演JOY♪ヴォイス&アクターズ道場 佐藤祐一のブログ
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地続きの未来

ヴォイス&アクターズ道場には複数のキャスティング提携先から
毎週、様々な芸能案件が来ます。
情報公開は平等に分け隔てなく行い、その都度出演希望者を募っています。
ボイスサンプル選考、書類選考だけにしても案件ごとに必ず選考はあるのですから
レッスン歴が短くても 出演希望者は可能な限り誰でもエントリー出来るようにしています。
 
5月10日から6月4日の約1ヶ月の間に来た芸能案件は下記でした(カッコ内日付は告知日)。
TV-CM声優 2件(5月10日、31日)
TVーCM出演 5件(5月10日、14日、18日、20日、6月4日)
舞台公演 2件(5月13日、6月4日)
TVドラマ出演 1件(5月24日)
ビデオ作品 1件(5月28日)
映画出演 1件(5月31日)
TV番組声優 1件(6月3日)
TV番組出演 1件(6月3日)
 
声優俳優なら誰でも出演したいような案件はやっぱり選考も狭き門となります。
上記芸能案件中、この1ヶ月で道場からプロの現場に出演したのは
のべで14名でした。
毎月必ずこのくらいの人数をプロの現場に送り出せているわけではありません、
これはヴォイス&アクターズ道場としては良い方の数字です(選考中の案件もあるので6月17日現在で)。
各案件ごとにプロの真剣勝負。現場で演技をする手前に必ず選考があるのですから。
 
選考に洩れてガッカリする道場メンバーを見るのは辛いです。いつになってもこちらも慣れません。
でも見方を変えれば、例えば今月だと、
ボイスサンプル選考を通過してオーディションに呼ばれ、
周りは全てプロで活躍活動中の声優ばかりの中で演技してきたメンバーがいました。
昨年7月に道場でのレッスンを始めたメンバーです。
 
結果は残念で本人も悔しがっていましたが、現実を角度を変えて見れば、
今まで観る側だった人が、その観ていた画面の声を担当していた面々と
同じオーディションで肩を並べて演技の板の上に載ったんです。
一年前の自分に教えてあげることが出来るなら、きっと大いに励みになる展開だと私は思います。
結果的に仕事に結び付かなかったのは私も残念だけど、
プロの俳優や声優の現場に出ていくのは何も月や火星に行くような途方もないことではなく、
毎日毎週、東京の、それも主に山手線の円の中の狭い土地の中で
今日も大勢のプロたちがしのぎを削っている、その世界に、
自分もいつでも(選考さえ通れば)飛び込んで戦うことが出来る。
それを実感出来ただけでも挑戦した甲斐が大いにあったのだと感じます。
 
夢は今自分が立っているところから地続きで繋がり続いている世界だと、分かってほしいです。
 
 

都合いい時だけ離見の見の薦め

本当はこんなことしたくない。とか
言わなくてもいいこと言っちゃった。とか
普段の生活で100%自分の感情に没頭するわけでなく
程度の差こそあれ その瞬間一番の感情と
それをセーブしようとするもう一人の自分が共存していることは
日常生活でよくあると思います。
 
人生で誰もが取り入れている(というか元々存在している)感覚なので、
人間を描く「演技」という作業中にもそれは取り入れて当然。
寧ろそうしなければ一面的で単純な人物像になりがちです。
私がレッスン中使う言い方で言うと「ハンドルの遊び」。
カッチカチに表現を固めるのではなくて、どこか何でもアリのスペースを残しておく。
だからと言って瞬間瞬間の一番の感情はちゃんとそこにあって、
でも同時に共演者の表現に影響もされていて
台本という共通の設計図を壊すようなことはしない正確さもある。
 
それが私が感じる 素敵な演技中の状態です。
簡単なことではないけれど、誰かに思いを伝えたい時、
その人が素敵に見えている場合、本人は自覚していなくても
部分的でもそれが実現出来た瞬間が必ずある気がします。
 
真面目に演技に取り組んでいる人で、演技中、外的なことを気にしたり
頭の中で台本を確認したり、場合によっては役の置かれている状況とは
無関係の邪念に気を取られる自分を許せず、許せない自分を受け入れられなくて
より集中を欠いてしまう人は多いです。
演じながら反省してしまう状態。
 
