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第十三話


#13 ウィンターラー


「流石は英雄様と言うべきか…やりますわね」
 ユエはボリスのグラシアによって足を氷漬けにされ、動きを封じられていた。
「貴方は、何故ウィンターラーを…?」
 剣を構えたままユエに詰め寄るボリス。
「英雄様、詰めが甘いですわよ…」
 ニヤ、と笑い空を見上げるユエ。
 ハッ、とボリスも空を見上げる。
 上空にはファルコンが居た。
 ファルコンはくちばしに何かを咥えている。
 それをユエめがけて落とした。
 何かはユエの足元に落ち、白い風をまきおこした。
 風の中からユエが目にも止まらぬスピードで飛び出し、ボリスが持っていた大剣を奪い取った。
「しまった…っ!」
 ファルコンが落としたものは、氷結を治療するアイテム、春の風だったようだ。
「ウィンターラーは戴いていくわ。…それでは皆様、ごきげんよう」
 ユエはそのままファルコンに捕まり、飛び去ってしまった。


「…さて、色々と聞きたい事があるんだが…」
 一行はユエが去った後、再び野営を再開していた。
「…」
 俯いて沈黙しているボリス。
「あんたがボリスだろうがダフネンだろうがそれはどうだっていい」
「あなたの気持ちはわかるつもりです」
「ただ、俺から一つ、ユイから一つ、合計二つの質問に答えてくれ」
「…私に答えられることでしたら」
「俺からは、ウィンターラーとやらについてだ。ユイの姉さんの話では恐るべき力をもった魔剣らしいが、どんなものなのか。奪われたが大丈夫なのか?」
「…質問が二つになってますよ」
 微かな笑顔で答えるボリス。
「まあ、気にするな」
「まず、後者から答えましょう」
 ボリスは自分の荷物から布に包まれた筒状の物を取り出し、布を解いた。
「…これが、ウィンターラーです」
 布の中からは、一振りの剣が姿を現した。
「何…?じゃあさっき奪われたのは…?」
「あれはごくごく普通のバスタードソードです。常時魔剣を振り回すわけにもいきませんから」
「…凄いわね、これ。鞘に入った状態でもとんでもない魔力を感じるわ」
 ウィンターラーに手を伸ばすメイ。
「…触らない方が良いですよ。ウィンターラーの魔力に囚われるともう戻れません」
「ちょっと抜いてもらえる?」
「ええ、どうぞ」
 ボリスはウィンターラーを鞘から抜いた。
「…凄い…」
「ほう、これは…」
 その刀身は白く、あまりにも白く、とても言葉で言い表せるものではないほど美しかった。
「私の家に伝わる家宝です。これを手にするものは最強の剣士になれる、永遠の富と名声を手に入れる、そんな噂があります。…が、それ故にウィンターラーを狙う者も多い」
 ボリスはずっとウィンターラーを守ってきたのだと言う。
 そして、今は亡き兄、イェーフネンの形見でもあると言った。
「ちょっとウィンターラーを持ってみてもいいか」
 デュオが言う。
「ウィンターラーに囚われないように気をつけてください」
「…ああ」
 ボリスからウィンターラーを受け取り、鞘から抜いて構える。
「…」
 すぐに鞘に仕舞い、ボリスに渡す。
「…こいつはダメだ」
「ダメ?」
「俺にはとても扱いきれる代物じゃない。どんな武器でも扱えるように修練したつもりだったが、いや、世界は広い」
「…しかし」
 ウィンターラーを再び布に包みながらボリスが言う。
「あのユエと言う人は何故ただのバスタードソードをウィンターラーと勘違いして奪っていったんでしょうか」
「ただ単に姉さんが勘違いしただけなんじゃないの?姉さんおっちょこちょいだし」
「見てのとおり、ウィンターラーを知ってる人は間違えるはずなんてないんですが…」
「…わざと、間違えたのかも」
「ん?どういうこと?」
「それはお姉ちゃんにしかわからないけど、私はそう思うな」
「何にせよ、また襲ってくる可能性も捨てられない。警戒はしておいた方がよさそうだ」
「…そうですね」
「ああ、そうだ、ボリス」
 デュオはボリスに剣を一本渡す。
「ごく普通の太刀だが、新しい剣が手に入るまでそれで間に合わせるといい。ウィンターラーは使うわけにいかないんだろ?」
「ありがとうございます、使わせていただきますね」
「さて、あと一つの質問だが」
 デュオがユイを見る。
「あ、そうですね。…私からの質問です」
 ユイはボリスをじっと見る。
「…他の仲間たち…特にミラ・ネブラスカさんの行方はどうなったんですか?」




※ お待たせしました、十三話をお届けしました。
  今回はちょこっとウィンターラーについて触れてみました。
  もっと詳しいことはルーンの子供たちを読みなさいということで(ぁ
  デュオの補足を少々。
  本編でデュオが言っているように、デュオはどんな武器でも扱えるように修行しています。
  本編では薙刀を使っていますが、剣であろうと槍であろうと弓、鞭、爪、銃etc
  なんでもござれ、ですが、それでも扱えないもの。
  それが所謂「呪われた武器」「装備者を選ぶ武器」と呼ばれる類。
  なんでもできる反面なんでもできない、そんなサマルトリアなデュオ。
  ボリスの登場でだんだん目立たなくなってきてるけど頑張れ!

第十二話


#12 ユエの襲撃


「ボリス・・・ジンネマン・・・?」
 全員がダフネンを見る。
「そうよ、その人はボリス・ジンネマン。消えた英雄の一人よ」
「・・・」
 うつむくダフネン。
「姉さん、ウィンターラーって何よ。それがほしいみたいだけど」
「詳しいことは秘密だけど、恐るべき力を持った魔剣だとだけ言っておくわ、メイちゃん。そしてそのウィンターラーの今の持ち主は、ボリス・ジンネマンなの」
「・・・なんだかよくわからんが、おいダフネン、あんたボリス・ジンネマンなんだな?」
「・・・そうです」
 ダフネン・・・いや、ボリスは低い声で答える。
「そして、お前たちの姉はボリスの持ち物を奪おうとしている、と。・・・ユイ、メイ、俺はお前の姉と戦うつもりだが、構わないか?」
「ええ、思いっきりやっちゃって」
 メイが拳を構えながら言う。
「お姉ちゃんが傭兵の任務で私たちと戦うことになるのはそうそう珍しいことではないです。・・・でも」
「大丈夫だ。殺さない」
「随分と余裕ですのね、戦士さま」
 ユエが矢を一本つがえる。
「・・・気をつけて。ボケてそうに見えて姉さんはかなり強い。私たち二人がかりでも姉さんに勝ったことはないんだから」
「了解。・・・おいボリス、お前も手伝ってくれるな」
「勿論です。自分の身は自分で守ります」
「オーケイ、じゃあ行くぞ」
 デュオがユエに突っ込む!
 と同時に矢が発射される!
 デュオは矢を切り払い、さらにユエを切り払う。・・・しかし、そこには誰も居なかった。
「デュオさん、上ですっ!」
 ボリスの声で上を見るデュオ。
 ユエはファルコンに捕まり、空に浮かんでいた。
「食らいなさい!アローシャワー!!(※1)」
 デュオに無数の矢が上空から降り注ぐ。
「こんなもの・・・むっ!」
 回避しようとしたデュオだが、足が動かない。
「こ、これはっ!」
 デュオの足は、トラップによって拘束され、身動きがとれなくなっていた。
「・・・アンクルスネア(※2)ね・・・身動きを封じるトラップよ、姉さんはトラップ使いでもあるの!」
「そういうことは早く言えっ!」
 罠を解除しようとするデュオだが、上手くいかない。
「デュオさん、伏せてくださいっ!」
 ボリスが大剣を抜き、大きく振るう。
 剣から巨大な衝撃波が発生し、矢を全て吹き飛ばした。
「流石英雄様だ、恐ろしい技だな」
 罠を解除し、一旦後退するデュオ。
「・・・どこに罠を仕掛けられてるかわからん、迂闊に動けないな」
「ならば・・・全て破壊するまで・・・っ!!」
 ボリスは大剣を地面に振り下ろす。
 ゴゴゴゴゴ・・・と周囲に地響きが起こり、さらに、辺りの地面に亀裂が走る。
 そして、ドン!ドン!ドン!と、亀裂の下から次々に爆発が起こる。
「・・・なかなかやるようですね」
「・・・そのようね」
 破壊された罠を見下ろして、ファルコンとユエが言う。
「これで罠は破壊できたはずですっ!」
「よし、もう一度突っ込む、ユイ、援護を頼む」
「は、はいっ!」
 デュオに補助魔法を施すユイ。
 デュオは地を蹴り、ユエめがけて飛び上がる。
 ユエはデュオをあっさりかわし、背中に矢を撃ち込もうと弓を構える。
 しかし。
「姉さん、後ろっ!」
「っ!?」
 突然のメイの声に慌てて振り向いたユエに、ファイアアロー(※3)が直撃する。
 ユエは体勢を崩し、地面に落下し叩きつけられる。
「いたたたた・・・戦士様の後ろからメイちゃんが魔法を撃ってたのね・・・油断しちゃったわ」
「そして、今も油断しています」
 さらにユエの後ろをとるボリス。
「行きますっ!」
 ボリスは大剣を、まるで剣舞でも舞うかの如く美しい動きで連続してユエに斬りかかる。
「なんて美しい連(※4)なんだ・・・」
 それをみて、デュオが思わず呟く。
 キン、キィン!と金属がぶつかり合う音がする。
 ユエは弓をその場に落とし、腰からナイフを取り出して両の手に一本ずつ持つと、まるでボリスとともに剣舞を舞うかの如く、ボリスの連を華麗に捌いていく。
 そしてついに。
 カキィン!
 ユエはボリスの大剣を弾き飛ばした。
「な・・・!?」
 武器を落とし、唖然とするボリス。
「こ、これほどの使い手がいるなんて・・・」
「これで、私の勝ちね」
 ボリスに詰め寄るユエ。
「・・・まだだっ!」
 ボリスは身に纏っていた黒い衣をユエに投げつける。
「え、ちょっと・・・!」
 ユエの頭は衣に包まれ、ユエは衣を剥がそうともがく。
 その隙に剣を拾い上げるボリス。
「・・・」
 剣に力を込め、精神を集中する。
「・・・はぁ、もう」
 ユエは衣を剥ぎ取り、再びボリスに襲い掛かる。
「冬の力よ、ここに!・・・グラシア(※5)!!」
 ボリスが剣を振るうと、辺りに氷の嵐が発生する。
 ユエは氷の嵐に包まれる。
「こ、これは、ウィンターラーの力・・・!?」
 わけもわからないまま氷の嵐から身を守るユエ。
 やがて氷の嵐が晴れるが、ユエの足は地面に氷付けにされていた。


