おはようございます、こんにちは、こんばんは。
yui-yuiです!(๑˃̵ᴗ˂̵)و
先日、アニメ映画、『映画大好きポンポさん』という映画を見ました。
いやぁぁぁぁぁ!!!すんげぇ良かったぁ!
٩(ˊᗜˋ*)و
これを書くまでにもう10回は見てるよ!w
やぁね、わたしこれテレビCMしてた頃から見たかったのよ。
でもさ、独りで映画館行くのもアレだし、DVDレンタル出るまで待ってたのね、セコい話。
まぁリアタイで見たところで、誰とこの映画の話を語り合えるわけでもないし、という諸々あって後回しにしていました。
でも見たかったのよ!( ・ㅂ・)و ̑̑
なので、やっと見たw
わたしは、映画好きではない、といいますか、映画を論じることができるほどに映画を見てきた訳ではありません。
なので、見たものの感想を書くことは好きですから、それしかしませんw
映画にリアリティを求める方は多いでしょう。
先日感想を書いた『前田建設ファンタジー営業部』もそうですが、映画にはフィクションがあって当然。
その作品の中でのリアリティを求めるならば、大いに結構なのですが、現実のわたし達の生活のリアリティにあてがって、リアルじゃないからダメみたいなのは、好きじゃありません。
それこそ映画なんか見てないで街にでも繰り出してくださいや、って思っちゃいますね。
今回も当然、ネタバレは含みますので、これから先は、映画大好きぽんぽさんを見たい、と思っている方は読まないようにお願い致しますね。
( ・ㅂ・)و ̑̑
(๑˃̵ᴗ˂̵)و
( >▽<)و ̑̑
٩(ˊᗜˋ*)و
(゚Д゚;)
(;゚д゚)
(´・ω・`)
(´・ω・`;)
このお話は、ハリウッドを模した架空の街、『ニャリウッド』での映画製作のお話です。
表題にあるポンポさんは、メインキャラではあるものの、主役ではありません。
映画プロデューサーであるポンポさんのアシスタント、ジーン・フィニ君が主人公ですね。
原作漫画もあるようですが、映画では、わたしはそう感じました。
なんでしょうね。原作者さんや監督さんは、相当な映画好きなのでしょう。
日本のアニメ映画でも、いわゆるサクセスストーリーだからなのか、洋画を彷彿とさせるシチュエーションや台詞回しがあるなぁ、と感じました。
映画大好きポンポさん。メインキャラは、三人。
ジーン・フィニ君。
ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネットさん。
映画が大好きなジーン君は、ポンポさんのアシスタント。でも自分に自信がなくて、少々卑屈。
でも映画に対する情熱はとても強い。
いわゆる、他の人が引くくらいの映画ばか。でも、だからこその、才能を秘めています。
ナタリーちゃんは子供の頃から女優になりたくって、田舎町から単身、ニャリウッドに出てきた女の子。
いくつかアルバイトを掛け持って、生活費とレッスン費をギリギリで捻出しています。
素の可愛さがあって、純朴で純真無垢で健気でがんばりやさん。
一人で都会に出て来て、悪い奴にダマされないで本当に良かった(´・ω・`;)
ポンポさんは映画プロデューサー。それもかなり敏腕。見た目は身長130センチにも及ばないような女児ですが、立派な成人。
……かと思いきや、違った、学生でした(゚Д゚;)
でも映画の中でその説明はありませんし、見た目が幼いことに誰も、何も振れないので、見た目にほぼ意味はないです!