私自身若い頃はその傾向が強く、脳内で自分で自分にダメ出ししながら演じてしまって、
そんな自分が嫌で、でもどうしたら良いのか分からなくて
騙し絵の いつの間にか元の高さに戻っているらせん階段のように
グルグル出口のないところを回り続けているような日々がありました。
 
特に、受けている演技レッスンが大人数だったり、
講師が「自分で考えろ。質問はしないで。」というタイプだったり、
えこ贔屓やバランスを欠いたカリキュラムでなかなか演技のチャンスが回ってこなかったりすると、
やっと来た実演の機会になんとか高まった自分を見せたくて、
でもそれには不可欠な「自分で自分のコントロールの仕方」をそもそも教わってないので分からなくて、
分からない。結果演技が自爆して凹む。
その繰り返しでした(つづきます)。

初見対策の実際

道場の演技レッスンにもフォーマットはあります。
目的に応じて臨機応変に崩す為のフォーマットですが、
舞台や映像の、いわゆる顔出し演技の実習も
アニメや外画のアフレコ演技を中心として音声ブース実習でも、
各課題の初日は台本はその場渡し。
初見に強くなってほしいからです。
 
オーディションではその場渡しで演技しなければならないことがほとんどですし、
実際の仕事の現場でも、ロケ現場で撮影台本に追加があったり、
スタジオに入ってから台本を渡されることは珍しくありません。
私自身、30分番組のナレーションの台本が現場渡しで、
しかも台本を渡されてから10分後には本番収録がスタートしていたことも何度もあります。
当然だけど、出来上がった番組のオンエア場面下部に
「この日の台本は当日渡しでした。だから今日のナレーションはぎこちないのです。」
なんてテロップは流してくれません。
下手だったら演技者の責任になります。
 
初見に強くなってほしい。
各課題の初回はもちろんですが、
リクエストに応じて、抜き打ちでも初見対策講座は頻繁に行っています。
道場には毎週各プロダクションから芸能案件が持ち込まれるのですが、
そのオーディション課題はその場にならないと分からなくても、
例えばゆるキャラの声優案件だったら、オーディション前に
こういう台本に慣れておいたら良いのでは、
キャラクターの声優案件の台詞の傾向と対策、
どうしてこういう言葉選びの台詞を言わされることが多いのか、
オーディショナーの何を見たくて聞きたくて、こういう課題にしているのかの分析・・・
 
理論ではなく体感重視で
まずは自由に演技してもらい、貴方が逆の立場だったらどんな演技を見たいか、
をとっかかりに、解説を挟みながら具体的に演技のここをこう変えてみよう、をやっていきます。
通常レッスンはもちろんですが、オーディションや本番を控えたメンバーは
自主申告制で補講レッスンも無料で受け放題にしてあるので、
急なオーディションにも対応出来ます。
音声ブースでマイク慣れしながら
完全暗転が利くアトリエで舞台照明を浴びながら
慣れるまで演技することで度胸を付けてほしい。
 
緊張しながらも自分の心の柔らかい部分を
ふわりと声に乗せて観客に届けるのが理想です。
疑似体験を沢山しながら「自分の出し方」を会得してほしいです。

 

CMを観ながら

道場メンバーの出演TV-CMがオンエアされています。
毎日のように放送画面を観る度、
そのメンバーが、演技が全くの未経験の状態で、
稽古場に見学に来た日のことを思い出しています。
 
メール申し込みで実技付きの見学(無料体験レッスン)に参加。
道場のレッスンは常時見学可能で「この日でなければ」ではないので、希望日に対応。
あの日の見学者は彼一人でした。
ネットでいろいろ探したけれど
一般的な俳優・声優養成所では年齢制限を設けているところも多く、
年齢を理由に受講出来ないところも多かったのと
そもそも見学禁止のところも多かったそうです。
 
今でも、見学者を集めて何人かで見学者用体験レッスンを開催。
入ってみたら、その時の講師のレッスンはないケースをよく聞きます。
実際にどんな講師のどんなレッスンを通常レッスンとして開催しているのか。
自分が受けることになるレッスンそのものを見たいと思う気持ちはよく理解出来ます。
そうあるべきです。
 
無料体験レッスン時間内に、体験参加者に演技をしてもらい、
その場で私がその方が聞いて、有益に感じるアドバイスをどれだけ言えるか、
私の講師力を判断してもらう時間も必ず作っています。
 