※1 アローシャワー・・・ラグナロクオンラインに登場するスキル。アーチャーが習得する弓の技。矢を一度に大量に放ち、一定範囲の敵を纏めて攻撃する技。
※2 アンクルスネア・・・ラグナロクオンラインに登場するスキル。ハンターが習得するトラップ技。地面にトラバサミのような罠を設置し、かかった相手の動きをしばらく封じ込める。
※3 ファイアアロー・・・火属性の攻撃魔法。火の矢を発生させ対象を焼き尽くす。技量があがると一度に複数の矢を発生させることができるがその分練成に時間がかかる。
※4 連・・・手にした剣や大剣、細剣等で連続的に斬りつける技。剣術における最も基本的な技だが、熟練を積めばより連続攻撃が可能になり、動きも見切られにくくなる。達人の域に達すると、その動きはまるで剣舞を舞うかのようになるらしい。
※5 グラシア・・・英雄の一人、ボリス・ジンネマンの奥義。冬の剣・ウィンターラーの力を借りて周囲に氷の嵐を発生させ、一定範囲の敵の動きをしばらく封じ込める技。


※ と、いうことで、お待たせしました、十二話のお届けです。
  あー、最近ペース落ちてるなぁ、頑張らないと_| ̄|○ill
  やっぱりというか案の定というか、正体はボリスだったわけですが、英雄が登場したからといって物語は終了ではありません。
  寧ろまだ序盤、まだまだ彼らの物語は続きますよ。
  TWの方は、ついに明日、最後のストーリー、CP13が実装されるそうですね。
  パート1とパート2に分かれての二部構成らしいですが、はたしてどんな結末になるのやら。
  ・・・って、アニメーションムービーでだいぶネタバレしてますけどね、ラスボスとか('A`)
  ラストダンジョン、そしてラスボスは相当強いようで。
  ラストなんで確かに手ごたえはあった方がいいとは思いますが、CP12まではあんなに難易度低い戦闘だったのに13でいきなり難しくするのはどうなんだろうと思ったり。
  なにはともあれ、長かった八人の英雄たちの物語のクライマックス、堪能しましょう(ぉ


  あ、そうそう、この話の序盤でユエのアローシャワーを吹き飛ばしたボリスの技はアレです。
  OPムービーでクラドっぽい町が襲われてたところでルシアンに発射された矢をボリスが素手で掴んでカウンターに放った黒いオーラのアレ。
  なんとなくかっこよかったんで登場させてみましt
  それから、地面を揺らせて罠を破壊した技は、「爆」です。
  決してCBやSCじゃありませんのでw

第十一話


#11 ダフネン


「ダフネンさんですねっ、よろしくお願いします」
 料理を並べていくユイ。
「聞かない名だな、俺も戦士の端くれ、あんたほどの腕の人を知らないはずはないと思ったんだが」
「ずっと隠居していましたから」
「なるほど」
 並んでくる料理に目をおとすデュオとダフネンと名乗った男。
 が、すぐに二人の表情が凍りつく。
「・・・なぁ、ユイ」
「はい?」
「これは・・・なんだ?」
 デュオは恐る恐る並んでいる料理を指差してユイに問う。
「え、決まってるじゃないですか。カレーですよっ」
「嘘だッッッッッ!!!」
 デュオの怒声が辺りに響き渡る。
「カレーというのは、茶色じゃないのか!?これは、どう見ても青いだろうっ!」
 その料理は、鮮やかなまでに青い色をしていた。
「・・・まあいい、世の中には白や緑のカレーもある。だが、これはどうみても、カレーの形じゃないだろう!」
 カレーというものは、皿の半分ずつにゴハンとルーとが分かれているのがオーソドックスな形である。
 このカレーと呼ばれた料理は、それ以前の問題だった。
「この、謎の建造物はなんだ。これがカレーであってたまるかっ!」
 皿の中には、ある意味芸術的とも言える謎のオブジェが形成されていた。
 ゴハンや、ルーなどの残骸はない。
「見かけは悪くても、味は・・・」
「そんなはずはないっ!」
 きっぱりと否定するデュオ。
 そこへやってくる野性のゼリッピ。
 ユイが作ったカレーらしきものに興味を示し、一口摘んでみる。
「・・・あ、食べちゃった・・・」
 哀れみの表情を浮かべるメイ。
 ゼリッピはカレーと思しき物体を口にしたまま動かない。
 暫らく静止した後、ガクガクガクガクと体を震わせる。
「お、おい!大丈夫かっ!」
 みるみるうちに黄色い体が青く染まっていくゼリッピ。
 そして泣きながら地平線の彼方へと消えていった。
「・・・」
 それを呆然と見送る一行。
「・・・なるほど、お前たちが野営をしても魔物に襲われない理由が分かった。・・・本能的に魔物も危険を察知していたんだな」
「そうかもね・・・」
「・・・ところで、夕食はどうする」
「携帯食で我慢ね」
「えー・・・折角作ったのに・・・」
「だったら姉さん一人でそれ食べなさい」
「うー・・・」


「さて、気を取り直して」
 食事が再開され、デュオが仕切りなおす。
 因みに皆各々の携帯食を食べているが、ユイは自作のカレーらしき物体を泣きながら食べている。
「ダフネンと言ったな」
「はい」
「俺たちはさっきも言ったように、誕生石と消えた英雄についての調査をしている。良ければあんたの知っている英雄の情報を教えて貰いたい」
「・・・そうですね、分かりました」
 ダフネンは手にしていた缶詰を置く。
「もう三年も前になるでしょうか、英雄たちは、とある場所で最後の戦いを繰り広げました」
「とある場所?」
「その場所については言えません。・・・その戦いは非常に辛く厳しい戦いでした。長い、長い戦いに勝利し平穏が訪れました」
 辺りは闇に包まれ、波の音だけが静かに響いていた。
「戦いの終わりは、新たな戦いの始まりでもありました」
「新たな戦い?」
「誕生石を巡る事件は解決しましたが、その背後にはさらに強大な敵が存在することが分かったのです。彼らは新たな戦いに備え、一度町に戻り休息をとる事にしました。・・・そこで彼らを待っていたものは」
 ダフネンの瞳がふっと曇る。
「・・・彼らの力を恐れる人々と利用しようとする人々でした」
「・・・っ」
 ユイが顔を伏せる。
「ある者はその力に目を背け、ある者はその力を戦争に利用しようとし、ある者は実験に・・・」
(・・・私と一緒・・・)
 ユイには、他の人にはない特殊な力がある。・・・解呪の力である。
 ミッドガルド大陸に住んでいた当時、彼女の力を恐れ忌み嫌っていた人々や、彼女の力を利用しようとしていた人々に囲まれていた。
 そしてユイは、ミッドガルド大陸を離れることを決意する。
「・・・それで、英雄たちは?」
「旅立ちました。・・・新たな居場所を求めて」
「・・・」
 最後も、ユイと一緒だった。
「なんとも・・・報われないな。英雄たちはただアノマラドの平和の為に戦った。・・・だがその後に待ち受けていたものはあまりにも酷すぎる」
「・・・で、その後英雄たちはどこへ行っちゃったわけ?」
「しばらくはお触れも出ました。英雄たちを見つけた者は二億SEED、連れて来た者には五億SEED」
「ご、五億だぁ!?おいおい、全世界緊急指名手配犯でもそんな金額にならないぞ!?」
「お触れを出したのはトラバチェスの国家です。あそこは他国や外の大陸の侵略を考えているそうですから、一人でも戦況を覆すほどの実力をもった英雄たちの力が欲しかったのでしょう」
「なんてこった・・・」
「しかし、何一つ情報を掴むことも無く、お触れも次第に忘れられて行きました」
「結局行方は知れないまま、か」
「そうですね」
「あら?少なくとも一名は、行方が知れてるんじゃなくって?」
 突如響き渡る女性の声。
「あれ、その声は、お姉ちゃん?」
 現れたるは、まさしくユエ。鷹のファルコンも一緒だ。
「ユイちゃんメイちゃん、久しぶりね~、会いたかったわぁ・・・寂しくなかった?」
「・・・昨日会ったばっかでしょうが・・・」
「姉さんは寂しかったわ・・・二人の事を考えて眠れぬ夜を何度過ごしたか・・・」
「・・・聞いちゃいないし」
「・・・そちらの方は?」
 ダフネンが尋ねる。
「ああ、ユイとメイの姉さんのユエさんだそうだ。で、その鷹がファルコン」
「お見知りおきを」
 ファルコンは翼の片方をくいっと曲げて紳士的にお辞儀をする。
「なんというか・・・よくここがわかったわね、姉さん」
「愛の力よー」
「・・・」
 表情が凍りつく一行。
「・・・随分と、変わった方のようですね」
 苦笑するダフネン。
「そうだ、お姉ちゃん、私たちに何か用?」
「英雄の一人は行方が知れてるとか、どういう意味?」
 ユイとメイの言葉を聞いた瞬間、ユエの表情が変わる。
 その空気の変化を咄嗟に感じ取り、身構えるデュオとダフネン。
 す・・・と、ユエが弓の先をダフネンに向ける。
「ボリス・ジンネマン。貴方の持つウィンターラーを頂戴しにきたわ」