(゚Д゚;)
祖父に超有名映画プロデューサー、ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼンさんを持ち、彼からの英才教育と、コネクション、そしてペーターゼンフィルムのすべてを受け継ぎ、ポンポさん本人の才能の高さも相まって、ジーン君曰く、『銀幕の申し子』。
三人の才能ある若者が物語の中心となって、映画創りをして行くお話です。
ポンポさんは財力もあって、才能もあって、センスもあって、発言力も、審美眼もあります。
ジーン君は、卑屈ながら、そのポンポさんが気に掛けるほどの才能を秘めています。
ナタリーちゃんにも、その存在だけで、ポンポさんに一本の映画の脚本を書かせてしまうほどの秘められた輝きがあります。
三人とも、とても魅力的に描かれています。
映画全体の演出もとても素敵で効果的でした。特に”時間”の扱い方がとても上手でした。
まずね、ポンポさん。実年齢や見た目もさることながら、こんな存在、いる訳がない。
アニメ映画を嫌う人は、そこに否定的になることもあるかもしれませんね。
ジーン君もナタリーちゃんも、ポンポさんがいなかったら、その才能を開花させることはなかったかもしれない。
リアルの世界では、そうして才能を開花できずにいる若者がたくさんいると思います。
でもこの映画には、ポンポさんがいて、ポンポさんは、ジーン君の才能も、ナタリーちゃんの才能も見抜いて、そして開花させます。
映画のスタッフや、他の監督、役者さんもみんな優しくて、みんながみんなを認め合っています。
実はまぁ、わたしもビデオ業界でアシスタントディレクター、いわゆるADというお仕事をしていたことがあります。
ビデオ業界は、映画業界とも、テレビ業界とも、別の世界です。
この映画のように、どんなに一生懸命でも、新人さんに優しいスタッフなんて殆どいませんでした。
年の近い、若い先輩は、比較的軟化な態度ではありましたが、いわゆるベテラン域に達する様な人たちは、その世界しか知らない視野の狭い人間で、人間的老成など欠片もしておらず、ベテランで偉い、と顔に書かれている人しかいませんでした。
そんなベテランに馬鹿にされて、コケにされて、人権もなくて、本当にクソみたいな職場でした。
監督にも、俺の天ぷらのエビのしっぽ食えよ、とか言って食わせといて、ホントに食いやがったってげらげら笑う、信じられないほどのごみ野郎がいました。
忘れねぇからなぁ!成瀬ぇ!
お前が、結婚なんてただでセックスできるからしたんだよ、とかヘラヘラ言ってたのも覚えてっからなぁ!どぶ野郎が!
……げふんげふんw
実際にわたしが働いていた映像業界が、リアルなのかもしれません。
別物だとは言いましたが、映画業界でも、テレビ業界でも、恐らくはADという立場や扱いは変わらないと思いますしね。
でも、最初にも書きましたが、現実と違うから、こんなものはダメだ、なんてわたしは思いません。
作中にもありますが、映画って夢や希望、俗っぽく言えば、ドキドキ、ワクワクを与えてくれるものです。
映画に限らず、創作作品はみんなそうだと思いたい。
中には、以前書いた、原作ありきの実写映画化のような、金稼ぎだけの映画もあるでしょうけれど、でも、それだけじゃない、と思いたいんですよね。
だから、この物語に夢を感じました。希望を感じました。ドキドキ、ワクワクしました。
ジーン君やナタリーちゃんのように、真剣に、真面目に、決死の覚悟で夢に向かって歩み続ける人たち。
そんな人たちほど馬鹿を見る世界なんて、絶対に嫌です。
映画大好きポンポさんは、ソコのリアリティはありません。
でも、なくていい。
創作に対する姿勢、憧れ、そんなものがとてもリスペクトされていたと、わたしは感じました。
所々で、心に刺さる印象的なシーンがあって、最近涙腺やばいババァは、何度も泣いたよw
泣きっぱなしの感動映画じゃないからね、言っとくけどw
わたし自身が、どうした!?(;゚д゚)って思うくらいのシーンで泣いちゃうのよw
差し当って三人のダイジェスト的な部分を。
まずはジーン君。
彼は、いつか自分で映画を撮りたいという夢を持ってはいたけれど、誰にも言えませんでした。
でも、ポンポさんやポンポさんのお爺さん、ペーターゼンさんはそこを見抜き、更にポンポさんは自分の秘めたる希望のためにも、ジーン君に期待を寄せます。
そこで物語冒頭で撮影していた、コルベット監督のB級映画、MARINEの十五秒CMの編集をさせます。
そこでコルベット監督も納得させるものを創り上げたジーン君にポンポさんは確信します。
ナタリーちゃんを見て、当て書きをしたシナリオの主役に、世界一の俳優と言われる、マーティン・ブラドックさんに依頼をかけます。
そして、ポンポさんが呼んだそのナタリーちゃんを見た途端、ジーン君に電気が走ります!
