46冊目 手のひらの砂漠 | アラフィフですが

アラフィフですが

常に見た目年齢マイナス5歳を目標としています(笑)
本が好きです。
37歳で夫を亡くし.50歳で乳がんが見つかりました。
でも、これから夢も希望も楽しみもたくさんあります。

相手がどんな人か分かって結婚するつもり。

相手の性格を知った上で結婚したはず。

そうなんだけどね。
そうなんだけど。

DVのように極端ではなくても、
「こんな性格だったんだ…」とか
「そんな人だとは思わなかった」とかいう場面は普通にあると思う。

それは変わろうとした訳でもないし、本人も無意識の場合もある。

人間って、基本的に人生がうまくいっている時、要するに幸せな時は良い人。

何かが思い通りにならなくなった時、人が変わる。

夫と付き合っている6年間…というか、母親になる以前、私は人を怒鳴ったことなどなかった。

なのに、母親の私はイライラすると子供たちを怒鳴った。
怒鳴っている自分が嫌で、そんなに怒鳴ることはないとも頭では分かってもいた。
だけど「子供が悪い!」としか思えなかった。

それはまるでこの本に出てくるDV夫と同じ。

「俺を怒らせるお前が悪い」というDV夫と同じ。

自分で怒鳴りながら、自分の言葉を聞きながら、これはなんなんだ?と思った。

答えは、私や私の弟を怒鳴っている母。
幼い頃、繰り返し聞いた怒鳴り声を私が発していた。

…「虐待の連鎖」はあると言う。

それはしたくてするのではない。
そうなってしまうのだ。
自分がされたように。

だから「もう2度としない」と謝るのも本心なのだと思う。

だけど、自分を変えることはできない。

逃げても逃げ切れない恐怖。
誰かに助けてもらうどころか、自分の大切なひとまで巻き添えにしてしまう恐怖。
命まで危険にさらされる恐怖。

やっぱり相手に対して同情は無用。

この本の主人公はこの後幸せになれたのだろうか。
また誰かを愛せたのだろうか。