※はい、おまたせしました、11話のお届けでございます。
 前回サクサクいくぜ!とか言いながら一ヶ月空きました、実質2ヶ月か・・・
 ああ、石を投げないで_| ̄|○
 小説ではウインタラー、TW内ではウィンターラー、結局TWの方に統一しましたw
 早速12話の構成にとりかかりますよっ。

 後で突っ込まれそうなところの補足を。
 ・お触れがあったときに英雄の写真はなかったのか?また、アクシピターから英雄の写真を貰わなかったのか。
  そうすればダフネンに会った瞬間ボリスと見破れるはず。
 現在TWでは「アルバム」と「カメラ」のアイテムの使用が停止中です、よって写真はありません(ぁ
 似顔絵ぐらいはあったかもしれませんg

第十話



#10 平原の中で


 カウルへ向けてクライデン平原を北上する一行。
 道中でミネやダックウォーリアたち魔物と幾度か遭遇するも、彼らの敵ではなかった。
「はぁ・・・」
「どうしたの、メイちゃん?」
「行けども行けども平原ばっかり・・・いい加減飽きてきた・・・」
 愚痴をこぼすメイ。
「カウルはまだまだ先だ。そんなことでは先が思いやられるぞ」
「げ、まだまだ先なの・・・?」
「まだ三分の一も進んでないな」
「うげぇ・・・」 
 見渡す限りの平原が広がっていた。


 歩き続けること数時間。
 日は沈み、辺りは夕暮れに包まれはじめていた。
「ねえー、そろそろ休まないー?」
 ナルビクを出たときは最前列を歩いていたのに、いつのまにか最後尾を歩いているメイが言う。
「そうだな・・・」
 アレンから貰った地図に目を落とすデュオ。
「あの橋を渡った先に、海の谷という所があるそうだ。そこで今日は休もうか」
「了解、そうと決まったらお先にっ」
 一気に加速して二人を追い抜いてさっさと橋を渡るメイ。
「・・・なんだ、元気じゃないか」
「そんなに急いだら転ぶよ、メイちゃん~」
 苦笑しつつメイを追いかける二人。
「子供じゃないんだからっ・・・っと、あれ?」
 突然立ち止まるメイ。
「っと、どうした」
「ほら、あれ。なんだろう」
 メイが指差した先、海の谷へ続く道から少し外れた陰になっているところに、小さな建造物があった。
 近づいて調べてみると、それは石碑のようであった。
「ふむ・・・どうやら、墓のようだ」
「お墓・・・」
 じっと墓を見ていたユイは、やがて跪き、祈りを捧げる。
 デュオとメイもそれに続く。
「ここで、誰か死んだのかな」
 メイが呟く。
「どうだろうな・・・」
「そこには、私の仲間が眠っています」
 突然、三人の背後から声がする。
「誰だっ!?」
 とっさに振り向き、武器を構えるデュオ。
(・・・俺が背後をとられた・・・?)
 声の主を観察するデュオ。
 黒い衣を身に纏った長髪の男。背中には大きな剣を挿している。
(・・・この男・・・できるな)
「すいません、祈りを捧げたいのですが、よろしいですか?」
 男は警戒するデュオたちを意に介さず、石碑の前で祈りを捧げた。
「・・・仲間が眠っていると・・・」
 男が祈りを捧げ終えるのを待ち、ユイが口を開く。
「ええ、そうです」
 男は、石碑に目を落とす。
「私たちが救えなかった仲間です。ずっと助けを求めていたのに、疑心暗鬼に囚われた私たちは信じることができず、見殺しにしてしまった・・・」
「それで、ここにお墓を?」
「それぐらいじゃ、とても罪滅ぼしにはなりませんけどね・・・」
 男は寂しそうに笑った。
「祈りを捧げてくれて、ありがとうございました。では、私はこれで」
 男は、海の谷へ向けて歩き出した。
「せいっ!」
「せやっ!」
 そこへ、メイとデュオが同時に攻撃をしかけた。
 しかし、男は大剣の柄と鞘で見事にそれを受け止めた。
「え、え・・・?」
 突然の出来事におろおろうろたえるユイ。
「いきなり・・・何ですか・・・?」
 剣を直しながら男が言う。
「いや、すまなかった。あんた、強いな」
「私たちに気取られずに後ろにいたもんね」
「それが、何か・・・?」
「あんた、この大陸の人間か?」
「ええ、そうですが・・・」
「ならば知っているだろう。消えた英雄の話と、誕生石の話を。あんたほどの腕前だったら、英雄たちと供に戦ったりはしなかったか?」
「英雄と誕生石・・・それを調べて、どうするつもりなのですか」
「・・・待っている人たちがいます」
 それまでおろおろしていたユイが言う。
「待っている人?」
「ジケルさんに、アレンさん、クライブさん。・・・そしてきっと、他にもたくさんの人たちが、英雄の皆さんの帰りを待っています。・・・その人たちのために居なくなった英雄の皆さんを探すこと。・・・それが私たちの目的です」
「・・・そうですか」
 男はふと顔を上げ、空を見上げた。
「私でよければ、私の知る限りのことをお教えしましょう。・・・英雄たちについて」


 四人は、海の谷へ移動し、野営の準備を進めていた。
「お話の前に、まずはごはんにしましょう。皆で食べるごはんはきっと美味しいですよっ」
 というユイの半ば強引な提案により、まずは食事となった。
「まさか、野営をしてさらに料理までするなんて・・・」
 男はしきりに辺りを警戒している。
「それはそうと・・・」
 デュオは不安そうな顔をして、遠くで料理をしてるらしいユイの方を見る。
「これは、料理をしているんだよな?」
「ええ、本人はいたってそのつもりよ・・・」
 暗い顔で答えるメイ。
「何故、鈍器で金属を叩いた音や、先の尖ったもので木に穴を開けたような音や、薬品が沸騰してるような音がするんだ?」
 それは誰にも分からなかった。
「・・・ところで」
 デュオは不安を打ち払い、男に視線を移す。
「先程はすまなかったな」
「・・・?」
「かなりの腕前だとみて、ちょっと試してみたくなったんだ」
「ああ、その事ですか」
「ああ、すまなかった」
「いえ、気にしていません」
「良ければ、一度手合わせを願いたいものだ」
「あ、私も」
「それはごはんとお話の後でお願いしますねっ」
 料理が終わったのか、ユイが近くに来ていた。
「ごはんできましたよっ」
 途端に表情が暗くなるメイとデュオ。
「あ、剣士さん」
「はい?」
「剣士さん、と呼ぶのも何なので、良ければ名前を教えていただけませんか?」
「名前・・・」
「私はユイ、この子が妹のメイちゃん、こっちの方がデュオさんです」
 勝手に自己紹介を始めるユイ。
「私の名は・・・」
 男は一瞬考え、
「私の名はダフネンと言います」
 と答えた。


※はい、すっげぇお待たせしました、五ヶ月ぶりの更新だよおういえ_| ̄|○
 第十話をお届けしました。
 ええ、奴が出てますよ、奴が。
 当初、ここにはロ(ry)が居たのですが、最近話題のあの作品に触れてイ(ry)に変更しました。
 が、まだ登場には早すぎる、ということでこいつを登場させることに。
 誰なのかわかりそうでわからないようでわかる、そんな感じ(ぁ
 クライデン平原ですが、一気に海の谷まで進めちゃいました。
 道中の時間沸きボス、ラッドパンプキンなんかと何かイベントあってもいいかなーとも思ったんですが、とりあえずするぅで(ぁ
 気力も充実してきたので、今後もサクサクと更新します。・・・できたらいいな(ぁ

第九話


#9 旅立ち


「・・・ゼリーキングは倒されたか」
「まぁ、ゼリーキング程度に負けてたらお話にならないしね」
「・・・どうだと思う?彼ら」
「・・・動くな。必ず」
「動くとしたら・・・」
「カウル。ここへ向かうはずだ」


