ヴェルディ《 ファルスタッフ 》 < METライブビューイング2022-23 >
2013年版と同じく 16世紀から20世紀へと舞台を移したロバート・カーセン の演出。この演出を歌舞伎座上映で楽しんだのはもう10年も前になるのか。その後、2018年には違う演出を新国立劇場の生舞台でも楽しんでいて、今回が3回目の《 ファルスタッフ 》だ。
この ヴェルディ最後のオペラは、最高に愉快な喜劇であり、アンサンブル・オペラの傑作です。 アンサンブル・オペラ と言えば モーツアルトに尽きると思っていましたが、この作品のアンサンブルも凄いです。それも オーケストラを巻き込んでの壮大なアンサンブルなんです。中でも フィナーレの 登場人物全員によるアンサンブルが聴きどころ。 「 この世は全て冗談!」 という ファルスタッフの人を小馬鹿にしたような軽薄な言葉が次々に受け継がれ、その言葉の意味とは裏腹に 実に壮大なフーガとなって劇場を包み込む場面には 唯 陶然として聴き入るのみです。
多くの名作悲劇オペラを生み出したヴェルディが、78歳で書いた最後のオペラが極上の喜劇だったとは驚きです。




