コロナ第3波の襲来で国内感染は一気に拡大を始めている。感染拡大のピークはこれからだろうが第1波、第2波以上の規模になることが感染拡大の内容からも伺うことができ、一番心配なのは医療体制崩壊である。今次新型コロナウイルスの感染による罹患者増大に対し政府が執ってきた対策内容を見ていると経済対策への偏りが大きく、感染者の収容・治療にあたる医療機関への財政投入を含めた対策が脆弱であり希薄さを感じざるを得ない。人命を優先した政策を謳っていても具体的な対策が国民には開示も明示もなされていないからだ。

 

第3波が一気に拡大していった端緒はGoToキャンペーンを政府が声高に訴えた直後から始まっている。北海道すすきの辺りを中心にクラスターが発生し全道規模で感染が拡大、これを糸口に全国各地の家庭・学校・高齢者施設などに感染が広まっていった。東京都医師会や政府の専門家会議からもGoToキャンペーンに対する疑義が唱えられ始めると、政府は一転GoToキャンペーン自粛を表明した。

感染防止と経済停滞防止は二律背反する政策をしなければならず、その舵取りは非常に難しいことは理解できるがこのような難局を国民が納得するような政策を摂ることこそが「信頼される政治」を示す千載一遇の機会なのではないか、と思うのだがどうだろうか?つまり政治家の判断力・実行力・胆力・思慮が求められる、ということである。


 このことは外交でも同様でバランスの取れた国の考え方や意思表示、ということでも同様だ。たまたまテレビを観ていたらTPPへの参画が話題に挙がり、アメリカトランプ政権が離脱したアジア主要11か国会議にバイデン政権は復帰するだろ、との見方が議論されていた。

その中で中国・韓国を除く主要6各国会議というのが別に設けられ、この会議には米国・豪州・英国・仏国・ロシアなどが参画しているが自由主義圏の先進国と言われている日本が入っていない。おそらくは中国・韓国への配慮が加味された選択なんだろうがこれはおかしい。つまり貿易が中心の会議だから対中貿易が30%を超える日本としては中国貿易に影響ある協定に組しないことにしたんだろう。アメリカにも中国にも〝いい顔をしたい〟という国の意図が透けて見えてしまい〝金のためならどっちへも向く〟という印象すら垣間見えてしまうのだ。

特に外交面では正義と人道に照らし「是は是、非は非」といった毅然とした姿勢を明確にしてゆかないと捉えどころのない国、というレッテルさえ貼られてしまうのではないだろうか?
コロナ対策でも決定打を打ちたがらない政府のやり方とどうしても被ってしまうのである。


 景気低迷やコロナ対策でのちぐはぐさなど課題は多いが、果たして新政権は国民の信託にこたえることができるのだろうか??