「ぉああああああ!リリーだ!リリーですぅ、この人ぉ!」
頼んだわよ、ジーン監督!
とポンポさんに言われた直後の表情ですw
そうしてジーン君は、監督としての道を歩み始めます。
次にナタリーちゃん。
ナタリーちゃんは、その時のオーディションでポンポさんに「地味!失格ぅ!」と一刀両断ばらりずん。
ちなみにこの表情は、ミスティアさんが冒頭とエンドロールでもやっていらっしゃいますw
ナタリーちゃんはオーディション三十連敗、バイトは週に七日(休みなし)、レッスンは二週間に一度ほどしか通えず、ゴハンもやすいものしか食べられず、ポンポさんのオーディションに落ちた日、アルバイトからの帰り道でしょぼくれて、泣きそうになってしまいます。
でも、ぐぐぐ、っと空を見上げ、涙をこらえ
「夢を捨てるためにここまで来たんじゃない、夢をかなえるためにここに来たんだもん!」
と自らを鼓舞します。とても立派です。感動です。
ババァは泣きました。
もう最近のババァ涙腺ヤバイでな、さっきも書いたけど、この映画ね、ちょいちょい細かく泣けるのよ。
何故かって?あ、興味ない?……だと思ったw
その、ばらりずん、のオーディションの時、ポンポさんはナタリーちゃんにちいさな『ピン』が来ていたことを思い出すんです。
そしてそのナタリーちゃんから得た小さな『ピン』を信じて、ポンポさんはMEISTERの脚本を書きます。
実はナタリーちゃんは、ポンポさんがナタリーちゃんに一瞬の光を見た、と思い出した後、ポンポさんに呼び出されていました。
冒頭のコルベット監督のB級映画の主演女優だった、ミスティアさんの付き人として、アルバイトを辞め、ミスティアさんと一緒に暮らすことになります。
同じレッスンを受け、同じトレーニングをし、ミスティアさんのそばにいて、ミスティアさんから学べることは全て学ぶように命じます。
またね、ミスティアさんが嫌な顔一つしないどころか、快く、とっても優しくナタリーちゃんを迎えてくれますし、応援もしてくれるんですよ。
本当に優しくて良い人。
(でも後半には、ジーン監督の次期新作には主演女優として、という野望も持っています!)
そしてポンポさん。
先ほども書きましたが、ポンポさんはほぼパーフェクトな人物。
ポンポさんがいなければ、このお話は成り立ちません。
若いながらに老成し、信念を多く持っています。
「まぁ極論、映画って女優を魅力的に穫れればそれでOKでしょ」
「泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がカッコ良いでしょ?」
「自分の直感を信じないで、何を頼りに映画を撮りゃいいのよ……ってね」
そんな信念を聞く中で、ジーン君はなぜ自分をアシスタントにしたのか、と訊ねます。
そしてポンポさんはこう言うのです。
一番断トツで目に光がなかったらよ。
満たされた人間というのはものの考え方が浅くなるの。
幸福は創造の敵。
彼らにクリエイターとしての資格なし。
そういう連中に比べてジーン君は社会に居場所がない、追い詰められた目をしてるの。
……褒めてるのよ。
現実から逃げた人間は、心の中に自分だけの世界を創る。
社会と切り離された精神世界の広さと、深さこそがクリエイターとしての潜在能力の大きさなの。
だからわたしは、その社会不適合な目をした君に、期待してるのよ。
まぁこれはポンポさんの信念なので他人がとやかく言うことではありません。
ですが、わたしがクリエイターとして高い能力を持っているかは全然、まったく別の話で、わたしもそれにはどことなく頷けました。
満たされた人間は自身の文献を深めるために、そうした芸術に触れる、なんていう話も聞いたことはありますけれど、満たされた人間も、また別の話。
もしかしたら、満たされた人間にだって、クリエイターとして高い能力を秘めた人間がいるかもしれませんからね。
