いもうとデイズ ①～②
田中ユキ
売れないホスト･悠太(28)の前にある日突然現れた少女｡
彼女は悠太の父が再婚したフィリピン人女性の連れ子･ディアナ(10)だった｡
父は単身赴任､母は事故で入院という事情が重なり悠太が保護者としてディアナを預かることになったのだが．．
-オニサン､ダイスキデス♪-
かくして始まった兄妹の共同生活｡
気ままな一人暮らしに突然転がり込んできた18歳も年下の少女に悠太は手を焼くばかり｡
しかし環境の変化に苦しむのは悠太だけではなかった｡
世代どころか言葉や文化の距離を手探りで縮めようと奮闘する二人｡
暗く孤独な少年時代を過ごした悠太は少しずつ"家族の温もり"を実感する｡
『突然､血の繋がらない妹ができた』
なんてのはオタク狙いの定番､もう古いくらいだがこの作品はそんな嫌らしさを感じずに純粋にハートフルコメディーとして楽しめる｡
見る物聞く物ほとんどが初体験で､それにストレートな反応を見せる純真無垢なディアナに心が和む｡
小学校に通い始めたディアナとクラスメイトとの悲喜こもごもなドタバタや､ＰＴＡや町内の子供会に参加せざるを得なくなった悠太と他の子の親達との交流も見所の一つ｡
コメディーとして一話の中でちゃんと伏線を張って回収する手際の良さが安心して読める｡
親子として､兄妹としてこの先二人がどう成長するのかとても楽しみな作品｡
