先週は森元五輪組織委員長の女性蔑視発言ですべてのメディアが振り回された一週間だった。

 齢80才をとうに超え長い政治経験まで持ったいわゆる大人と言われる人物が人格まで疑問視されるような稚拙な内容の発言やそのことに対して厳しい質問をぶつけた記者に対して色をなすような態度でしか接することができないのは実に見苦しくお粗末の極み、としか言いようがない。

 開催を5カ月後に控えたこの時期であるだけにIOCを始め諸外国から「21世紀を迎えている今日、日本人の人間観はこんな状態なのか?」とみられることのほうが大きい。
 

 男女平等、男女同権などといった言葉が巷で飛び交った時代は昭和でいったら30年代のことで60年近くも昔の出来事なのである。件の森氏が社会人になりたての頃のことで政治の世界にも女性議員が誕生し国の空気感としても戦後の混乱から抜け出し経済復興とともに国づくりのために日本全体が頑張ろう、といった機運が横溢していた時代に喧伝されていたことだから森氏の男女感覚の根っこはそこで停止したままなのかも知れない。

 人の置かれたポジションは単にその人物個体への評価だけでなくネット社会となった現代では瞬時にその状況が世界中を駆け巡ってしまう、という恐ろしさがある。たった一人の発言が拡大解釈される。特にメディアを通じて広まる部分も巨大だから今回の五輪開催では森氏の失言をも払拭するある意味で荷物をも背負わなくてはならないのかも知れない。

 
 菅総理大臣以下様々な政府関係者や五輪関係者が口をそろえて次期組織委員会の会長人事は「透明性」をもって決めなければダメ、と言っておきながら蓋を開けたら「出来レース」そのもののように橋本聖子さんが後任に就いた。これだけ世間を騒がせたのに、である。いっそのこと人選した会議のすべてをテレビ中継するべきじゃあなかったのか?誰がどのような発言をし、誰が賛同し、誰が意見を述べたのか?その一切を公開でやれば一目瞭然なのだから。

 これだけ国内外からの批判に晒されても旧態依然としたやり方しかできない日本人・・・。呆れる、というより悲しくなってしまうのは私だけではないのでは?

 
 2月20日、全豪オープン女子シングルス決勝で大坂なおみがストレートで快勝、全豪オープン2度目の優勝を果たした!準決勝でもセリーナ・ウィリアムスを2-0で破った試合もテレビ観戦したが大坂の圧倒的な強さを印象付けた試合だった。試合ごとに強さを増してきているのが展開を観ていてもよく分かる内容だった。技術・体力では彼女を上回る選手はなかなかいないのでは?という感じだ。

 今後の課題はメンタル面強化でそれが備われば「大坂の時代」がしばらく続くのではないだろうか?個人的にはウィンブルドンと全仏オープンを制覇してグランドスラムを総なめにしてもらいたい、と期待している!

 
 新型コロナに関してもファイザー社製ワクチン接種がようやく始まった。ワクチンは2回接種することになっているが一巡するには概ね1年くらいの時間がかかるだろう。細菌はどんどん変異を繰り返すからワクチンも歩を合わせて改良してゆかなければならない。既存のインフルエンザウイルスも未だに変異を繰り返しているわけだから人間とウイルスとの闘いはエンドレスである。願わくば輸入ワクチンでなく国産ワクチンを一刻も早く開発して自国対応できるよう国を挙げて注力してもらいたいものである。

 普遍化するまでは副反応での課題も当然起こるであろうが恐れず果敢に攻め国民を守る姿勢を政府には明確にメッセージを発して欲しい。言い訳や壁の事ばかり並べたてるのではなく「国はこうして国民を守るから一緒に闘ってください!」くらいの意思表示をしなくては「政府」ではないのではないだろうか?くだらない面子やルールや批判を恐れず信念をもって現政権には運営を果たしてほしい!国民もきっとそんな政治を期待しているはずだ。