ミニバスに乗って友を訪ねれば電線がふと途切れた車窓


草原に轍ができる人々がその先にある水を求めて


大自然一羽の蝶が現れて不自然として在る赤・緑


小さなる蟻にも向かう場所がある赤い大地にできる行列


静という忙しさがある風の舞い蝶の羽ばたき蟻の行進


目をとじて耳をすませば見えてくる地球の呼吸私の呼吸


雄大な「なんにもないが」ここにあるリアルアフリカ パ・ニャングエナ


一球をラリーでつなぐコートにて敵も見方もないように見え


汚れるという純粋 草の上子どもが躊躇なく転げれば


青空に皆が混ざれば子の描く絵みたくなったしろくろきいろ


笑おうとしている不純 子どもらと画になるように写真を撮れば


藁葺きの屋根に視線がいっている元太陽電池設計者なり


暗いとは表現したくない光一日分の天道の恵み


「やさしい」という形容詞用いればしっくり光る食卓の上


隔たりはネットが一枚あるだけのみんなが同じ空見上げた日


写真にしか写らない美しさ一瞬君が笑ったという


遥かなる友の存在疑わず孤独を忘れるほどの星空


もう二度と訪れることない町を振り返らずにいる帰り道


振り返れば道振り返らないでも道 町から町へ我らを連れる


ミニバスは時間を思い出しながらゆっくり首都へ加速してゆく


ルサカには何でもありてなあんにも感じずにいて信号を待つ


今一番何がしたいって、冷えたコーラ冷蔵庫から取って飲みたい


飲み干せば何かを失くすようにしてにコーラの泡がはじけた真昼


青年海外協力隊(理数科教師)の一生一句~アフリカから一句、詠ませていただきます。~-バレーボール大会
            バレーボール大会(みんな、空の下。)