選んだコースを間違えられた話。





やはりタイマッサージへの衝動は突然湧き上がるものであり、妙な使命感に駆られて仕事終わりにどこへ行こうか思案していると、ふとある店が頭をよぎる。

以前から気になっており、あるブロガーさんよりオススメいただいたにも関わらず、中々足を運べていなかった店だ。 

出勤情報を確認すると、目当ての嬢は勤務しているようだった。


電話をすると男性に応対され面食らう。

ただ受け答えは低姿勢であったので、そこまで身構える必要はないと思う。

(後々嬢に訊くとオーナーだった)


何時頃から入れるか尋ねると、すぐにでも入れるとの返答があったので、念のため嬢の出勤を確認後、30分弱で到着する旨を伝える。


店は神田駅西口よりほど近い雑居ビルの3Fにあるものの、メインの通りからは少し外れている。

入口も狭い為、人目を気にする方でもタイミングを見計らえば入りやすいだろう。

ただし1、2階に中華料理屋があるので、ウキウキしながら階段を上っている姿を客に見られる可能性がないとも言えないのでご注意いただきたい。


チャイムを鳴らすと先ほどの電話の相手だったであろうオーナーに出迎えをされる。

威圧感はなく、物腰も柔らかい。

玄関は広くもないが、清潔感があり、お香の匂いもそこまで強くない。

奥に続く通路の左右と突き当たりに3部屋あり、すぐ玄関のすぐ右手に手洗いがあった。


左手の個室に案内され、施術台に座ってコースの説明をされる。

タイ古式コース、アロマオイルorパウダーコース、リラックスコースの3種類で、当店は初めてかの問いの後、複合型のリラックスマッサージを薦められる。

以前にもブログに綴ったが、私は最初から込みのコースは好きではない。

嬢との談合を楽しむタイプだ。

HPを見た旨を伝えると、1,000円割引がきいた。


タイ古式マッサージ 90分 

9,000円-割引1,000円=8,000円


嬢を待っているように言われ、手持ち無沙汰になりながら周りを見回す。

自分の乏しいタイマッサージ歴からすると、部屋はかなり広い部類で、シャワー室も備え付けである。


そもそもタイマッサージは部屋の作りやスペースの関係もあるが、嬢の安全を確保するために施術場所はカーテンで仕切られていることが多いように思う。

広くはないが、個室である時点で、カーテン部屋にはない居心地の良さを感じた。


若干の緊張感と高揚感の中、少し経つと嬢が入室してきた。

マスクをしているせいもあるだろうが、HPやTwitterの写真とそこまで相違はない。

主目的であるπも立派なモノをお持ちであり、谷間が主張された薄手の服装だ。

肉付きも熟女のむっちり感があっていい。

日本語は日常会話レベルは話せるようで、コミュニケーションには問題ないだろう。


お茶を飲むか聞かれた後、シャワー室へ誘導され、衣服を全部脱ぐよう指示される。

すっぽんぽんになると、タイマッサージでよく見る画である、バスタオルで見ないフリをされる。

さすがにその年だと初々しさは感じないぞと言いたくなったが、やめておいた。


シャワー室は広くはないが、汚くはないし、洗体用のタオルも常備されている。

(なんとなくタオルは使わなかったが)

無意識に股間を念入りに洗っていることに気付き、小っ恥ずかしくなってシャワー室から出る。

用意された冷たいお茶を飲んだ後、施術台にうつ伏せになるよう指示される。




…………!!

予期せぬ感触が足の裏をにゅるりと包みこむ。


これは間違いなくオイル…

明らかに選んだコースと違う内容…


嬢に伝えるべきか否か…

いや、もしかしたらこの店のタイマッサージはオイルを使うのかもしれない。


自分1人だけが悶々としながら、タイ古式という名のオイルマッサージが始まった。





後半に続く。