今月3日夜半から降り続いた雨は静岡や神奈川の大きな爪痕を残す結果となった。

 

 3日夜半、平屋建ての我が家では降り続く雨の音で終夜まんじりともしない時間を過ごすことになった。自宅が金目川(河口付近では花水川)から100mくらいの至近距離にあることから上流域の降雨状況によっては河川の氾濫、という不安もあったためである。花水川上流域にあるいくつかの支流は3日の昼頃には各所で溢水し床下浸水個所も出始めていた。家にからだの不自由な家内がいるから早めに避難しなくてはならない。

 

 平塚市にも避難指示が発令されたのでとりあえず市の中心部にあるホテルを取り身の回り品をまとめ避難した。平塚市内で降り続いた雨は3日の昼頃には小降りになったため夕方前には自宅に戻ることができた。この頃から熱海の伊豆山付近で大規模な土砂崩れ発生が報道され始める。ニュースを通じて紹介される映像では土砂がまるで濁流のような状態で流れ落ちる様を伝えていた。流れ下る土砂から命からがらに逃げる人の姿がとてもリアルで瞬時のうちに民家を巻き込みながら下る土砂の勢いは人間の存在の小ささを感じざるを得ないほどの凄まじさである。

 
 今回の豪雨は梅雨前線が発達して発生したものである。15年くらい前まで、梅雨と言えばしとしとといった糠雨や小雨が3、4週間ほど続くくらいの降雨で、この雨が水田に水をもたらし稲作には欠くことのできない存在と位置付けられていたものだが近年では前線の発達の仕方が大きく変わり降る、といったら一気に豪雨になってしまい今回のように氾濫や土砂崩れを引き起こしてしまう。これは雨の降り方が大きく変わってしまったために山や河川自体が降雨量を受け止めきれず発生する災害である。

 

 やはり温暖化によって自然環境が大きく変化してしまったための所産なのだろう。国の治山・治水も従来の自然に対して持っていた概念を根本から見直して温暖化によって変化した自然の動きに連動した内容に取り組みなおしを早急に開始しなければ災害はこれからも起こり続けてゆくだろう。 

 温暖化は人間のエゴによって引き起こされたいわば人災だ。100年くらいの時間をかけて破壊してしまった環境はその倍以上の時間をかけなければ元の姿への復元は不可能。シベリアの永久凍土溶解や北極の氷の溶解も人災でこれも人類に突きつけられた強烈な「ダメ出し」である。


 このように人間の貪欲な欲求が自然破壊という大きな代償を今後100年以上にわたって償い続けてゆかなければならないだろう。映画「天地創造」や「ノア」、「十戒」で描かれている通りで神を冒涜するような人間の所業にはやがて神からの「天罰」が下される、ということである。生きとし生けるものは自然の摂理を受け止め、真摯で謙虚な生き方をしてゆくべきでエゴイズムをはじめとした人間が得手勝手なふるまいを続けていたら必ずや人心の乱れを招きやがて人類社会崩壊の憂き目にあう、ということを今こそ肝に銘じてゆかなければならない。