新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本政府の対応力がいかに脆弱であるか?ということを今回はつくづく思い知らされることになった。
 

遡って言えば、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号内で起こった感染が事の始まりである。

結果から言えば、感染状況見極めるための隔離期間の短さと開放方法の無策さによって、ウイルスの拡散につながっていったきらいがある。

クルーズ船以降の感染拡大にも紐づくことなのだが、現在の日本では病原体保有者の動向把握が全くと言ってよいほどできていない。

 

韓国や中国ではIT技術を駆使できていて、いま病原体保有者がどこにいるのか?をかなりのレベルで掌握できている、と聞いている。

中国はともかく、韓国は基本自由主義の国だからIT技術に関しては日本よりかなり先行している、といえるだろう。

 

日本であればマイナンバー制度が数年前に導入されていたのだから、国民の状況把握に関してはこのシステムを活かせれば今回の政府対応にもそこそこ利用できたはずだが、15%程度の普及率では役には立たないのが現状である。いくつかの経済対策を進める場合には、少なくとも手続き上のスピードアップにはつながった筈。

 

経済対策はウイルス封じ込めの医療対策と両輪で打ち出してゆかなければならないことだが、こちらに関しても遅い、少ない、ビジョンが無い、庶民の実態が分かっていない、の無い無い尽くしで推移している。
 

 

中小・零細事業者はまさに「日銭」で資金を回転させながら事業活動をおこなっているのだから、休業・自粛要請と同時進行で金の手当てをしてゆかないと途端に資金繰りに行き詰まり、倒産・廃業に追い込まれることは必定なのにその手が打てない・・・。

 

連日のように倒産件数がメディアで紹介されている。

 

5月24日現在では800件弱だそうだが、この数字は氷山の一角で実際はすでにこの5~8倍くらいの倒産・休業があるのではないか?

今後1年間での予測では15,000件くらいと言われているが、実際はこの倍近い件数になるのではないか?と思う。
 

そうなると失業者が溢れてくることになるが、政府の予想では301万人くらいだそうである。その対策はどうするのだろう?

短絡的かもしれないが、緊急事態宣言を出している状況の中で黒川問題みたいなことで右往左往しているような政府では、国民が安心して生活できるような政治指導ができるとは到底思えない!
 

元々1強多弱の政治体制を許容してきたところに、現政権の緩さ、甘さ、傲慢さ、強引さが生まれたわけだが、そうさせてしまった責任は我々国民にあることも自覚しなくてはならない。
 

政治は諸外国の多くがそうであるように、二極体制の方が緊張感も生まれバランスもとりやすいはず。

日本でいえば与党1野党1の二党体制、ということである。
 

コロナは医療対策と経済対策の両輪を納得する形で進めていって欲しいが、ともかく「かからない」こと、経済は「生き残る」ことしかないから今の生活の中で自分たちなりに、あれこれ自衛することを考えて実践してゆかなければならない、と痛感する。