それにわたしもまた、自身のお話の世界に没頭出来て、一晩中ニヤニヤできる類の人間です。
現実から、いつも逃げています。
きちんと戻ってはきますけれどね(´・ω・`;)
まぁいいやw
それから当て書き。
わたしは映画に関しては判りませんが、自分でもその当て書きの感覚があります。
わたしが自分でお話を書く時は、当然ですが文字で起こします。でも、イラストも描きますから、お話とか全然関係なくただ単に何となーく描いた絵に、名前とキャラ付けをして、そのためにお話を書くことがあります。
実在する女優さんとは少し違いますが、「そこにいるキャラのために」という感覚的には当て書きになります。
この子に、こんなセリフを言わせたい……。
だけでお話をスタートさせることもあるんです。
その当て書きに対してポンポさんは言います。
初めてナタリーを見た時、一瞬だけど見えたのよ。
とてもきれいで、光あふれるシーンが……。
その一瞬の光を再現するために書いたのが、これよ。
その人を見た瞬間に物語が頭に溢れてくることが稀にある。
そんな時は間違いなくいい作品に仕上がるわね。
「自分の直感を信じないで、何を頼りに映画を撮りゃいいのよ……ってね」
なんて言ってしまうポンポさんです。
ナタリーちゃんをヒロインに。
ジーン君を監督に。
その直感の元、映画の撮影は進みます。
三人の他にも、主演男優のマーティンさん。この方もまた素晴らしい方でした!
撮影はどうやら飛行機で移動の後、スイス!
ことある毎に「ポンポさんが来ったぞぉ~!」ってポンポさん、言うんですけどね。
「ポンポさんがスイスに来ったぞぉ~!」って言いますから。
そしてスイスの素晴らしいロケーションの中、レジェンド俳優、マーティンさんが言うのです。
「おぉ~、いいじゃないかぁ。失意の指揮者ダルベールはアルプスに降り立ち、この雄大な山々を見て涙を流す」
ダルベールというのがマーティンさんが演じる役です。
そこに対し、監督であるジーン君は反論します。
「いや……ダメです。ここに来たダルベールは、外界から心を閉ざしているので周りの景色なんか見えてません……」
そしてその直後、僕のような若造がマーティンさんに意見するなんて!なんて恐縮してしまいます。
でも、流石はレジェンド俳優。マーティンさんは俳優という職業に誇りを持っていることが判ります。
「いや、問題ない。監督は君だ。ただし映画はみんなで創るものだ。思いついたアイディアは私もバンバン言わせてもらうよ。それをどうするかは監督次第だ。みんなも、思ったことは何でも言おうな!」
ジーン君と撮影スタッフ全員にそう言ってくれるのです。
そしてポンポさんも言うのです。
「はぁ、こういうベテラン様がいると楽だわぁ」
ベテランさんは一緒に現場を作って行く、頼もしい仲間であって、威張っていい訳じゃない。
むしろ、若いスタッフに対し、恐怖ではなく、どうモチベーションをもたらすか、を考えなくちゃいけない。
日本の社会には、クソみたいな年功序列がこびりついています。
でもマーティンさん、いえ、この現場の人達は違います。
マーティンさん(ダルベール役)
「監督、思付いたんだが、屋根から落ちるってのはどうだろう……いや、ダルベールの無様なところがもっと欲しいと思ってね」
土砂降りの雨の中、自分がずぶ濡れになろうが、屋根から落ちようが、作品創りのためにそう提案してくれます。
ポンポさん
「それなら、リリーがそれを見て笑うのはどぉ?」
ナタリーちゃん(リリー役)
「それで、ダルベールは本気で怒って泥をリリーに投げつける!」
「はっ!……す、すみません!余計なこと言っちゃって!」
これも、マーティンさんと同じですね。泥を投げつけられるのはナタリーちゃん自身です。
でも、良い映画を撮るために、必死で提案してくれます。
マーティンさん
「いや、いいんだ……。びっくりしたのはとってもいいアイディアだったからさ……」
やさすぃ……!カッコいい!