題材は希望がなければ台詞、ナレーション原稿、アフレコ台本などやりたい種類を聞き、
その種類でいくつか用意した中からテキストを選んでもらいます。
こちらが手馴れた題材で演技させると、それをその場の初見で演じなければならない見学者より
こちらの方が遥かに優位になってしまうからです。
なので出来れば見学者自身が持参したもの、
それもかつて舞台で演じて演出家からの言葉を沢山受け取った思い出のある台本など、
その台本での自分の演技に誰かから何か言われたことのある題材の方が良いです。
 
その時云われた言葉と、それをその場で渡された私が演技を拝見して言える言葉の質感の違い、
中身のないことを言っていないか、印象や感想だけの言葉になっていないか
体験参加者の方が題材に馴染み経験がある分、チェックしやすいからです。
 
実際、体験者の中には同じ題材持参でかつて他所でアドバイスを求めた時、そこでは
「なんか雰囲気があるね。」、
「どこかが違うな。」、
「もっとテンション上げて。」、
「気持ちを入れて。」など
ザックリ漠然としたことしか言われなかったという声をよく聞きます。
 
やる気があってわざわざ無料体験に来ているのだから、
テンション上げて気持ちの入った演技を当人はしたいはず。
それがそうならないのには理由があって、解決策が必ずあります。
数学ではないので答えは一つではないし、道筋も沢山あります。
アイディアには合う合わないがあって、限られた無料体験の時間内で
必ず有益な情報だけをお土産にお渡し出来るとは限らないけれど、
具体的な代替案をその場ですぐ言えるかどうかは
その講師の力量を見るには大切なポイントだと思います(つづきます)。

 

 

雪だるまの作り方

道場のレッスンは見学歓迎です。しっかり見て判断してほしいです。
全くの演技未経験からレッスンを始めた方の2ヶ月目、4ヶ月目といった状態も
特に良く見せようと盛ることはせず、そのままをお見せします。
「この台本がこの方が生まれて初めて台詞というものを覚えたホンです。」、
「この方はアフレコ実習、これが5回目です。」等そのご当人を前に
本当を説明しても、それだけしか経験の無い人には見えないと
信じてもらえないことも多く、その驚きの表情に出会うのが
見学者をお招きする喜びの一つでもあります。
 
感情表現、熱の篭もった演技・・・そんなこと
自分には出来るわけない絶対無理と見学の方から繰り返し、云われることも多いです。
 
どうやって感情的な台詞の応酬が出来るようになっていくのか。
 
蚊に刺されてイラッとしたことある人なら狂気の殺人鬼役は演じられる。
昔云われたことがあります。
不意に湧き起こった感情の道筋をゆっくりと思い出し、
その取っ掛かりのきっかけのキーワードが今の自分にも作用するように
小さな心のつぶやきを少しずつ大きくしていく作業。
大きくすること自体が目的になってしまって実感が飛んでしまったら
持ち重りのする小ささに戻して、もう一回少しずつ大きくしていく・・・
雪だるまを作る作業に似ています。
雪のようにそこにあるのに実態は掴みにくいものを相手に
まずはそっと掬い上げて手に収まる固まりを形作る。
それを段々と大きくしていくのと同じです。
 
特に新しいアイディアや発明ではありません。
実際にプロとして活動している方々が頻繁に活用している手順です。
ただ、台本の要求に応えられて、かつ自分で自分の心にチョンッ♪と刺激を与えて
感情の吐露に繋げられるその道すがらは各自微妙に違ったり、傾向が大きく異なったりします。
そこはマニュアル通りに進行の大味なレッスンでは対応しきれない・・・
私が少人数レッスンにこだわる最大の理由です。
そして何テイクも繰り返せて何度もアイディアを試して沢山失敗出来る。
それが長時間レッスンしたい最大の理由です。
 
自分で自分にスイッチを入れる方法を持つ。
それは簡単なテクニックではありませんが、
丁寧に段階を踏んでいけば必ずモノに出来ます。
一回の見学でその蓄積全てを見せることは物理的に不可能ですが、
未経験だったメンバーがまだ何回目のレッスンで今こういう状態なのかを
正確に盛らずに見せることでそれを感じてもらえたらと思っています。
 
誰でもはじめは初心者です。
人前で演技するなんて恥ずかしくて当然だし、怖くて当たり前です。

 

 

 

