新国立劇場『エドワード二世』を見て来ました!
クリストファー・マーロウ 作
河合祥一郎 翻訳
森新太郎 演出

新国立劇場で上演されるイングランドの歴史劇は
『ヘンリー六世 三部作』『リチャード三世』と見て来ました。
が、今回は作者も演出家も違います。
演出の森さんは演劇集団円の方で、よく朴璐美さんの舞台を演出されています。
他にも円の『ガリレイの生涯』や新国立劇場『ゴドーを待ちながら』
劇団昴の『汚れた手』など多々見てきました。
今回はどうだろうな~と、ちょっとドキドキしながら見に行ったら、
すぐにぐっと惹き込まれて、あっという間の三時間でした!

主演の柄本佑さんが魅力的です!!
柄本明さんの息子さんで、動きがちょっと似てます。
独特の世界観を持って舞台中を軽やかに動き回ります。
エドワード二世はダメダメな王様です。
中村中さん演じる美しい王妃イザベラに目もくれず、
下総源太朗さん演じる寵臣ギャヴィストンと常にイチャイチャ。
王国よりも、ギャヴィストンが大事。
でも、王位は手放したくない。
そんな王を押さえつけようとしながらも振り回される、
一見マフィアな重臣のおじさま達。
服の色とか「ひげ」とかでその関係が分かりやすい。
これは歴史劇苦手な方も大丈夫!是非見て欲しい。
この舞台、タイトルでちょっと損をしている気がする。

作者のクリストファー・マーロウはシェイクスピアと同い年。
でも頭が良く、若いときから活躍してシェイクスピアにも大きな影響を与えた人。
しかしわずか29歳で殺害されてしまいます。
男色家で無神論者、当時としては破天荒なマーロウは
エドワード二世に自分を重ねていたかもしれない。

エドワード二世からヘンリー六世まで100年以上間があります。でも
エドワード二世の息子、エドワード三世(今作では幼い王子として登場)が
母イザベラの血筋を理由にフランスの王位継承権を求めたことによって
ヘンリー六世時代まで続く、英仏百年戦争が始まっています。
またエドワード三世の息子達がランカスター家とヨーク家のはじまりであり、
それが後々、ヘンリー六世時代の薔薇戦争へと発展します。

ほら、なんか歴史がつながって来た。
苦手な世界史だけど、舞台を見るとちょっと楽しくなってくる。
文字で見るとわけ分からんけど、舞台は楽しいです。

27日(日)まで。
新国立劇場・小劇場
出演 柄本 佑 中村 中 大谷 亮介 窪塚 俊介 大鷹 明良 木下 浩之 中村 彰男
   西本 裕行 瑳川 哲朗 石住 昭彦 下総 源太朗 谷田 歩 石田 佳央 長谷川 志
   安西 慎太郎 小田 豊 原 康義

あ、このブログのタイトルの意味は、見に行ったらすぐ分かります☆