文庫になっていたので購入した。
薄い!
2時間で読了。
でも!
内容がとても濃いです。
私は今まで芥川賞作品に手を出したことは殆どないのです。
私にはちょっと何だか敷居が高いと言うか、読みこなす自信みたいなものがなくて(笑)
「本屋さん大賞」や「直木賞」は読んでも「芥川賞」まではなかなか手が出ない感じ。
でも、この「コンビニ人間」は読みたいと思っていた。
そして、実は読みたいとは思いながらもそこまで期待はしていなかった。
もしかしたら私には理解できないかも…芥川賞だし…と思っていた。
でも、本当に読んで良かった。
この本の主人公は、多分「発達障害」とかなのかなぁ…そういうことは何も書かれていないけど、とにかく、感じ方や感情や行動全部が、いわゆる「普通」ではない。
で、じゃあ「普通」って何?という本。
最近は「普通」という言葉を使ってはいけないと言われる。
みんなそれぞれ。
個性を大切に。
「普通」なんてない。
それでもやっぱり、この本の冒頭に出てくる「死んだ小鳥を見て、食べようと思う、美味しそうと思う」のは普通ではないと、普通は思う(笑)
でも、今は6.5%は発達障害の子どもがいると言われる世の中。
そして、だんだんとその認知度は高くなってきた。
昔は「ちょっと変わった人」とか「空気が読めない変なヤツ」と思われてた人に名前がついた。
原因が分かってきた。
原因が分かれば、それは「変」ではない。
原因が分かれば理解ができる。
理解ができれば、こちらも付き合い方を工夫できる。
それは、目の不自由な人や足が不自由な人に接するのと同じ。
相手の立場になって考える。
障害を抱えてる人たちが、生きづらくないように、障害を取り除いてあげることがバリアフリー。
私が普通であなたが変。
そういう考え方しかできない人たちこそが「変」と言える世の中になるといいね。
そういうことが押し付けがましくなく書かれている。
とりあえず、本を滅多に読まない方にもお勧めです。
さらっとすぐに読み終わります。
そして内容がとても濃いです。