スタッフさん
「落ちる場所はドアの下がいいかもしれませんねぇ、ヤギが出てきてダルベールをなめる、とか」
「ぬかるみを作ってすべりやすくしておきましょう!」
とっても良い現場ですw
わたしがADの時、そんな思い付きを口にしようものなら、黙ってろって言われるのが当然でした。
ビデオ業界は、映画業界とも、テレビ業界とも、別の世界です。
この映画のように、新人さんに優しいスタッフなんて殆どいませんでした。
馬鹿にされて、コケにされて、人権もなくて、本当にクソみたいな酷い職場でした。
そして当初からポンポさんとジーン君が一番の魅力的なシーンだと思っていた、リリーの花びら舞い散る草原での振り向きショットで、ポンポさんとジーン君が大興奮したシーンは印象的でした。
このシーンを撮るためにここまで来たのよ!とポンポさんも大興奮!
様々なことがあって撮影はクランクアップ。
あれなんだろうな?とりあえず、クランクアップの打ち上げパーティーみたいなのかな?
ナタリーちゃんがジーン君の胸に飛び込むシーンはとっても良かったんだけれど、ジーン君は上の空。
だって今度はジーン君が総てのシーンを1人で編集しなければならないのですよ。
ジーン君の頭の中はもうそれでいっぱいでした。
だめだ、ナタリーちゃんがいくら純粋無垢で健気な女の子でも、こんな映画バカはナタリーちゃんの気持ちには気付かないな、ってわたしは思いましたw
もっともナタリーちゃんがジーン君のことが好き、なんて描写は何処にもないんですけれどねw
編集は過酷を極めます。
72時間分の映像を、約九十分に納める作業。同じシーンでも違うアングルで撮ったものもあって、映画として説得力あるシーンのつなぎ方をしなければならない。
これは、本を読んだときにジーン君の頭の中に浮かんだものを、実際に、ホンモノにして行く作業です。
恐らく、ポンポさんの脚本のあらすじはこうです。
皇帝とまで謳われた指揮者、ダルベールは、だんだんと自分の指揮する音楽が、自分の理想とズレて行くことに苛立ちを感じて行きます。
その苛立ちで、自身の情熱と、周囲の人たち、楽器隊との歯車がどんどん、加速度的にかみ合わなくなってくるんです。
そしてどんどんと周囲に呆れられ、ついには失墜してしまいます。
荒くれ、落ちぶれたダルベールは失意の下、スイスに訪れ、そこで、少年のようでも少女のようでもあるごく自然体の少女、リリーに出会い、様々な体験の元、失った、いや、忘れていた何かを少しずつ思い出して行く。
そうして己を取り戻し、もう一度、迷惑をかけてしまった人たちに頭を下げ、音楽の世界に舞い戻ることができました。
こんな感じでしょう。
ジーン君もこの脚本を読んだときに言うんですが、真新しさはない。
ありがちと言えば、ありがちなお話でもあります。
一度地の底に落ちた芸術者が、人とのふれあい、自然とのふれあいを経て、復活する、というのは確かにこれまでも存在するお話です。
映画はおおよそ九十分を目指す中、ジーン君の編集では、ダルベールとリリーが出会うまでに120分もかかってしまっていました。
ポンポさんに助言を乞おうと思ったところ、ポンポさんは、コルベット監督の新作のため、コルベット監督とともにロケハンに出張中。二週間は戻ってこない、と言われてしまいます。
ジーン君はポンポさんに電話をかけようかと迷っていたところ、ぽんぽさんのおじいさん、ニャカデミー賞を6回も受賞した、ペーターゼンさんの姿を見止め、ペーターゼンさんにお話を伺い、誰のための映画なのか、ということを問われます。
二週間後、「ポンポさんが帰って来ったぞ~!」ですが、結局ジーン君は一度編集を取りやめてしまって、完成どころの話ではなくなっていました。