だから離れられないんだ

大滝秀治さんが1997年1月の六本木俳優座劇場での公演時書かれた文章に
再び触れる機会がありました。
私はその時の公演を観ていて、その後の再演も観劇しています。
熱演は今も目に焼きついていますが、約二十年が経って、
自分自身の環境も変わり、特に俳優・声優を目指す方の悩みと毎週向き合っている現在、
特に響くものがあります。なぜ自分は演技表現の世界に居続けたいのか。
 
踏み出せない方、放り出された方、充分なチャンスが与えられなかった方、
きっかけがあってもいざとなるともう一人の自分が「駄目だ駄目だ。」と引き戻してしまう方・・・
この春もいろいろな悩みを抱えた方と話す機会があり、
あの日の自分、あの時の私自身の悩みそのものだと感じ入る時間が多かったです。
 
二十年前の私には今ほど響かなかったように、今はピンと来てもらえなくても、
私自身が今改めてこの文章を読んで、膝を打って強く共感しているように、
いつか肝に沁みて励まされる時があったら嬉しいです。
 
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大滝秀治
 
役者に向かない声だ、河馬が喋ったらこんな声だ、等と云われても
別に居直りもせず、落ち込みもせず役者をやっていたのは
無神経なわけではなく、役者が好きだったからでしょう。
役者の魅力とは何だろうと別に考えてもなかったのに
木下順二「巨匠」でその台詞に出会いました。
この台詞を熱弁してマクベスの一節を朗誦し、ゲシュタポに銃殺されるのです。
舞台が終わると楽屋でコップ酒を呑み、命は今日でもういいやと満足しながら家に帰りました。
 
「どういう状況の中でも常に生き続けて滅びることのない演劇の魔力。
雑草の中から不意に見事な花を咲かせてくれるあの魔力。
今は報われないどんな俳優でも、その力を一度は身に沁みて感じた瞬間があるから
俳優であり続けるんだ。
そしてその瞬間が自分の生涯に再び訪れることを期待しているんだ。
いや、信じているんだ。だから芝居から離れられないんだ。」
木下順二・作「巨匠」より
1997年1月六本木俳優座劇場

俳優・声優養成所の春

俳優・声優養成所の多くは卒業のシーズンです。
大人数の流れ作業的レッスンや具体的な指導が薄く、
講師が感想を述べるだけ、講師によっては演技について質問してきた受講者に
「演技なんて自分で何とかするもんだよ。」と平然と言い放ったようなエピソードも
相変わらず多く聞きます。
 
「演技レッスンってこれっぽっちしか演技させてもらえないんだ。」
「具体的な技術は教えてもらえないんだ。」
「何か違うよ、しか云われないけどどうしたらいいの?」
そんな感想しか持てないレッスンしか受けてこなければ、はっきり言って上手くならなくても当然です。
料理の作り方を具体的に教えない料理教室なんて有り得ません。
きちんと教わる機会のないまま、一つの養成所の一部の人間の評価・裁定だけで
自分は向いてなんだ、俳優・声優にはなれないんだと洗脳のように刷り込まれてあきらめてしまう・・・
それは本当に残念なことだと思います。
 
私自身で言えば、俳優・声優養成所卒業時、所属には残れませんでした。
どうしてもプロになりたくて、一生演技の世界でやっていきたくて
打ち込んだ養成所生活でしたから目の前が真っ暗になりました。
その後針の穴に糸を通すようなチャンスに食らい付いて、所属ではない立場で
探して探してたまに巡ってくるチャンスを数回に一度なんとか取って、
一回一回で少しずつ信用されるようになり、その間何度も自分の演技の下手さに自己嫌悪に陥りながら
とにかく練習して少しずつ改善していき、所属になりました。
 
「シンデレラは君だ!」〇〇オーディションというような
華々しいデビューの仕方ではありません。
寧ろとっても地味。でも実際、長い期間プロとして芸能活動している方のほとんどが
派手なエピソードに包まれたシンデレラ・ストーリーではなく、
こうした地道な精進と活動が実を結んで、「演技職人」として信用を得ていって
仕事を任されて現在に至っています。
 
地味というと夢がないと誤解されそうですが、私は逆だと思います。
一発チャンスのオーディション、それもきちんと訓練を受けないまま臨まされた
養成所ビジネスの枠組みの中の産業としてのオーディションよりも
余程現実的で、やり直しが利く分幅も広がり実質的な業界への入っていき方です。
少なくとも私にはこちらの方が向いていたと、その時々はただ夢中でしたが今ははっきりそう感じます。
 
