惟人の小説

惟人の小説

冠梨惟人の純文学世界図

あなたが僕が書いた本を開くと、めくるだけで魔術をかけれるようになる小説

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“「ゆり、もうすこしやわらかく。こころはかたくなになる。それはしかたないけど、そこをこえないとこころをつつむことはできない。くびのすわらぬ幼子をだくときのように、やさしく」
 指差し、振り向くようにしめした。
「魔術はほんとはとてもかんたん。だから顔をこわばらせる必要はない」
 姿見の顔を見つめ、あなたはおおきくためいきをはいた。きづかずにいれていた肩のちからを抜き、ゆったりとすわりこむ。魔術とはじつにとてもかんたんなもの。それには理由がある。”

抜粋: : 冠梨惟人. “不透明な薔薇の王冠 上.”