何故ならば、ジーン君の映画の中にはあってほしくて、でもポンポさんの脚本にはないシーンにジーン君が気付いたからです。
「足りないんです……シーンが……」
「つまり、追加撮影をしたいと?」
「はい……」
「判っていると思うけど、追加で撮影するということは、ばらしたチームをもう一度集めるということよ。それがどれだけ大変なことか、わかる?」
「なんとなくは……」
「映画は独りでは創れない。皆もう他の作品に携わっているわ。その人達に頭を下げて、スケジュールを調整して、お金を払うのは、誰」
「ポンポさんです」
「さらに主演陣をもう一度呼ぶとなるともっと大変。それを交渉をするのは、誰」
「ポンポさんです」
「そして君が足りないという脚本を書いたのは」
「ポンポさんです」
「それでもジーン君、君は追加撮影をしたいというの?」
ポンポさんはジーン君に詰め寄ります。
それでもジーン君は映画の内容、そしてダルベールと自身を重ね合わせて、ポンポさんに言います。
「僕には、映画しかありません。だから、どうしても、僕の映画には一つ、足りないシーンがあるんです!」
そんなジーン君を見て、ポンポさんは言います。
「まぁ、何とかしてみましょう……」
そう言うポンポさんの表情は笑顔でした。
そうした経緯から、MEISTERは試写会の日に間に合わなくなってしまって、スポンサーが降りてしまいました。
まぁ色々そこは端折りますが、ジーン君のハイスクール時のクラスメート、アラン君が力になってくれます。アラン君は大手ニャリウッド銀行の営業マン。
アラン君にもドラマは有りますが、これは映画オリジナルだそうですね。
そうしてなんとかかんとか、ニャリウッド銀行からの融資を受け、撮影は開始されます。
ジーン君のために、クビを覚悟で協力してくれたアラン君に、ポンポさんも協力してくれます。
追加シーンに登場する人物のオーディションをする時間もなく、そこに、実はニャリウッド一の特殊メイクの監督だった()、コルベット監督の協力も経て、ナタリーちゃんの面倒を見てくれている、女優ミスティアさんが、まるで別人となって協力してくれます。
でも将来、強力なライバルになりそうなナタリーちゃんと、ミスティアさん自身と、ジーン監督で映画を撮る時の為、偽名で参加します。
マーティンさんは制作発表の時に一度、ミスティアさんをナンパしているのですが、世界一の俳優をしても、ミスティアさんの変装は見抜けなかったようですw
ミスティアさんは自分の名前がジーン監督の作品に登場する時は、次のジーン監督作品で、主演女優として、という野望を持っていました。
もちろん、ナタリーちゃんを蹴落とすのではなく、自分の実力で勝ちとろうと思っているに違いありません。
マーティンさんほどにピックアップはされていませんが、ミスティアさんも、とてもやさしくてとっても強くてカッコイイ女優さんです。
「ただいつか、しかるべき時に、ジーン君とナタリーちゃんと一緒に映画を作る……そんな予感がするんです。ただし……その時はわたしが主演……それまでは、ジーン監督作品の出演は控えたいんです」
そんな決意を秘めたミスティアさんの言葉に、ポンポさんも頷きます。
「いいねぇ、その予感……」
わたしもいいねぇ、とおもいました!
是非とも二作目、三作目も作ってほしい!
そうして完成した『MEISTER』は(編集中に一度ジーン君はぶっ倒れますが)、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞、監督賞、と総なめにして、ニャカデミー賞を受賞します。
お話はここまで。
監督賞の受賞時に、どこが一番気に入っていますか?という問いに、ジーン監督はどう答えたのか。
それは、きっとご自分の目で見られた方が良いかと思います!
