MET 『 トスカ 』@エミテラス



主役クラスの3人が皆死んでしまうという極付の悲劇であるにもかかわらず、ラストで涙することがないのは何故だろう。それは、ヒロインだけが死ぬ椿姫やボエームと違って、男女両方ともが死に、それに先立って敵役までも死んでしまうという、なんとも救いようのない圧倒的な絶望感が支配するからではないだろうか。( ロメジュリ は泣けるけど )


それにしても、タイトルロールのリーゼ・ダーヴィドセンは、私がこれまでに聴いたすべてのトスカ役と比べても決して劣らぬ素晴らしい歌唱を聴かせた。これにもう少し演技力が加われば私の涙腺は決壊したかもしれない。


1幕  デ・デウム の合唱の素晴らしさ、2幕 手に汗握る緊迫感の中で歌われるトスカのアリアの美しさ、3幕 銃殺刑を前にして歌われるカラヴァドッシ 涙のアリア、、、等々、見どころ満載だ。