コロナは先週金曜日くらいから国内感染者数がうなぎ上りで増加傾向に転じてきた。明らかに第3波の襲来である。感染者の国内分布をみると東京、神奈川、大阪といった人口の多い都府県はもとより、北海道をはじめ地方都市にも多くの感染者が発生し始めていて第2波の時とは明らかに感染分布状態は変容してきている。この間の大きな変化は政府が始めたGoToキャンペーンの展開で特にGoToトラベルの推奨によって多くの国民が観光目的であちこちに動き始めたことと連動した結果のように感じる。


感染することへの恐れから外出を控えていた人たちがGoToの恩恵を受けようと観光に出かけたり帰省を控えていた人たちも今次キャンペーンに乗って移動を始めたことと無縁ではない。
経済の低迷をキャンペーンで立て直したい気持ちもよく理解できるが、経済活性化が目的でキャンペーンを展開しているとしたらこれは本末転倒で厳しいかもしれない。しかし、今は感染拡大をしっかり押さえ込み医療体制を強化することが先決で、経済はその次としなければ二兎を追いかけ結果両方とも破綻する、という最悪なシナリオを生み出してしまうことになってしまうのではないか?と懸念を危惧するところである。

 


菅政権が誕生してまだ日が浅く国政運営での手腕を問うところまで時間は経っていないが、所信表明から今日まで歯切れの良い発言は聞こえてこない。特に行革担当大臣の西村さんに至っては抽象的でほわっとした発言に終始していて、感染拡大防止に対する担当大臣としての確たる信念を感じることができないのは一体何だろうか?


厚生労働大臣とともにコロナに対する感染状況の捉え方と対処法、経済対策に関し国民は「今後どうなってゆくのか?どうすれば先行きへの見通しが立てられるのか?」といった判断材料を明確に示してくれないと我々一般人は取り組みようがないのが現実で路頭に迷うのを待つしかないのか?といった恐れすら感じるのである。

 


・国産ワクチンはどの製薬会社が開発に取り組んでいてどこまで進んでいるのか?
・感染してしまった場合の隔離施設の整備はどこまで進んでいるのか?
・医療機関をどう使えばよいのか?
・治療方針はどうなっているのか?
・感染拡大の原因はどこにあるのか?
・感染防止と経済立て直しをどう両立させたいのか?
・来日外国人や帰国国民の水際対策は具体的にどうするのか?
・医療体制確立のためにどれだけの手立てを講じようとしているのか?
 (人的、施設的、資金的対策の具体案)
 ・新型コロナウイルスの解明がどこまで進んでいるのか?


などが全く見えない状態だ。これほど政府の施策に具体性がないとこの国は一体どうなってしまうのか?という素朴な不信感と懐疑感が日増しに強くなり結局個人で考え判断し自立する手立てを講じてゆかない限りは生き残ることはできないのでは?と不安になってくる。