何らかの理由で弱毒化したのか?われわれは何にどう対処すれば感染拡大を防ぐことができるのか?いずれも???である。


 社会はどのようにして〝日常〟を取り戻してゆけば良いのだろうか?コロナ禍によって「ウイルス感染」しないための留意すべき概念はこの2年間である程度意識の共有はできつつある。三密を避けること、うがい手洗いを日常化すること、長時間対面での会話・会合を避けること、リモートワークを導入すること、などといったところだ。そういった配意事項を守りながらそれぞれの業種が経済的に成り立ってゆける術を模索しながら前に向かって進んでゆくしかないだろう。


 モラルの問題も大事だ。不幸にして感染してしまったり家族に感染者、同僚や同級生に感染者が出てしまったとしても決して「排他的」態度を取ってはならない。むしろ一日でも早い回復を願い復帰したときに温かく迎える行動こそ人として当たり前のことになる。
 コロナ禍は単に感染症という見えない脅威と闘うだけでなく人間として、社会に住まう人としていかにあるべきか?という問いかけも同時になされているように思えてならない。


 戦後70余年が経過する中で最も失われてしまった倫理観や相隣関係、相手を敬う心、など金銭や数値では測れない「人間の価値」をしっかり時間をかけて再構築する姿勢と取り組みが国の指導者や教育者の中に発芽しなければ日本は単一民族としてのかっての輝きを取り戻すことなど絵空事でしかない!