 ゼリーキングを倒した一行は、アクシピターへと戻っていた。
「結局、あのゼリーキングとかいうのはなんだったんだ」
「俺から話そう。俺も討伐隊に参加していた」
 デュオの問いにクライブが答える。
「大邸宅内でも話した通り、誕生石の力によって暴走したゼリッピだ。アクシピターやシャドウ&アッシュで討伐隊が結成され、結果的に英雄達が倒したんだ」
「さっきの奴は?」
「別の誕生石で暴走したのか、何者かに生み出されたのか・・・ともかく、何かが起こりつつあることは確かなようだ」
 デュオは腕を組み、考え込む。
「そういえば、大邸宅の主も誕生石で暴走したと言っていたな」
「ああ、そうだ」
「・・・他にも、誕生石の力で暴走した者がいたんじゃないのか?」
「その通りだ。この南アノマラド各地で誕生石の力で暴走した者がいた」
「・・・各地、か。・・・よし、一度各地を調べてみよう。アレン、この南アノマラドの地図はないか」
「あ、はい、少々お待ちください」
 アレンは机の中から地図を取り出し、デュオに渡す。
「ここからだと・・・カウルが一番近いか。・・・早速だが、明日にでもカウルへ行ってみようと思う。お前達はどうする?」
 地図を見ていたデュオは、ユイとメイに視線を移す。
「勿論、私たちもついて行くわよ」
「よろしければご一緒させてください」
「こちらとしても断る理由もない。共に行こう」
「俺達はナルビクに残る。アクシピター再建がまだだからな」
 クライブ以下数名が頷く。
「分かった。では明日の朝、北門で集合だ。遅れるなよ」
「りょーかいっ」


 翌朝、ナルビク北門。
 デュオは既に門で待っていた。隣にはアレンとクライブもいる。
「ごめんなさい、お待たせしましたっ」
 背中に背負った鞄をがちゃがちゃ言わせながら走ってくるユイ。
 後ろからメイが呆れ顔で歩いてくる。
「いや、それほど待ってはいないが・・・なんだその荷物は・・・鍋やらおたまやらが見えるが・・・」
 鞄の背後には亀の甲羅のように鍋が被せられ、取っ手の部分におたまやフライ返しなんかの調理器具がぶら下がっている。
 ユイが歩くたびにそれらがぶつかり合ってがちゃがちゃ音をたてている。
「野営セットよ、野営セット」
 呆れた顔のままメイが答える。
「野営って、お前達まさか野営中に料理するつもりか?」
 アノマラドは、平和になったとはいえ危険な野生モンスターが数多く存在する。
 野営の際に料理をし、その料理の匂いに釣られて現れたモンスターに襲われた冒険者が後を立たなくなった為、冒険者たちは基本的に携帯食料で食事をとるのが主流になっている。
「だって、ごはんぐらいおいしく食べたいじゃないですか」
 ニコニコと笑うユイ。
 携帯食は、携帯性を重視しているため不味い。
「・・・まあ、言っても聞かないから諦めて・・・」
 妙に影を落とした表情でメイが言った。
「・・・仕方ないな」
「あっ」
 デュオはユイの背中からひょいっと鞄を奪い取り、自分の肩にかける。
「ありがとうございます」
「じゃあ、行ってくる。世話になった」
 アレンたちへ向き直る。
「吉報をお待ちしていますよ。こちらでも情報収集を行います、なにかありましたらアクシピターへお越しください。きっと力になります」
「ああ、あてにさせてもらう」
「その前に、再建、頑張ってくださいね」
「ええ、任せておいてください。もしシュワルター支部長と出会うことがあれば宜しくお伝えください」
「馬鹿ルシアンたちにもな」
「彼らを探しに行くんだから、いつか出会うわよっ」
「ああ、そうだったな」
 笑いあう5人。
 そこへ、どん!どん!と大きな音がナルビク中に響き渡る。
「な、なんの音?」
「これは・・・船の大砲の音か?」
「ああ、赤い射手の砲撃ですね。大丈夫です、空砲ですから」
「赤い射手・・・ジケルさんたち・・・?」
「確かもうとっくに別の大陸に出港したんじゃ・・・?」
「どこからか噂を聞きつけ、応援に来たそうですよ」
「流石は海賊というか、耳のはええ奴らだ」
「ありがとう・・・ジケルさん・・・必ず、ミラさんを見つけますからね・・・」
 手を組み祈りを捧げるユイ。
「さて、名残惜しいがいつまでもここにいるとあっという間に日が暮れる。・・・そろそろ行こうか」
「・・・そうですね、行きましょうか」
 門から外を見る。
 広大な平原が広がっていた。
 クライデン平原。
 南アノマラドの実に三分の一を占める大平原。
 この平原を北に抜けていった先、もうひとつの平原であるセルバス平原との境目にカウルはある。
「私たちの、アノマラドでの冒険が、今まさに始まろうとしていたっ・・・って感じかな?」
 クライデン平原を前に立ち尽くしていたユイの顔を、メイが覗き込む。
「・・・そうだね」
 目を閉じるユイ。
 色んな音が聞こえてくる。
 赤い射手の砲撃。
 送り出すアレンとクライブの労いの言葉。
 町のざわめき。
 そして風の音。
 やがて、ゆっくりと目を開く。
「行こっか」
 ゆっくりと歩き出すユイ。
 メイとデュオもそれに続く。
 アレンとクライブとナルビクと赤い射手に手を振り別れを告げ。
 彼らはクライデン平原へと足を踏み入れた。
 長い、長い旅の始まりである。


 旅に出る彼らを遠くから見守る一人の影。
 黒い衣に身を纏い、大剣を背負った長髪の男性。
 大邸宅にいた男である。
「・・・過酷な旅になるでしょう。ですが希望を捨てず、前に突き進むことです」
 男は町の中へと消えていく。
「そして願わくば、彼らを救いだしてください」



※お待たせしました、第九話をお届けしました。
 区切りがいいのでいつもよりちょこっと短めです、申し訳ない_| ̄|○
 旅立ちのシーンですが、TWのBGMから86番の曲をリピートで聴きながら執筆しました。
 この曲を聴きながら改めて目を通してみるといい感じかもしれませんよ?(ぁ 
 ご存知のとおり、TWにはワープポイントシステムがあります。
 作中の設定では、各所のワープポイントを、旅人や傭兵が常備している結界石だかなんだかに記憶させることで、任意にその記憶させた場所に飛ぶことができる、ということになっているようです。
 今のところ、この設定、ワープポイント自体を作中に反映させる予定はありません。
 あちこち自由にぽんぽん飛びまわれるって、小説的にはどうなのかなぁ、というのがありまして。
 いや、ドラクエの小説には普通にルーラ(町へ瞬間移動する呪文)やリレミト(ダンジョンから脱出する呪文)でてきてますけどね(--;
 
