国会で2年ぶりとなる党首討論が行われたがその内容はとても一国の政党トップが交わす内容ではないほど陳腐なものだった。

 特に枝野代表からの質問で「今回五輪開催の意義と意味は?」という問いに答える菅総理の話は1964年に開催された東京五輪時での自身が受けた印象と思い出話に終始し、とても今次大会に対する意味や意義に応える内容ではなかった。

 

 本来、党首討論というものは国を取り巻く国際情勢での課題や問題点、経済状態をベースにした国民経済をどうしたいか?超高齢化社会における福祉対策に対する展望は?コロナウイルス感染拡大によって浮き彫りにされた日本医療の弱点対策と感染防止に対する具体的な方策、などで激しい論戦と実りある政策構築につながる議論が戦わされなければ意味がなかったはずである。

 菅・枝野とも党首討論には遠く及ばない低レベルの内容に終始する不甲斐なさだった。やはり一強多弱な政治構図はダメだ!与野党が拮抗した勢力状態になり食うか食われるか?といった状態になれば質問する側もされる側も国民の耳目を意識して真剣な議論になるだろうし論破されることは敗者、と評価されその結果政権維持も難しくなる、ということになれば党首討論も真剣勝負になるはず。

 

 今のような勢力分布では自民党は野党をすっかりなめ切っていて形ばかりの党首討論でしかない。今次のコロナで政権はそのお粗末さを露呈してしまったから次回の選挙では大きく議席を失うことになるかもしれないがたとえ野党が議席を伸ばし仮に政権をつかむことになったとしても経験のない政権運営はきっとできないだろう。

 つまり現状では与野党ともに人材不足、力量不足で国民が納得し支持するような政権運営などできない政治家しかいないのが実情だろう。時間はかかるかもしれないが与野党の勢力が拮抗する状態をまずつくり国会論戦も白熱する状況になり政治家自身が危機意識をきちんともって政治をする、ということにならない限りこの国の政治は良化することはない。

 

 国民は状況に流されることなく厳しい目で政治をしっかり見て利害で投票することなく選挙に臨むこと!何よりも国民が政治に関心を抱くようにマスコミも政治の現状を各局がこぞって報道することを強く望みたいのだが・・・。