イスラエルの情報で興味深いものを読んだ。新型コロナウイルスに対する抗体保有を示す指標である実効再生産数が1を下回った、というデーターである。

 イスラエルは昨年12月20日から国民がすでにファイザー社製ワクチン接種を開始しており、1月21日時点でワクチンを2回接種した人の実効再生産数を調べたら感染開始当初1.5あった実効再生産数が1を下回る数値まで下がった、と発表した。今後さらにワクチン投与を進めてゆくようである。副反応に関するデーターや投与人数など詳細な内容は未確認だが投与開始時期の素早さは素晴らしい気がする。

 

 ウィルスに対するワクチンは人体の中に抗体を植え付けるものなので、治験を十分おこない副反応の有無やその内容を時間をかけて検証しながら承認~投与、という手順を踏むことがセオリーと言われているが今回のような新型コロナウイルスで爆発的感染力を持っている細菌に関しては「人命救助優先」が不可欠なので平時の対応をしていたのでは感染拡大を防ぐことはできず結果として医療崩壊や経済崩壊を招くことになってしまうから多少のリスクは覚悟で寸刻を置かず素早い判断と行動することがトップがしなければならない対応だろう。

 五輪開催の可否云々をやっている時間があったらワクチンはもとより医療体制の立て直しが最優先事項であることは明白である!政府は3億数千万回分のワクチンを数社と契約した、とか言っているがそれこそ明日からワクチン投与を開始しても遅いくらいなんだからとっととやれ!と言いたいほどである。

 

 ともかく野戦病院建設、医療スタッフ確保、国産ワクチンの即時承認、そして接種開始、である。東京五輪を本気でやりたいならイスラエルくらいのスピードで対応していなければやりたいこともやれないことになる。先ずは国内感染拡大を止めるための規制を徹底してやること、罰則云々するよりも現状をつまびらかに国民に説明してどうすれば何がどうなるか?を明確に国民に示すことである。つまりいつまでに何をもってどう対処するか?である。

 

 国民は皆一刻も早く感染拡大防止をしたいわけだし規制のない社会に戻りたいのだから国が先行き見通しを的確に示してくれることを渇望しているんだ!たとえ感染してしまっても収容病院が整備されていて治療方法が確立されていればとりあえず安心して生活できるのだから。ともかく政府はしっかりした舵取りをしてほしい。今はそれだけである。