 さてさて、舞台はナルビクからカウルに移ります。
 カウルでは何が待ち受けているのかっ!?
 第十話、お楽しみにっ!
 とアニメの次回予告風にやってみました(ぁ

第八話


#8 ゼリーキング


「英雄たちが倒したって、どういうこと?」
「誕生石の力で暴走したゼリッピがあれです。かつて、アクシピター、シャドウ&アッシュ両ギルドはあれの討伐令を出し、英雄たちが退治しました」
「じゃあ、あれはなんなのよ?」
「わかりません」
「わからないってねえ!」
「おしゃべりはここまでだ、来るぞ!」
「俺は雑魚を蹴散らす、お前たちはゼリーキングを!」
 クライブがアレンと部下を連れてさがる。
「誕生石の話が事実なら、どんな力をもっているかわからん、ここは慎重にいくぞ」
「わかりましたっ。・・・エンジェラス!(※1)」
 様子を伺う三人。
 ゼリーキングは卵を連続して発射してきた。
「むん!」
 それを全て斬り払うデュオ。
 斬り払った先には、ゼリーキングの姿がなかった。
「あれ、消えた?」
「上だっ!」
 さっと飛び退く三人。
 直後、さっきまで居た場所にズゥゥゥゥゥン!とゼリーキングが降って来る。
「でかい図体して身軽な奴ねっ」
 メイがゼリーキングの体に拳を叩き込む。
 しかし。
 ぶよん、と拳はそのままゼリーキングの体にめりこむ。
「・・・あれ?」
 そのままめりこんだ部分がぼん!と突き出し、反動でメイは吹き飛ばされる。
 メイの体は大邸宅の壁に叩きつけられた。
「いたたたた・・・なによ、あれはっ」
「奴の体はゴムのようなものらしいな、今のを見る限り」
「ゴム?」
「どんな衝撃もやわらかく包み込んでしまう。・・・直接的な物理攻撃は通じないと思った方がいい。結構厄介だ」
「うげ」
 突進してくるゼリーキングをかわす三人。
「魔法ならば通じそうだが、生憎俺は魔法の類を使えん。ユイも攻撃魔法は不得意であろう」
「あ、はい・・・」
「・・・私?」
「少なくとも心得はあるだろう」
「うーん・・・ファイアアロー(※2)の十連射ぐらいが私の限度だよ?」
「それで構わん。奴に叩き込め。俺は奴をひきつけておく。ユイは詠唱中のメイの援護を頼む」
「わ、わかりましたっ」
 メイはファイアアローの詠唱を始め、デュオはゼリーキングへ突っ込んで行く。
「ふんっ!」
 デュオはゼリーキングを横に一閃。
 しかし、ゼリーキングの柔らかい体に衝撃を吸収され、刃が通らない。
 振り回されるゼリーキングの尻尾を華麗に受け流しつつカウンターを当てていくデュオ。
 しかし、その全てが柔らかい体で無効化される。
「・・・まったく、面倒な・・・」
「おまたせっ!」
 メイの詠唱が終わる。
 掲げられた右手には炎の矢が十本、宙に浮いていた。
「よし、ユイ、ホーリーライト(※3)で足止めを頼む!メイ、ホーリーライトが命中したら一斉発射、後は俺に続け!」
「了解っ!」
「いきます!ホーリーライト!」
 ホーリーライトが命中し、ゼリーキングの動きが一瞬止まる。
 その隙にゼリーキングから距離を取るデュオ。
「行くよっ!ファイアアロー!」
 メイが掲げていた右手を振り下ろす。
 十本の炎の矢は一斉にゼリーキングへと突っ込む。
 炎の矢を追うようにしてデュオが駆ける。その後ろにメイが続く。
「どうするの?」
「着弾したポイントを集中攻撃、そのまま突き破る」
「オッケー」
 拳に炎を宿らせるメイ。
 炎の矢はゼリーキングに全て直撃した。
「そらそらっ!」
 そこへデュオによる連突き(※4)
「三段掌!連打掌!(※5)」
 さらにメイが炎の拳を叩き込む。
「・・・くっ、手数が足りないかっ」
「そろそろ持たないよっ」
 一時後退しようとした二人の横を、ヒュン、ヒュン、と抜けていく影。
 それはドスッ、ドスッ、とゼリーキングの体に突き刺さる。
「・・・矢?」
 さらにその矢めがけて突っ込んで行く影。
 それはゼリーキングの体を突き破り、空中で羽ばたく。
「・・・あれは、鳥・・・鷹か?」
 体を突き破られたゼリーキングは空気の抜けた風船の如くしぼみ、そして消えた。
 周囲にいたゼリッピたちも親玉がやられたのを見ると一目散に逃げ出して行った。
「デュオさん、メイちゃん、大丈夫ですか?」
 ユイか駆け寄り治療を施す。
「俺たちは大丈夫だが・・・あの鳥は・・・?」
「あの鷹って・・・嫌な予感・・・」
 鳥はばさばさと羽ばたきながら、デュオたちの遥か後方に居た主人の肩の上に止まる。
 弓を構えたその人物は、女性であった。
 ロングヘアーにロングスカート、おっとりとした雰囲気を醸し出すやや頼りなさそうな女性。
「あらあら、ユイちゃん、メイちゃん、大丈夫だった?」
「やっぱり・・・」
 額を抑えるメイ。
「お姉ちゃん?」
「こんにちわ~、ユイちゃん、元気そうね~」
 女性はユイの頭を撫でる。
「・・・姉?」
「ええ、私とメイちゃんの姉です」
「始めまして~、ユイとメイの姉のユエと言います~、妹たちがお世話になってるようで」
 ぺこぺことお辞儀をするユエ、と名乗った女性。
「そうか、二人の姉か。先刻は助かった。なかなかいい腕を持っているようだ」
「あら、それほどでもないですよぉ」
「・・・で、何でこんなとこに居るのよ、姉さん」
「私は世界を巡る旅人さんだもの~、どこにだっているのよ~」
「ああ、そうですかい」
「ご主人、お戯れはそろそろ」
 ユエの肩に止まっていた鷹が口を開く。
「む、この鳥、人間の言葉を喋るのか」
「そこな人間殿、私にはファルコンという名があります。鳥などと一まとめにされた呼び方は遠慮していただきたい」
「おっと、これは失礼」
「ファルコンも元気そうね」
「いえ、ユイ殿。四六時中ご主人の相手をしているのです、気苦労が耐えません」
「あら、酷いこと言うのねファルコン。今日の晩御飯は焼き鳥にする?」
「・・・」
「冗談よぉ、おほほほほ」
「目が笑っておりません」
「さてさて、ごめんねユイちゃんメイちゃん、姉さんちょっと忙しくてすぐ行かなきゃならないの」
「ん、何か依頼の最中?」
「そんなところ~、内容は国家最重要機密だけどねぇ~」
「はいはい」
 やれやれ、と肩をすくめるメイ。
 ユエは右手を空に掲げた。
「じゃあね、私が居なくて寂しいだろうけど私はいつもあなたの心の中で見守って・・・」
「・・・いいから、ファルコン、行っちゃって」
「ええ、では皆様、これにて」
 ファルコンはユエの右手を掴み、そのままユエごと飛び上がった。
「泣いてもいいのよ?寂しいならお姉さんの胸の中で泣きなさい、さあ、今すぐ飛び込んで・・・」
 ユエはそのまま空の彼方に飛んでいった。
「・・・かなり変わった人だな、お前たちの姉は・・・」
「・・・鳥に引っ張ってもらって空飛ぶ人なんて姉さんぐらいよ・・・」
「・・・お姉ちゃん、何か言ってたけどよかったのかな・・・」
 三人は、ユエが飛んでいった空を呆然と眺めていた。



※1 エンジェラス・・・ラグナロクオンラインに登場する魔法。アコライトが習得する補助魔法。味方全員の防御力を向上させる。
※2 ファイアアロー・・・火属性の攻撃魔法。火の矢を発生させ対象を焼き尽くす。技量があがると一度に複数の矢を発生させることができるがその分練成に時間がかかる。
※3 ホーリーライト・・・ラグナロクオンラインに登場する魔法。アコライトが習得する唯一の攻撃魔法。対象に聖なる力をぶつける。威力はそれほどでもないが練成に時間がかからないため足止めとしても使える。
※4 連突き・・・槍や棒などを使い連続して敵を突く技。修練を積むとさらに連続して突くことができる。
※5 三段掌、連打掌・・・ラグナロクオンラインに登場する技。アコライトの上位職であるモンクが習得する攻撃技。三段掌は三発の拳を、連打掌は三段掌からの連携によってさらに四発の拳を叩き込む技である。


※かなーりお待たせしました、第八話です_| ̄|○
 ゼリーキング戦をお届けしました。
 ボス戦なのでもうちと引っ張ったほうがいいかなぁ、とか考えましたがCPボス最弱なのでこれぐらいかなぁ、と(ぁ
 ハート様最高。
 本来はもうちょっと後のほうで出す予定だったんですが、新キャラをだしてみました、と言っても顔出し程度ですけどn。ユイとメイの姉さん、ユエです。
 柚衣orユイ、芽衣orメイは随所で出てきてますがユエor柚依は初お披露目となります。
 TW世界ではイレギュラーな弓手を敢えて起用してみました。CP10だか9だかで銃撃ってる中ボス居たけどn
 

第七話


#7 予感


 大邸宅には、既に何者かが侵入し、荒らした形跡があった。
 これは、数年前に消えた英雄たちがこの大邸宅にやってきた際のものらしい。
「この有様じゃ、もうなーんにも残ってなさそうだけど・・・」
 邸宅内を見てはやくも諦めモードのメイ。
「まあそう言わないで、何かあるかも知れないし」
「・・・本当にそう思う?」
「・・・思わない・・・」
「・・・」
 わりと絶望的な調査が始まった。


 調査は続き、そろそろ一時間経とうかという頃。
「む、姉さんちょっと待って」
「ふぇ?」
 調査していた部屋の奥へ行こうとしていたユイを引き止める。
 ユイは間抜けな声を出してその場に固まる。
 メイはユイを抜け、部屋の奥の床でしゃがむ。
「メイちゃん、どうしたの?」
「姉さん、これ」
 そこには、草の破片が落ちていた。
「草・・・?それがどうしたの?」
「なんでこんなところに草が落ちてると思う?」
「なんでって・・・何かおかしい?」
「窓は完全に固定されてて開かない、この屋敷は長いこと閉鎖されてて誰も使ってなかった」
「・・・?」
「この草、新しいよね。枯れてない。多分、誰かの靴かズボンにでも引っ付いてたのが落っこちたんだと思うけど」
「・・・あ、まさか、ここに最近誰か居たってこと?」
「ご名答。長く見積もっても数日前。早く見積もったらついさっきまで、ここに誰か居たってことになる」
「さっきの門番さんの仲間なんじゃ?」
「そうかも知れないけどね、一応報告しておこう、デュオたちに」
「うん」
 二人は部屋を出た。
 誰も居なくなった部屋の床下から、声が聞こえてくる。
「・・・あの少女、なかなか頭が切れるようだな」
「もう一人の方は馬鹿そうだけどね」
「・・・いえ、もう一人の方からも強力な魔力を感じました」
「・・・お前が言うなら間違いないんだろうな、なんにせよ、警戒が必要だ」
「それより、我々も早く退散しましょう。彼らがあれを使うそうですから」
「彼らは?」
「ひとまず研究所の方に移動してるそうです」
「オーケイ、じゃあこっちも移動するか」


「・・・なるほど、そっちもか」
 一行は大邸宅の玄関ホールで集合して調査の成果を報告していた。
「そっちも、ってことはデュオの方も?」
「ああ、つい最近動かしたような痕跡のある家具がいくつか。床の埃の跡から見て数日以内だな」
「こっちも」
 クライブが言う。
「二階の窓下に泥の跡があった。新しい泥だ、間違いなく数刻前だな」
「・・・どうやら、つい今しがたまで誰かがいたのは間違いないようだ」
「門番の可能性も否定できないけど・・・」
「何者かがいたとすると、逃走ルートがあるはずだ。隠し扉とか隠し部屋とか、その類の」
「そんなの探してたら一部屋だけで日が暮れるわよ」
 ため息を吐くメイ。
「・・・あ」
 アレンが口を開く。
「ありました、隠し通路」
「・・・何だと?」
「消えた英雄たちも、そこを使ってここへ侵入してるんです。地下の下水に繋がる通路が」
「それはどこに?」
「外です、中庭に」
「それをこっち来た時に言いなさいよっ」
 外へ駆け出す一行。
 その背後、柱の影に一人の姿が。
 黒い衣に身を纏い、大剣を背負った長髪の男性であった。
「・・・歴史は、繰り返す」
 男は、ユイたちの背中を見ていた。
「新たな審判者よ、そちらは頼みます」
 男は踵を返し、大邸宅の奥に消えていく。
「私には私の、彼らには彼らの道を。私はこちらの調査を続けます・・・」


