本格的に雨季に入ったザンビアの空は、ころころと機嫌を変える。洗濯をするのも、空模様を気にしてタイミングを見計らわなければならない。二年目ともなると、風の吹き具合や雲の様子から、なんとなく判断ができるようなる。けれど、やはり自然相手、いつもうまくいくとは限らないのが常だ。

明日から諸々の公式行事(教師会、安全対策会議、大使館レセプション、送別会)のため、首都ルサカへ丸々一週間上京する予定で、年末の大掃除…というほどでもないけれど、自宅の掃除・整理整頓をしていた。この一年にデジカメで撮った写真をバックアップするために、パソコンのデータもアルバムめくりのように整理していくと、「時間が経つのは早いなあ。」と、しみじみしてしまった。

来週の首都である行事を終えると、僕の任期もちょうどあと半年となる。任期が近づいてくると、どうしても次のことを考えたくなるものだ。日本に帰国したら友達に会いたい、牛丼を食べに行きたい、温泉に行きたい…。けれど、あくまであと半年、僕のザンビアで活動できる時間はあと半年あるのだ。先のことでなく、今ここにいることを切実に想うことを、いま一度、心に問い、確認したい。

雲が厚くかかっていたせいか、洗濯物が乾くのに丸一日かかった。辺りはすっかり夕暮れて、空気がひんやりと冷たい。さっきまで聞こえていた子どもたちの声も、どうやら家路についたようだ。紅く染まった夕焼け空を眺めながら、「明日晴れるかな。」とつぶやく。今日という日を最後まで懸命に彩る夕焼けを前に、その問いは愚問として、黄昏の空に溶けて、燃えて、消えた。

青年海外協力隊(理数科教師)の一生一句~アフリカから一句、詠ませていただきます。~-今日の日
                  師走(最後の最後まで。)