臨床心理士&公認心理師の

中村友一(なかむらゆういち)です。

いつもお読みいただきありがとうございます。
 
 
 
 
 
 

子育ての相談を受けていると、よくこんな質問をいただきます。

 

「ほめて育てたほうがいいですか?」

 

「叱らないとダメになりますか?」

 

一見すると大事なテーマのように見えますが、実はこの二択の発想そのものが、子どもの成長を狭めてしまうことがあります。

 

なぜかというと——ほめるも叱るも、どちらも“外からの評価”だからです。

 

ほめられればうれしい。

 

叱られればしょんぼりする。

 

それ自体は自然なことですが、これが続くと子どもは、

 

  • 「正解を教えてほしい」

 
  • 「どうすればほめられるの?」

 
  • 「怒られないようにしなきゃ」

 

と、他人の顔色で行動を決めるクセがついてしまいます。

 

これでは、せっかくの成長の芽が、外側の評価に振り回されてしまうのです。

 

 

 

 

■ ほめても叱っても、実は“同じ落とし穴”がある

 

心理学の研究では、ほめる・叱るという行為はどちらも「外発的動機づけ(外からの刺激で動く)」を強めると言われています。

 

つまり、

 

  • ほめられないとやる気が出ない

 
  • 叱られないと動けない

 
  • 自分の価値を他人の評価で決めてしまう

 

という状態になりやすいのです。

 

これが続くと、大人になってからも

 

  • 指示待ち

 
  • 承認欲求の強さ

 
  • 失敗を極端に恐れる

 
  • SNSの「いいね」で気持ちが上下する

 

といった悩みにつながりやすくなります。

 

だからこそ、「ほめるか?叱るか?」という二択から一度離れてみることが大切なのです。

 

 

■ 大事なのは「自分で自分を褒められる子」に育てること

 

では、どうすればいいのか。

 

答えはとてもシンプルです。

 

子どもが“自分の成長を自分で認められるように”サポートする。

 

たとえば、子どもが何かを達成したとき。

 

「すごいね!」とすぐに言うのではなく、まずはこう聞いてみてください。

 

「今、やってみてどうだった?」

 

すると多くの子は、

 

「やった!と思った!」

 

「できた!って感じ!」

 

と、自分の内側の感情を言葉にしてくれます。

 

そのときに、

 

「そうだよね!『やった!』って思うよね!」

 

「自分で“できた!”って思えたんだね」

 

と共感してあげましょう。

 

これを繰り返すことで、子どもは少しずつ “自分で自分を褒める習慣”を身につけていくことができます。

 

これは心理学でいう自己強化(self-reinforcement)の力。

 

一度身につくと、子どもは自分でモチベーションを燃やし続けられるようになります。

 

 

■ 「育てる」から「育つ」へ。親の役割は“伴走者”になること

 

子どもは、本来“自分で育つ力”を持っています。

 

大人がするべきことは、その力を奪うことではなく、そっと支えること。

 

ほめすぎても、叱りすぎても、子どもは「外の声」に頼りすぎてしまいます。

 

だからこそ、いかに早く「育てる・育てられる」から「育つ」へ切り替えられるかが大切なのです。

 

そのために今日からできることを、いくつか紹介します。

 

 

■ 今日からできる“自分で育つ子”の育て方

 

  • 子どもが何かできたら、まず「やってみてどうだった?」と聞く

 
  • 「やった!」という気持ちを一緒に味わう

 
  • 能力ではなく“工夫や努力”に注目する

 
  • 叱りたくなる時に「次どうしようか?」と未来に視点を向ける

 
  • 親自身も「今日の私、よく頑張ったな」と自分を褒める姿を見せる

 

どれも難しいことではありません。

 

でも、続けると子どもは確実に変わります。

 

 

■ 最後に:子どもは“ほめ言葉”より“自分の実感”で育つ

 

ほめる・叱るという二択に迷う必要はありません。

 

子どもが自分の成長を「自分で感じられる」ようになれば、自然と前に進んでいきます。

 

あなたの子育てが、「評価で動く子」ではなく「自分で育つ子」を育てる時間になりますように。

 

 

 

 

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