他に気になったことをいくつか。
ポンポさんは、映画っていうのはその女優さんを魅力的に撮れればそれで良い、と豪語します。
何故なら超敏腕プロデューサーであるポンポさんは、どんな陳腐なお話でも、筋さえ決まってしまえば必ず面白い映画に仕立て上げることができる才能があるから。
わたしは以前、『オータム イン ニューヨーク』という映画を見て、ただただウィノナ・ライダーさんが可愛いだけの映画だったなぁ、と思ったことがあったので、何となくそんな、ポンポさんの言うことも、判らなくもないかな、と思いました。
あの映画はウィノナ・ライダーさんが抜群に可愛らしく、リチャード・ギアさんが渋くてカッコイイおじさまだったこと以外は、ほんとに面白くない映画だと思っていたのです。
内容もほとんど覚えていません。
ですがそれは、面白くできなかった、ということもあるのかもしれないなぁなどと、ポンポさんの言葉で思いました。
こないだ少し触って、今はもう書く気もないんですけど『となり町戦争』。
本当につまんない映画だったけど、原田知世さんはとても清楚で美しく、可愛らしく撮られていました。
でも映画自体は本当につまらない映画でした。
まぁ私のアンテナが低いって言うのも勿論あるとは思いますけれどね。
あとは声優さん。
ポンポさん役の、小原好美さん。
彼女は、わたしは、あそびあそばせの野村香純さん、からのスタートゥインクルプリキュア、ララルンで知りました。
今やひっぱりだこの大人気声優さん。
お声も可愛らしいですが、ジーン君に追加撮影の件で凄むシーンなど、シリアスなお声も素晴らしい演技でした。
今後も活躍して欲しい注目声優さんですね!
そしてジーン君。
清水尋也さんという俳優さんですね。わたしは彼が出演しているドラマも映画も見ていませんでしたが、今回のジーン君の卑屈さとか、とても上手に表現されていたなぁ、と。
ぴったりの役だったと思います。
まぁわたし原作漫画読んでいないので、原作漫画がお好きな方がどう感じたかは判りません。
それから、ナタリーちゃん。
大谷凜香さんというモデルさん、女優さんですが、ナタリーちゃんの初々しさがとても良く出ていましたね!
テレビ出演はまだ少ないようですが、これからも声優としても活躍して欲しいなぁ、って思いました。
決して巧い!という訳ではなかったのですが、一生懸命さが、ナタリーちゃんとリンクしていて、少なくとも、『空の青さを知る人よ』の吉岡里穂さんよりは巧い!と思いましたw
んじゃ、今すぐバイト辞めて!
「はぇ?」
アパート引き払って、ミスティアの家に行って!
「はぇぃ?」
が抜群に可愛かったですw
彼女の台詞で思わず笑顔になってしまうシーンがいくつもありました!
マーティン・ブラドックさんには、大塚明夫さん。
こんな言い方をしてしまうと身もふたもないですが、流石の演技力、安定力。
ベテラン、というマーティンさんの立場も相まって、やはりというか、当然というか、とっても素敵でした。
シリアスもコミカルもどちらも素敵な明夫さん!
ミスティアさんは加隈亜衣さん。
ヒープリでラビリンの役をやられていましたが、ラビリンには何度も泣かされましたw
大人の女性でありながら、可愛らしさも、力強さも秘めている女優さんでしたので、是非とも二作目でナタリーちゃんと共演するのを見てみたいですね!
『映画大好きポンポさん』は、ジーン君、ナタリーちゃん、ポンポさん、それにマーティンさんにミスティアさん、ペーターゼンさん、アラン君、とても魅力的なキャラクターたちでした。
メタな目線で言えば、映画製作をする映画、という目新しくはない映画の内容でしたが、キャラクターたちが抜群に光っていましたし、演出もとっても素敵でした。
漫画には二も三もあって、他にも『映画大好きフランちゃん』もあります。
フランちゃんは一瞬ですが、この映画にも出ていますw
そのあらすじをざっと読んだだけでも、二も三も、映画化して欲しいなぁ、と思いました。
本当はね、もっともっと、この映画大好きポンポさんのストーリーと、作中劇MEISTERとのリンクであったり、台詞の掛け合いだったりもあるんですけれどね、一旦はここまでにしておきますw
いやはや、一万文字超えの超々長文になってしまいました!
また何か見たら書こうと思うけど、しばらくは良いかなw
疲れました!w
最後までお付き合い、ありがとうございました!
ではまた!(๑˃̵ᴗ˂̵)و