「む、なんだこれは」
「モンスター?」
 中庭は、大量のゼリー状のひよこのようなモンスターであふれかえっていた。
「・・・ゼリッピ、リーフゼリッピ、ポイズンゼリッピ、ポイズンリーフゼリッピ・・・ゼリッピばかりが大量に・・・?」
 一匹のゼリッピがユイたちに気付く。
「ピィィィィィッ!」
 ゼリッピが鳴き声をあげると全てのゼリッピがこちらを向き、一斉に襲い掛かってきた。
「うげっ、こっち来るっ」
「・・・数が多いが仕方ない、全部蹴散らすぞ」
「クライブ、アレンをよろしくっ」
 呪文の詠唱を始めるメイ。
「任せておけっ」
 クライブはアレンを一歩下がらせ、自分は一歩前に出る。
「ファイヤーボールっ!!(※1)」
 メイのファイヤーボールが着弾し、ゼリッピ軍団の一角を崩す。
 そこをデュオが駆け抜ける。
「スピードアップ!(※2)」
 ユイのスピードアップを受け、さらに素早い動きでゼリッピたちを切り払っていくデュオ。
「・・・敵は弱いんだが、いかんせん数が多いな」
 敵陣の中で互いに背中合わせに立つメイとデュオ。
「あら、流石の戦士様も音を上げたのかな?」
 話しながらゼリッピを粉砕するメイ。
「いや。・・・せいっ!」
 周囲のゼリッピを一閃するデュオ。
「・・・面倒なだけだ」
 一方のユイ。
「・・・なんかあそこ盛り上がってるけどっ」
 ぼこっ、と手にした杖でゼリッピを殴打する。
「こっちもちょっとは手伝って欲しいなっ」
 ユイも一匹一匹、確実に敵を倒していった。
 数刻が過ぎ、半数が駆除されただろうか。
「あーもう、数が多すぎ!」
 愚痴をたれるメイ。
「大魔法でどかんと一掃、とかないのか」
「悪いけどそっちは管轄外、それに前に失敗してるし」
「・・・?」
「それより、あんたこそ一掃できる必殺技ないの?アバンストラッシュとか竜陣剣とか」
「何だそれは?」
「・・・無いのね」
「二人とも、下がって!」
 文句を言い合っていた二人に、ユイが叫ぶ。
「ん、姉さんが大魔法?」
「あいつは法術師じゃなかったのか」
「そのはずだけど」
「邪悪な気配が強くなってる!なにかくる!」
「何っ!?」
「うそっ」
 慌てて一時後退する二人。
 と、ふっ、と辺りが暗くなる。
「む、何だ?」
「上っ!」
 ユイが指差した先には・・・
 なにやら巨大な物体が浮いて・・・いや、降ってきた。
 ズゥゥゥゥゥゥン!!と大きな音と地響きをたて、それはさっきまでメイとデュオがいたところに落ちた。
「何、これ、金魚?」
 それは、巨大な金魚のような姿をしていた。
「・・・ッ!!あれは・・・、まさか、そんな!」
 その姿を確認したアレンがうろたえだす。
「・・・ありえない・・・嘘だろ・・・」
 クライブも同様だ。
「おい、二人とも、どうした」
「・・・あれは、ゼリーキング。かつて消えた英雄たちが倒したモンスターです」



※1 ファイアボール・・・火炎の球を発生させ、敵にぶつけて破裂される魔法。破裂によって複数の敵を纏めて攻撃することが可能。
※2 スピードアップ・・・風の力によって対象の移動速度を上昇させる補助魔法。


※第七話、お待たせしました。
 長さが云々言って結局同じ長さになってしまいました_| ̄|○
 いやね、どうしてもゼリーキング登場で終わらせたかったんですよ、ええ_| ̄|○
 何度調整してもこれ以上長くならなくて・・・だらだら長くするよりはこれでいいか、と_| ̄|○ill
 今回は初めてTWのモンスターを登場させてみました・・・といっても雑魚なんで特に苦もなくばさばさ倒されてますg
 例によって大邸宅の謎の人物と、大剣背負った男についてはノーコメントで(ぁ
 

第六話


#6 忌むべき訪問者


「・・・遅いな」
 振り下ろされる剣をかわすデュオ。
 すれ違いざまに騎士のわき腹に柄で一撃いれる。
「・・・一人」
 回避した隙を突こうと背後から斧で襲い掛かる騎士。
 後ろ向きのまま騎士の足を払い体勢が崩れたところへ柄で横に薙ぎ払う。
「・・・二人」
 薙ぎ払われ吹き飛ばされた騎士が、今まさに襲いかかろうとしていた別の騎士に直撃する。
「・・・三人」
 一瞬のうちに、三人の騎士はのびてしまった。
「・・・腹、減った」
 デュオは腰のバッグからパンを取り出し、頬張った。


「ブレス!(※1)」
 メイにブレスを施すユイ。
「サンキュ、姉さん!っとと」
 突き出される槍をかわすメイ。
「拳法使いなど、槍の射程では無意味よっ!」
 中距離を保つ騎士。
「確かにね。・・・でも忘れてない?私魔法使いなんだけど。・・・ファイアアロー!(※2)」
 炎の矢が騎士の頭上から一本降ってくる。
「くっ!」
 とっさに火矢をかわす騎士。
「魔法に気をとられすぎ、ね」
 一瞬の隙を突いて騎士との距離を詰めるメイ。
 その拳は炎を放っていた。
「な、しまっ・・・」
「せやぁっ!」
 騎士に正拳突きを放つ。命中と同時に騎士の体が炎に包まれそして火が消えた。
「死なない程度に火力抑えてるから大丈夫よ。まぁしばらく火傷で痛いと思うけどね」
 騎士は黒コゲになって倒れた。
「ほう、魔法と拳法の混合技か。魔法と剣というのはよく目にするがこれは珍しい」
 既に敵の殲滅を終えていたデュオが語りかける。
「ん、まぁね~ってあんた何食べてるのよ」
「ん?ただのパンだが、食うか?」
「仮にも戦闘中なんですけど」
「気にするな」
「するわよっ!・・・って、姉さん!」
 ブレスを貰っておきながら存在を忘れかけていたユイを思い出し、ユイが居る方向へ振り向く。
 ユイは弓をもった騎士と対峙していた。
 ぎりぎりと弓を引き絞り狙いを定める騎士。
「死ねっ!」
 シュッ!と矢が発射される。
「ニューマ!(※3)」
 ユイはニューマを唱えた。
 地面から光の柱が現れ、柱が矢を弾いた。
「何っ!?」
 騎士は何が起きたのかわからず呆然としていた。
「ホーリーライト!(※4)」
「ぐおっ!」
 ホーリーライトが直撃して体勢が揺らぐ。
「ええいっ!!」
 そして騎士の頭に力いっぱい杖を振り下ろした。
 ゴッ!と鈍い音がして騎士は伸びた。
「お疲れ様、姉さん」
「ふぅ・・・ありがとう」
 額の汗を拭うユイ。
 クライブたちも騎士を倒し、ユイたちと合流する。
「・・・仕方ないな、強行突破だ」
「それしかないみたいね」
 大邸宅の中へ入る一行。


 大邸宅の一室。
「・・・何者かが侵入してくるようだな」
「・・・まったく、門番の奴の役立たずめ。あとで雇い賃没収しておかないとな」
「・・・どうする。こっちに来るみたいだけど」
「迎え撃つ?あの程度の連中なら簡単だけど」
「いや、今出て行くのは後々面倒だ。・・・あれを使うか」
「あれは使い物になるかどうかわからんぞ?」
「・・・あれ程度にやられるようじゃ結局その程度の存在。『審判者』にはなりえない」
「審判者とは、滑稽な話だな」
「まあそう言わないで」
「じゃあ俺たちは退散しようか」
「了解。どこへ行く?」
「地下を通って研究所へ。そこからはまた考えよう」


「・・・大邸宅とは、久しいな。かれこれ三年ぐらいになるか・・・?」
 クライブがアレンに言う。
「そうですね。あの時は赤い射手やほおひげ団や町の子供たちや・・・そして英雄たちと・・・」
 表情を暗くするアレン。
「ん?英雄たちもここに?」
「ええ、もう随分と昔ですが。ここに住んでいたある貴族を捕まえに来た事があったんですよ」
「その貴族は?」
「死にました。誕生石の力で自らを魔物と化して」
「・・・誕生石、か。実在していたのか」
「知ってるの?デュオ」
「俺も人づてに噂で聞いたぐらいだが、選ばれし者には大いなる力と富が約束されるとか。ただし、選ばれし者以外が持つとその身を滅ぼすことになる、と」
「まぁ、そんなところですね。ここにいた貴族以外にも、誕生石の力で魔物と化した者たちが居てアクシピターやシャドウ&アッシュはそれらの討伐の任を出していました」
 一行は大邸宅の玄関前の広場へとやってきた。
「ここで、その戦いが行われました」
 かつては花が咲いて美しい庭園だったであろうそこも、今では荒れ果て過去の面影は残っていなかった。
「・・・なんだか、悲しい場所」
 ぽつりとユイが言う。
「・・・行こう、ここに居ても仕方がない」
 大邸宅の中へと入っていく。
「・・・おかしいな」
「・・・うん」
 周囲を気にしながらデュオとメイが言う。
「・・・何が?」
「門番のところに援軍が来ただろう。あの援軍の本隊がいない。邸宅内にも気配が感じられない」
「まさかたった6人の戦力とは考えられないしね。・・・考えられるとしたら」
「俺たちがここに来たことを察知して逃げた、もしくは場所を移したか、だな」
 大邸宅の玄関ロビーへとやってくる。
「さっすが大邸宅って名だけはあるね。広い広い」
「英雄に関してめぼしいものはないか別れて捜索しよう。一時間後に再びここに集合だ。門番の仲間が居ないとも限らない、単独行動は避けろ」
 そう言ってデュオは手近な部屋に消える。
「って、あんたは単独行動なんかい」
 メイが突っ込みをいれるもデュオはもういない。
「では我々は二階を調べます、お二人はあちらを」
「わかりました」
 一行は大邸宅の調査を開始した。


