父さん9回目にして気付いたことがある。
ちょいちょいついてくる助手、ベテラン風の助手。
この人の作業は確かなのかもしれんが、悪い意味で大胆。
バキュームで吸う場所は的確だけど、けっこうガーって突っ込んでくるし、前回の型取りの熱っついのジューするときも乱暴にジュジュジューってやるから痛みが増した感あるし。
もう少し慎重にお願いします。
今回も「父さーん」って呼びにきたのはその助手さん。
前回取った型の土台を入れるのが今回の治療ってわけよ。
仮の詰めもんを外し、再び剥き出しになる神経。
ビクビクしながらひたすらされるがままに口を開け続ける。
仕上がった土台を歯の穴に詰めると
「ん?」
ん?
ん?っつったよな今。ん?っつったろ。
大丈夫か?
もっかい入れ直して接着すると、小声で「よし。」っつって、調整のために土台を削り始めた。よしなんだな。大丈夫なんだよな。
最初は助手が大胆にバキュームしてたんだけど、途中から先生が右手にドリル左手にバキュームを持って一人でやり出した。
ガリガリー
ゴー
ほう。
やるじゃない先生。
と思ったのも束の間、ドリルに集中するとバキュームが疎かになる。
削ってるときの水が父さんにシャワーの如く降り注ぐ。
「(全然吸えてねえよ先生)」
あれ?俺顔洗ってんだっけ?っつうくらい降り注ぐ。
口から溢れ出る水が首をつたう。
先生…
俺もうビショビショなんですけど。
「(助手どこ行った。この人一人じゃ無理っぽいよ。)」
さっきやるじゃないって画像まで貼ったけど、ちっともやれてねえや。一人じゃ無理だろこれ。
「はい、口ゆすいでください。」
いや、口ゆすぐ前にタオルもらえませんかね?
ゆすいだら鉄の味がした。
※血は出てない
そのあとまた助手がついて削り、土台は完了した。どこ行ってたんだよ助手。
「では予定通りなんで、次回は被せの型を取って隣の虫歯の治療をします。麻酔してね。」
はあ、、、
また麻酔か、、、
診察室出て、歯ァ見る前にペーパータオルで顔拭いたわ。