一つの養成所で残れなかったとしてもそれは一つの養成所の、それも一部の人間の判断に過ぎません。
それも実力だけでの判断ではない場合が多く、そもそも可能性が見える見えないほどの訓練を受けていないケースも多いです。
一握りの人間の心無い言葉や裁定で傷つき投げ遣りになり、
自分の夢を見失ってしまうのは勿体無い。
大手俳優・声優養成所を唯一の業界への道と考えるのであれば(実際はそんなことないのですが)
私は敗者復活戦チャレンジ組です。
私の知る演技職人たちのほとんどがそうです。
敗者復活戦は何度でも挑戦出来ます。
 

 

本番に送り出して

今日は道場メンバーの二人が撮影の本番に行っています。
 
一人は消防士役を演じている真っ最中です。
彼が無料体験レッスンに初めて稽古場を訪れた時、
なかなか演技を始めるきっかけを掴めず、いつの間にか時間が経ってしまい、
時間が経つと余計にきっかけが掴めなくなって・・・と話していたことを思い出します。
 
養成所によっては年齢制限を設けているところもあり、
私自身レッスンを受けたくても年齢を理由に断られたこともあります。
・・・・・そんなのナンセンスだと思います。自分を変えたい気持ちに年齢制限設定は不要です。
マニュアル通りの進行だったり、短時間で大人数を流れ作業的に見るレッスンだと
効率を良くする為そうするしかないのかなとも感じますが。
一人ひとりに時間をかけて粘るレッスンをすることで生まれるものは必ずあると感じています。
 
どんな年齢でも、どんなキャラクターでも必ず適役があるのが俳優・声優の強みです。
もちろん実際に出演するには「ある程度演技が上手いこと。」が必須条件にはなります。
どこでスタッフと話しをしても必ずその話しになります。
 
現在、ヴォイス&アクターズ道場では高校生から62歳の方までが毎週演技をたっぷり楽しんでいますが、
特にシニア・クラスとかジュニア・コースなど分けてはいません。
年齢の違う方が台本という「約束事」を頼りに、勢い良く台詞の応酬を繰り返す。
その中から生まれる素敵な瞬間が沢山あるし、それを体感してほしいからです。
化学反応が生まれます。
 
人間、同性の同年代の人の感情表現の嘘には敏感です。
若い女の子は若い女の子の嘘泣きや作り笑いには厳しいです。
それは動物的本能の一つで、生きていく為に無意識に選択していることです。
演技レッスンで言えば、同年代どうしの演技合戦は何が起きているか比較的理解しやすい。
違う環境の方と組むことで演技の多様性、感情表現の段階の違いなどに目が行きやすくなります。
 
現役でプロとして活躍している表現者と全くの初心者も同じレッスンに参加しています。
それが初心者にとってプラスになることは勿論ですが、当初懸念していた
「それだとプロの俳優・声優の方がレッスン時間を持て余すのでは?遣り甲斐を感じないのでは?」は杞憂でした。
プロ同士の組合わせで練った演技場面に初心者が入るとどうして演技印象が変わるのか。
その中で台本上何が起こっているかを提示するにはどう対処したら良いのか。
生まれた効果を、相手役を経験者に戻しても活用出来るか。それが段取り臭くならないか等々・・・
化学変化を楽しむ実験のようなレッスン展開は、4時間半集中して演じてもらってもいつも時間切れになる感覚で、
汲んでも汲んでも尽きない泉を覗き込んでいるようです。
 
年齢や経験不足(誰でも最初は初心者なのに!)の刷り込みをいつの間にかマイ・ルールにしてしまって、
自分が芸能案件の本番に出演することなど、他の惑星に飛んで行くかのような「途方もないこと」だと思っていた道場メンバーが
今日も実際に撮影現場で演技のオーダーに応えている。
嬉しいです。
私自身、今日は15:30入りでロケです。
今日の現場で感じ吸収したことを、明日からのレッスンやワークショップに反映させていきたいです。
 
 
ヴォイス&アクターズ道場「無料体験レッスンについて」

 

 
 

 

3×5無限大

演技レッスンで起こることは全てのケースがレアケース。
同じ台詞で同じように噛んだとしても理由や気を付け方はそれぞれ違います。
それをいつも忘れないよう肝に銘じています。
 
