わたしがちっぽけで平凡な人生を恨みながらどんどん暗い渦に飲み込まれていったのはまさに太陽・月・ブラックホールのような悪魔がいたからで、その悪魔はいつしかゆるキャラみたいに姿を変えていたのだけれど油断した頃にやはり突然輝き出す。それがお前だ!それでこそお前だ


さて、こないだ美容院に行ったんですよ。

前々から、わたしが美容院というものを利用するようになってからの、もう最大の疑問なんですが

なんで美容師さんって、トップのボリュームにすげぇこだわりを見せるの?

髪をさ切りそろえる以上の情熱を、トップのボリュームを出すことに全身でもって傾けすぎじゃない?

もうさ、これでもかっつーくらいに、親の墓でも作ってんじゃないのっつー勢いで、ドライヤーとロールブラシでもって、ボリュームをね、こさえてくれるんだけどね


だからね、美容院を出るとね、誰しもすごい過分数(3分の5とか)な頭になっちゃって、ちょっとした小鳥とか育んでても不思議じゃないオーラ出してくるんだよね。

わたしなんてね、サラサラストレート派ですからね、風になびくような、とかね、そっちの方面なんですよ。


それがもう縦横無尽ですよ。


「ちょっと無造作な感じにしときますねー」とかね、「ワックスでこうボリュームを出してねー」とかね言ってね

(わーすごいボリューム出てきた……ちょっとしたカニみたくなってきた……)

って不安げな顔でもしようものなら


「わーすっごいイイですよー!似合いますねー!」とか言われて、そう言われてみれば、そう見えないこともない、なんて調子に乗ってルンルンで仕事に行ったら、士長に


『寝坊したの?』


って言われました。