クリニックを開設して一か月半が経過致しました。

 スタッフ総入れ替えで慣れないことばかりであたふたしており、受診していただいた方々にはご迷惑をおかけしておりますが、ご理解・ご協力誠にありがとうございます。

 

 今月より訪問診療を開始致しました。

 

 訪問診療は、クリニックへの通院が困難な方に、私達医師や看護師がご自宅や施設に伺って診療をさせていただくものです。

 訪問診療と聞くと、ガン末期の方や重症疾患の方を想定される方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

 脳梗塞の後遺症などで外来通院が困難な方、ご高齢のために外来通院が困難な方、認知症があり、外来通院が困難な方々も訪問診療の対象となります。

 

 訪問診療は原則としては、2週間に一度、一か月に2回の定期訪問を行います。

 

 ご自宅なのか・施設なのか、同一建物内に伺う患者さんがお一人か複数かでもご負担額は変わります。

 

 ご自宅でお一人の場合、自己負担額は

 保険の御負担額が1割の方で6700円~8000円程度。

         2割の方で1,4000円~1,8000円程度

         3割の方で20,000円~30,000円となります。

 

 施設入所の方や同一建物内に契約される方が複数になる場合には、お一人当たりの負担額はそれよりも低額となります。

 

 自己負担額もそうですが、保険カバー分も考慮すると訪問診療は外来診療に比べて割高です。そのため外来受診が可能な方は外来通院を。様々な理由で外来通院が困難な方のみが訪問診療の対象となります。

 

 訪問診療は外来診療と異なり、24時間・365日連絡がとれる体制となりますので(常に私達に連絡がとれる電話番号をお知らせ致します)、休日・夜間でもご対応が可能となります。

 熱が出たり、体調が悪い時には、上記の月2回程度の定期訪問に加えて、必要に応じて随時往診に伺います。この際は往診料等が別途必要となります。その際はこちらが無理やりに往診に伺うことはなく、必要性・ご希望を考慮の上、往診を行うかどうかを判断致します。

 これまでに経験したことのない強い頭痛や、胸の痛みなど、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞等、往診に伺うよりも一刻も早く救急体制の整った病院の受診が望ましいと判断される場合もございます。

 その際は、往診を行わずに直接電話にて救急病院への受診依頼、診療情報提供書の準備をさせていただくことも可能です。

 

 当院は湘南鎌倉総合病院と医療連携を行っておりますが、緊急の患者さんが多すぎて先方の受け入れ対応が困難な場合もあります。その際は他の医療機関に受け入れを打診致しますが、複数の搬送先の受け入れが困難な場合には、診療情報提供書を作成の上、救急隊にその旨を伝え、搬送先を探していただきます。

 開業前は訪問診療専門の医療機関で働いてまいりましたが、コロナ禍では搬送先がなかなか見つからないケースも多々経験致しました。最終的にどこの医療機関も受けれ入れていただけなかったというケースもございましたが、仮にそのようなケースの場合でも、在宅や施設で行える医療行為(脱水に対する点滴や、抗生剤の投与)で対応させていただきます。少なくとも電話を受けただけで、救急要請やその後の対応を一切行わずに患者さんあるいはご家族まかせということはございませんのでご安心下さい。

 

 外来との両立のため、初診の方への往診は考えておりませんが、普段訪問診療の契約をされていない方でも、当院かかりつけの方の場合は、必要に応じて随時往診に伺うことも可能です(ただし、外来の診察状況等により、対応困難な場合もございます。また訪問診療と異なり、24時間365日体制ではなく診療時間内での対応となります)。

 

 訪問診療は、原則として半径16km圏内となっておりますが、こちらも外来と両立させるために当クリニックでは半径5km程度を診療圏として想定しております。

 

 クリニックを継続させるためには売り上げも大切ですが、私としては地域貢献を第一に考えております。長時間は困難ですが、電話でのちょっとした健康相談等は特に金額は発生致しません。メールアドレスにご連絡いただいても結構です。ご興味やご質問がございましたら、いつでもお気軽にご連絡いただけると幸いです。

 

 また訪問診療開始に伴い、鎌倉の交通事情では、午後の診療までにクリニックに戻れない場合も予想されます。外来・訪問診療の両立が私の目標なので、試行錯誤しながらベストの体制を築ければと考えておりますが、診察開始にお時間がかかる場合にはご理解・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 普段ご理解・ご協力いただいているからこそ、ご自身が体調不良の際には私達の方でしっかり対応させていただけるとお考えいただけると幸いです。

 

      由比ガ浜総合診療クリニック 院長 橋本清利