公開年:2012年
上映時間:95分
総監督:庵野秀明
出演(声):緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃 他
食わず嫌いしていたエヴァもいよいよ『Q』鑑賞へ。
★3.8
『エヴァ序』『エヴァ破』もキツかったけど、それに輪をかけてキツかったシンジの鬱展開。
『エヴァ破』から14年後の世界が描かれるというね、僕たちを置いてけぼりにする展開にパニックを起こしたけど、そんなことよりシンジの扱いの酷さよ。
シンジの綾波レイ救出劇がトリガーとなってサードインパクトが起きた→多くの人間が犠牲になった→シンジが悪い…という流れ。
エヴァに登場する大人たち(NERV)にはずっと失望というか胸糞悪さを感じていたけど、本作『エヴァQ』でも相変わらずの胸糞悪さ。
大人たちがシンジを対使徒との最前線に送り込んだくせに、シンジはヤベェってことでシンジに首輪(爆弾?)を付けさせて幽閉するってどういうことよ。
綾波レイ救出劇が結果としてサードインパクトのトリガーにはなったのは事実であるにせよ、すべての責任を負わせるのはどうなんだろうか。部下がやらかしちゃったのなら上司が責任取りなさいよって。
ホント一貫してるんですよね、大人たちのやり口が。承認欲求や自己肯定感の低さなどの弱みに付け込みつつ自分たちの勝手な都合で強引にシンジをエヴァに乗せて、思い通りの結果にならないとシンジのせいにする。
世の中の縮図じゃん!とか思ったり。僕が若かったらそこまでミサトさんたちに嫌悪感を抱かなかったと思うんだけど、僕、もうおじさんなのでね。こういう大人の狡猾さを嫌というほど見てきてるのでね。シンジの扱いの酷さは見ていてキツいっす。
で、そんなシンジに追い討ちをかけるのが、エヴァ初号機とお母さんと綾波レイの関係性ですよ。ゾクっとしました。
エヴァ初号機が暴走しがちな理由(=息子シンジとのシンクロが深すぎるため、ということかな?)はわかったけど、どうなんでしょう。
シンジのお母さんユイはそもそも精神をやられていたんじゃないかと思ったりします。そうじゃないと自らがエヴァの制御システムになろうとは思わないでしょ。
で、そんなエヴァ初号機にシンジを乗せる父。常軌を逸してるでしょ。っていうかホラー。
何だか碇一家のせいで世界が脅かされている状況に見えなくもない。いったい何なのよ、人類補完計画って。魂の浄化って。
いろんな固有名詞(アダムスだのリリスだのリリンだの、だの…)が出てきて理解するのは難しいけど、『TENET』的な何だかわからないけど面白いという魅力があって、そして根底にある大人のエゴの気持ち悪い描き方は好みなので、本作『エヴァQ』も良かったです。
新型コロナの影響で『シン・エヴァンゲリオン』の公開が残念ながら延期になってしまいましたが、どんな結末を迎えるのか、どんな鬱展開を見せてくれるのか、非常に楽しみです。
これほどまでにハッピーエンドが想像できない作品も珍しいかと。有終の美を、いや、有終の鬱を飾って欲しいところです。
おしまい。