※1 ブレス・・・味方に祝福を与え、一時的に身体能力を向上させる補助魔法。基礎身体能力が大きい者ほどその恩恵は大きい。
※2 ファイアアロー・・・火属性の攻撃魔法。火の矢を発生させ対象を焼き尽くす。技量があがると一度に複数の矢を発生させることができるがその分練成に時間がかかる。
※3 ニューマ・・・ラグナロクオンラインに登場する魔法。アコライトが習得する防御魔法。地面から光の柱を発生させ、矢、銃などの遠距離攻撃を完全に遮断することができる。同じ遠距離攻撃でも魔法は防ぐことができない。
※4 ホーリーライト・・・ラグナロクオンラインに登場する魔法。アコライトが習得する唯一の攻撃魔法。対象に聖なる力をぶつける。威力はそれほどでもないが練成に時間がかからないため足止めとしても使える。


※お待たせしました、第六話です。
 ちょこっとチャプター10の話を被らせてみました。
 そして始めての戦闘シーン。デュオは戦士、ユイは法術師ということで改めて説明するまでもないと思います。
 メイですが、魔法使いと武闘家の混合、所謂『魔闘家』というやつです。魔法戦士が剣に魔法を宿らせるのに大してこっちは拳に宿らせます。
 手に炎宿らせるなんて手が燃えたりしないのか?とお思いでしょうがそれを克服する修行を積んだのが魔闘家、ということで(ぁ
 魔法戦士だって剣に炎宿らせて剣溶けたりしないのかt(ry
 クライブの戦闘シーンがはしょられてましたが手抜きじゃないです(ぁ
 こいつら完全に脇役として設定しているのであんまりユイやデュオたちより目立たせたくなかったためです。ただでさえユイ目立ってないのn(ぁ
 大邸宅にいた謎の人物については現段階ではノーコメントで(ぉ

第五話


#5 大邸宅

「・・・何であれ、一度調査してみる必要がありそうね、大邸宅」
「・・・お前の意見に賛成だ」
「私も行きましょう。門を守るアクシピターの騎士というのが気になります」
 頷きあう三人。
「えーっと、つまり」
 三人に割り込むユイ。
「大邸宅の調査にお二人がついてきてくださるということですか?」
「・・・姉さん、あとで説明するからちょっと黙ってて。話が進まなくなるから」
「・・・うー」
 恨めしそうな目でメイを見るユイ。
「じゃあどうする?早速行く?」
 そんなユイを無視して話を進めるメイ。
「そうだな」
「クライブ、護衛を頼めますか」
「任せてくれ。ノウェル、モズリ、お前たちも来い」
 手近に居た騎士に声をかけるクライブ。
「・・・ところであんた」
「・・・俺か?」
「名前とか教えて貰えないと呼びにくいんだけど」
「お互いにな」
「・・・私はメイ、でこっちが姉のユイ。世界を巡る冒険者ってとこかな」
「ユイ・・・だと・・・!?」
 驚いてユイを見る黒衣の男。ユイはぽけーっとした顔で「?」を浮かべている。
「ん、姉さんがどうかした?惚れた?やんないよ?」 
「あ、いや、なんでもない。人違いだ」
「・・・で、あんたは?」
「・・・俺もお前と同じようなものだな、世界を転々と旅している風来坊だ」
「名前は?」
「捨てた。名はない」
「・・・はぁ!?なにそれ!?」
「俺には名など必要ない」
「何カッコつけてるわけ!?今時そういうの流行んないよ!?頭おかしいんじゃない?姉さんに治療してもらう?」
「・・・おい、言い過ぎだ。流石の俺でも落ち込む」
「じゃあ今まで旅してきた先ではなんて呼ばれてたのよ?」
「・・・旅人さん、だ」
「・・・」
 頭を抱えるメイ。
「お前たちも好きに呼べばいい」
「じゃあいちごちゃん」
「・・・何?」
「ちょこちゃんとか、みるくちゃんってのも良いわね」
「待て、なんだその少女趣味な名前は」
「だって、好きに呼んで良いんでしょ?」
「・・・」
「・・・デュオさん」
「!?」
 再び二人に割り込むユイ。
 ぽかーんとした顔でユイを見るメイと男。
「・・・あれ、名前、考えてたんですよね・・・?あれ?違った・・・?」
「・・・いや、何でいきなりそんな名前がでてきたのかなぁ、と。っていうか姉さん話理解してたのね」
「あ、あはは・・・なんとなく思いつきで・・・ってさりげなく酷いこと言ってない、メイちゃん?」
「別に私はその名前でもいいけどね。いちごちゃんでもいいけど」
「いちごちゃんは勘弁してくれ」
「じゃあデュオで」
「勝手にしろ」
 デュオと名づけられた黒衣の男はユイを見る。
(・・・この女、何者だ・・・)
 相変わらずユイはぽけぽけと「?」を浮かべるだけだった。


 ユイ、メイ、アレン、クライブ他二名、そしてデュオは大邸宅前へとやってきた。
「ん、またあんたたちかよ。こっちは入れんと言っただろ?」
 大邸宅の門を守っている騎士はユイたちの姿を見つけるとシッシッと虫でも追い払うかのように手を振った。
「通りたきゃアクシピターのシュワルターの・・・」
「アクシピターのナルビク支部長代行のアレンです。ここの警護などという指令はだされていませんが?」
 アレンが門番に詰め寄る。
「そもそも、貴方がたはアクシピターの騎士ではありませんよね、見ない顔です」
「げっ、あ、あんたシュワルターの看病でずっと篭りっきりだったんじゃ・・・」
「事情が変わりまして。で、これはどういうことです?」
「・・・仕方ない、ここで消す!」
 突然手にしていた斧を振り上げ襲い掛かる門番。
「危ないっ!」
 ガキッ!
 クライブがアレンの前に割り込み、剣で斧を受け止める。
「下がってアレン!」
 アレンの後ろからメイが踊り出る。
「ハッ!」
 クライブの肩に手をかけ、そのまま跳躍、クライブと門番を飛び越えた。
 ストッと門番の背後に着地する。
「・・・ったく、状況が悪くなったらいきなり攻撃とか、あんた脳みそ筋肉?・・・せいっ!」
 門番の横っ腹に回し蹴りを叩き込む。
「げふぁっ」
 門番は蹴りによって吹き飛ばされ、ごろごろ地を転がり、デュオの前で止まった。
「・・・魔法使いだと思っていたら、まさか武闘家の修行も積んでいたとはな。恐れ入った」
「ふふん、見直した?」
「最初から見下しちゃいないがな」
 ドン!と足元に倒れている門番の顔の真横に武器を突き立てるデュオ。
「・・・さて、どういうことだ?説明して貰おうか?」
 門番に語りかけるデュオ。
「・・・断る」
「・・・そうか、仕方ない、ここで首を撥ねるか」
 棒のような武器の先端を包んでいた布を解くデュオ。先端には刀のような反り返った刃が鈍い光を放っていた。
「遥か東洋のアマツという国に伝わるナギナタという武器だ。大丈夫だ、苦しむ間も無く一瞬で撥ねてやる」
 ぐるん、とナギナタと呼ばれた武器を180度回転させ、刃の方を突き立てる。
「ひ、ひぃぃぃ・・・」
 ガクガクと震えだす門番。
「・・・どうだ、話す気になったか?」
「・・・断る」
「・・・そうか」
 ぴたぴたと刃で門番の顔を叩くデュオ。
「・・・なんだか、私たちが悪役みたいね・・・」
 様子を静観していたユイが言う。
「そこで何をしている!!」
 大邸宅の中から別の騎士が出てくる。
「・・・ちっ、援軍か」
「う、うわぁぁぁぁぁぁ」
 デュオの注意が援軍にそれた隙に起き上がって援軍と合流する門番。
「む、逃がしたか」
「・・・お前たち、ここで何をしている」
「アクシピターの騎士だ。任務により大邸宅を調査させていただく」
 クライブが一歩前に出る。
「・・・む、あれはアクシピターのクライブとアレンか。・・・なるほど」
「貴方たちは何者ですか。アクシピターの騎士ではないでしょう」
「いかにも、我々がアクシピターの騎士だということは真っ赤な嘘だ」
「・・・ここで何を?」
「それを知る必要はない。貴様ら全員ここで死んで貰う」
 各々の武器を構える、大邸宅から出てきた騎士たち。
「・・・全部で6人か。俺が4人やろう。クライブたちで一人、メイで一人」
「・・・えらく自信過剰じゃない?一人で4人?」
 拳を構えながらメイが言う。
「この程度の奴には負けんさ」
「あの、私は・・・?」
「ユイは法術師なのだろう?」
「私も戦えますっ」
「よかろう、一人預ける。メイと二人で二人殲滅だ」
「わかりましたっ」
 背中から杖をとりだすユイ。
「アレンは下がっててくれ」
 アレンを背後に促すクライブ。
「皆さん、お気をつけて・・・」
 クライブたちから距離をとるアレン。
「来るぞ!」
 