「滑舌悪いよ。」しか言わないレッスンなんて感想を言うだけのレッスン費泥棒。
じゃあそれを改善する為に何をどうしたら良いのか、
代替案としての具体案を「言葉のお土産」として持ち帰ってもらう時間を毎回心がけています。
 
それぞれにとっての課題と対策は違っても、毎週のレッスンで伝えていることの根っこはシンプルです。
演技表現は何で出来ているのか。
何を目安にウチで自主練すれば良いのか。
 
ヴォイス&アクターズ道場の場合、週30時間のレッスンを自由選択で選び放題ですが、
それだって、日常生活の1週間の中では稽古場にいない時間の方が長いです。
その間をどうやって過ごすか。私自身が移動の電車内などちょっとした時間でやっている方法も沢山伝えています。
間違って自主練してしまうと、ドンドンそっちのクセが強くなってしまう。
セルフ・チェックの仕方を知っていれば、それを避けやすくなります。
 
見学にいらした方にも惜しみなくドンドン伝えています。
方法論そのものは至ってシンプルだけど、それを自分の習慣にし引き出しにするには
一定期間の練習は当然必要になるからです。
バレエの体験レッスンで「足1番」しかやらせない教室などないでしょう。
1番から5番まで、初心者の体験でも教えるはずです。
そして足1番から足5番までは、何十年バレエを踊り続けている方でも毎回必ずやるのを習慣にしているはずです。
 
意識の3つの変化と声の5つの変化の要素。
これらの組み合わせで感情表現は出来ていて、演技者だけでなく、
コミュニケーション能力をアップさせたい方はこれの練習をするとプラスになる、
それが私の考え方です。
練習してみると実感しますが、実は普段無意識で誰もがやっていることです。
それでいいんです。
演技って
「普段無意識でやっていることを意図的に台本の指定に沿って自然に提示すること。」
なのですから。
 
3×5の組み合わせで私たちの「思わず」や「分かってほしい」は出来ていて、
組み合わせから出て来るものは深く、無限大です。
3と5を意識することから、「こんな自分を人前で出せるようになりたい」が実現していきます。
 
 
ヴォイス&アクターズ道場「無料体験レッスンについて」

プロのなり方

昨日のレッスン時、昨年からプロダクション所属で活動を始めた道場メンバーから
撮影した番組のオンエア情報を聞き、改めて嬉しかったです。
 
ヴォイス&アクターズ道場からはプロダクション所属のプロとして活動していく道がいくつかあり、
その主なやり方として、レッスンを受けている道場メンバーが
キャスティング提携しているプロダクションからほぼ毎週提示される芸能案件、
撮影や舞台の仕事に実際に出演。
その演技ぶりをプロダクション側に見てもらい、
また道場メンバー側にもそのプロダクションの雰囲気や内情を知ってもらい、
何件か仕事をしてもらった上で、改めて道場メンバーとプロダクション側が面談。
道場メンバーの希望と合致すれば所属となり活動していっています。
 
じっくり時間をかけた「お見合い」と言うと実情が伝わりやすいと思います。
「新人タレント〇〇オーディション」とか「〇〇シンデレラ・デビュー」などの
派手なイベントやお祭り企画に比べると、見た目大変地味だし、
各個人の希望やペースに合わせて進行していくのでパッと出ではなく時間もかかるけれど、
逆に言えば一発勝負ではなくジワジワ作戦。
現場で失敗したとしても必ず次のチャンスを用意出来るし、
オーディションや本番どうしたら良いか分からない人には
納得いくまで補講レッスン等でサポート出来るこのシステム、
私は気に入っています。
 
一見派手に見える芸能の世界は、実は地道に腕を磨く職人たちが働く技術職の世界で、
派手な企画オーディションで優勝、華々しくタレント活動をスタートさせる人は実は極々々々一部。
実際には上記のように「お試し」の中から徐々に演技を仕事とする手応えを掴み、
知られ、認められてプロとして認知されていくケースが一番多いです。
 
でもオーディション会場、ましてや本番の現場に入って、
その時点での実力を存分に発揮出来る人はまれでしょう。
チャンスだけ与えて、後は勝手に這い上がれる者だけを淘汰していく大手事務所もありますが、
チャンス対応策として希望者には好きなだけ通常レッスンだけでなく補講レッスンでもサポート出来たら・・・。
少人数制で専用稽古場と専用音声ブースがあればこそ出来ることを
地道に、熱くしっかりやっていきたいです。
 
 
ヴォイス&アクターズ道場
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