サタデー☆コミックレビュー  『人斬り龍馬』 | 妄 想 ニ ラ イ カ ナ イ

妄 想 ニ ラ イ カ ナ イ

30代ダメヲタのエレキテルな日々

リイド社 SPコミックス
『人斬り龍馬』   石川 雅之
妄 想 ニ ラ イ カ ナ イ-090418_071603.jpg
『もやしもん』の石川雅之が描く、ギャグ一切無しのシリアス時代漫画短篇集。

『人斬り龍馬』
幕末、攘夷志士たちを次々と捕殺しその名を馳せる新撰組。
しかしその活躍の裏で、次々と新撰組隊士が闇討ちされる事件が起こっていた。
局長・近藤勇は外部にはこれを「隊内での粛清」と隠し、下手人を追う。

『二本松少年隊』
戌辰戦争時、非業の死を遂げた白虎隊と時を同じくして結成され、倒幕軍の会津進攻を阻止する為に出陣した二本松少年隊。
自らの意思で月代を剃り、仮元服して戦いに身を投じた少年・才次郎は大人達の戦いの中で何を見るのか。

『とどかぬ刃』
公儀より不穏分子暗殺の任を受け、屍の山を築く通称・"人斬り五兵衛"。
普段は町人として暮らす五兵衛はある商家の娘と恋に落ち、血に塗れた裏世界から抜け出ようとするのだが..

『神の棲む山』
「龍神狩り」で賑わう村に流れ着いた放浪の男。
死に場所を求める男は龍神が棲むという山に向かうが、そこに現れた美しい女剣士と刃を交えることに..

どれも珠玉の作品ばかりだが、個人的に好きなのは
『二本松少年隊』。
最近は"歴女"なるカテゴリーが生まれるくらいの歴史・武将ブームだが、輝かしい名を残す武将達の存在は結局、血の流れる殺し合いをベースにして成り立っている。

そう、昔は同じ日本人同士で戦争をし、血を流していた。
そしていつの時代も若く、弱い者達から死んでいく。

そんな血と埃に塗れた悲哀の中で大人達は子供に何ができるのか。
子供達はそれに何を見るのか。

何度読み返しても目頭が熱くなる。