※ということで第五話です。
 今回で黒衣の男の名前が判明しました。っと言っても仮名状態ですが。
 因みに鎌を持ったモビルスーツ乗りや時間を止めるスタンド使いとは何の関係もありません、あしからず(ぁ
 アクシピター前にいたおっちゃんことクライブと、アレンの護衛に同行しているノウェル、モズリですがオリジナルキャラではありません。
 ルシアン、ボリス以外だと馴染みが薄いかも知れませんが(特にS&A側)彼らのライバル的位置にいるアクシピターの騎士です。
 貴族の生まれでルシアンをコケにしてた人です。
 なんだかやたらとユイの影が薄くなって、作中でもないがしろにされていますが一応主人公です、一応。
 このままだとメイに食われそうな気もしないでもないですが(ぁ

第四話


#4 シュワルター


「うわー・・・中はさらにひっどいわねぇ・・・」
 アクシピター内部に入ったユイとメイ。
 二人が目にしたのは外と同じような壁の落書き、散乱した調度品や書類、そしてごみ。
 とてもじゃないがこんなところに長くは居たくなかった。
「こんなとこで寝泊りしてるって、シュワルターって人はどんだけ引き篭もってるのよ・・・」
 呆れ顔で辺りを見渡しながら奥へと進むメイ。
 ユイは逆に一点だけを集中しながら奥へと進む。
(・・・微弱だけど、魔力を感じる。あっちから)
 二人は、ユイが魔力を感じるという場所、支部長室へと辿り着く。
「・・・ここね」
「うん」
「・・・早速、引き篭もりを引きずりだしますか」
 扉に手をかけるメイ。
(・・・扉にトラップの呪法がかけられてる、というわけでもないのね・・・じゃあどこから魔力が?)
 扉は開かれ、室内へと入る。
 室内は、綺麗だった。他の部屋や外とは違い、ここだけは手入れされているのか生活感が残されていた。
 部屋の奥に、ベッドがある。ベッドは大きく膨らんでおり、中で人が横たわっていることがわかる。
 そしてそのベッドの横に、まるで病人を看病している人かのように座っている若い男性がいる。
 男性は二人に気付くと立ち上がり、目線をこちらに向けた。
「・・・あなた方は・・・?アクシピターの騎士ではないようですが・・・?」
「あ、私たちはシュワルター支部長に・・・」
「あんたがシュワルター?」
「いえ、私はアレンと申します。アクシピターの・・・まぁ、受付みたいなもんです」
 アレンと名乗った男性は軽く会釈をし、ベッドに視線を落とす。
「こちらが、シュワルター支部長です」
 ベッドの中には、やせ細った初老の男性が眠っていた。
 以前は凛々しかったのであろうその顔つきも、痩せこけて今では見る影もない。
「もう随分とこの状態のままです。食事すら殆ど手をつけていません」
「ティチエルという人がいなくなってからと聞きましたが・・・?」
「ティチエルだけではありません。ルシアン、ボリス、ミラ。英雄たちの内四人はシュワルター様が直々に面倒を見ておられたのです。・・・アクシピターの騎士は全員息子のようなものだ」
「・・・?」
「シュワルター様が口癖のように言っていた言葉です。ティチエルたちや多くの騎士たちを失い、シュワルター様の心はもう・・・」
「それは違うな」
 突如響く男の声。
「シュワルターは諦めちゃいない、何もな」
 現れたのは黒衣の男。
「お前を探していた」
 そしてユイを見る。
「え・・・私・・・ですか?」
「お前の『解呪』の力を貸してほしい」
「あー、ちょっとちょっと、突込みどころ満載」
 メイが黒衣の男に突っかかる。
「なんでこんなとこにあんたがいるのか、シュワルターの事知ってるような素振りだけどどういうことか、姉さんの力を何故知ってるのか。句読点含む400字以内で説明しなさい」
「俺は消えた英雄の謎を追っている。そこでここを調査していた。シュワルターのことに関してはすぐにわかる。この子の力だが、この子が発している魔力を感じれば自ずと分かる」
「・・・昨日も昨日だけど、あんた相当の手練の戦士ね。魔法師ならともかく、普通の戦士に相手の魔力を感じてましてや分析することなんてできないもの」
「手練かどうかは分からんが相応の修練は積んでいる。・・・で、力を貸してくれるのか、くれないのか」
「内容によるわ」
 ユイを完全に無視して話を進めるメイ。
 相変わらずユイは状況についていけずおろおろしている。
「簡単なことだ。この部屋を包んでいる結界を解いてほしい」
「っ!」
 表情を硬くするアレン。
「・・・あ、そうか、結界・・・さっきから感じてた魔力はこれかぁ」
 うんうん、とひとり納得するユイ。
「・・・結界なんて張ってあったのね・・・」
「メイちゃんよく気がつくけど魔法だけは疎いからね~」
「うるさいなっ。・・・で、何の結界?」
「幻覚」
「・・・なるほど」
「早速、結界を解呪しますね」
「よろしく頼む」
 ユイは部屋をぐるっと一周した後、中央で跪いて祈りを捧げた。
 と、ユイの体が白く光りだし、光が部屋を包み込む。
 数秒だろうか数分だろうか、長いようで短くもあった輝きがおさまった。
「・・・解呪、完了です」
 ユイが立ち上がる。
 部屋の中は先ほどとはうってかわって、外と同じ荒れ果てた姿になった。
 アレンはそのままの姿で部屋にいるが、ベッドで眠っていたはずのシュワルターも、ベッドそのものの姿さえもなかった。
「・・・シュワルターは塞ぎこんでなんていなかった。英雄たちが消えたあとに行方不明になったからな」
「・・・」
 目線をそらすアレン。
「行方不明?」
「厳密に言うと違うが、シュワルターは英雄たちが消えた原因について何か知っていたらしい。そして、英雄たちの後を追ってそれきり、というわけだ」
「・・・」
「だがそのままではシュワルターまで行方不明となってしまい、アクシピターとしては非常に立場が不味い。そこで結界を張り、シュワルターは療養ということにした。・・・結局、アクシピターは崩壊してしまったが」
「・・・私では、アクシピターを支えきれませんでした」
 結界を解かれてから口を閉ざしていたアレンが口を開く。
「やはりシュワルター様でないと・・・皆どんどんここから離れて・・・」
「・・・それは違いますよ」
「・・・?」
 ユイが優しくアレンに語りかける。
「外に居る人たちを知っていますか?皆、アクシピターが元に戻るのを信じています」
「・・・知っています。でも、私には・・・」
「・・・やろうぜ、アレン。俺たちで、アクシピターを立て直そう」
 黒衣の男の背後から別の男が現れる。
 ・・・入り口でユイとメイに話し掛けてきた男だ。
「あれ、おじさん、なんでここに?」
「この人に連れてこられたんだ。・・・お陰で真相がわかった」
 男の後ろからどやどやと人が流れてくる。
 そして全員が跪く。
「クライブ以下、アクシピター騎士団帰還致しました。これより任務に復帰致します」
「・・・皆さん」
 騎士たちを一望するアレン。
「新生アクシピターの任務です。このアクシピターを元の状態に戻しましょう」
「了解っ!!」
 ザッ!と騎士たちが敬礼をし、解散した。
「・・・皆さんのお陰でアクシピターが蘇りそうです。・・・なんとお礼を言えばいいやら・・・」
「いえ、私たちは何も・・・」
「忙しいところ早速ですまないが、いいか?」
「あ、はい、なんでしょう」
 黒衣の男がアレンに言う。
「大邸宅を調査したい。通行の許可を頂きたい」
「・・・あれ、あんたも大邸宅?」
「・・・お前たちもか?」
「うん、消えた英雄の調査をしようと思って」
「・・・許可と言いましても、あそこは以前はある貴族が住んでいましたが、今では無人の廃墟です。管理する人もおらず荒れ放題でうち捨てられています。アクシピターの管轄ではありませんのでうちで許可を出す必要もありませんよ?」
「・・・おかしいな」
「あれ、じゃあ入り口にいた騎士は?」
「誰です?それ」
「アクシピターの騎士が入り口の門を守っている。シュワルター支部長の許可がないと通さないと言っていた」
「うん、私たちも同じ」
「・・・おかしいですね、我々で大邸宅を管理していたことはありませんし、だいいち今までアクシピターはこんな状態だったので隊員に任務を与えている余裕などないのですが・・・」
「・・・妙だな」
「・・・妙ね」
 相変わらず、ユイはひとり置き去りをくっておろおろしていた。


※第四話をお届けしました。
 今回は前回のメイに続いてユイのあほさ能力についてちょこっと触れてみました。
 ユイの能力は『解呪』でしたが、様々な呪いや結界、障壁なんかを解くことができます。
 使用者の技量によって解呪できる種類が違いますが、ユイは世界でも屈指と言われるほどの解呪の達人です。
 でも、本人はそのことに気付いていません。あほですかr(ぁ
 洞察力が優れているメイですが、魔法に関しては疎いです。魔法を使うことは得意なのですが、魔法の論理的なことになると(ry
 トラップがかけられているかもしれない扉を敢えてメイに開けさせる、というシーンがありました。

 もしかしたらユイは腹黒いのかもしれませn(ぁ