今回は息子がADHD、アスペルガーと判定されてからの経歴についてです。


<2006年>/4歳

 嫁ぎ先の幼稚園で幼稚園の先生から「多動性」を指摘される。専門家に見せることを勧められる。

 ↓
 専門の医療機関に連れて行き診断してもらう。診断名は「ADHD」だった。知能検査を受ける。IQ133。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<2007年>/5歳

 専門家の紹介で近隣の小学校に設けられている「ことばの学級」(通級指導教室(言語)・・・児童・幼児言語教室)に通級する。ここでも知能検査を受ける。IQ130。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<2008年>/6歳

 家を引っ越して新しい町に移る。新しい幼稚園でADHDのことを伝えると、さらに高等な専門機関に受診するように強く勧められる。

 ↓
 浜松でも特に発達障害に関して専門的な医療機関に通い始める。ここでの診断名は「ADHD」「アスペルガー症候群」だった。知能検査を受ける。IQ120に下がる。

 ↓
 家の近くに小学校2校あったが入学前検診で学校の入学を拒否される。(「ADHD」「アスペルガー症候群」を持っていたので。)

 ↓
 普通校2校から入学を拒否されたので、家から一番近い「情緒発達障害」のクラスがある学校を選び入学手続きを済ませる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<2009年>/7歳

 支援学級(情緒・知能)が設けられている小学校に入学。かなり距離があったので毎日車で送り迎えをしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<2010年>/8歳

 主人の強い希望で発達支援学級→普通学級(通常級)に編入。通常級に編入してから問題行動が多くなりトラブルが多発したため、コンサータを処方してもらいコンサータで行動制限をしていた。知能検査を受ける。IQ144まで上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<2011年>/9歳

 主人と離婚。離婚を機に、本人が強く希望していた情緒発達級に再度編入させる。精神的にかなり落ち着き、だいぶ自分で行動をコントロールできるようになった。

 離婚を機に家を学校のすぐ側に引っ越したのも良かったようで、お友達もたくさん出来た。(今までは家が遠方だったためにお友達と遊ぶ事もままならなかった。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



※ 私の場合、子供がADHDであるという判定を受けた事によって、実は私自身もADHD・ADDであることが判明した。自分がADHD・ADDだということがわからなくて幼少期からずっと苦労していたという経歴があるので子供を発達支援学級に進学させるという選択に迷いはなかった。

 子供さんがADHDであり、親御さんが健常者の場合「発達支援学級」に進学させるということに対し、相当躊躇するかもしれない。(社会的評価を気にする方であれば。)

 だが早い段階で自分の子供にそういった特性があるとわかることは、それだけ早く対処できるということだ。一番問題なのは子供が社会に飛び込んだ時に、いかに苦労せずに社会に馴染んでいけるかどうかではないだろうか?

 特に私と息子は普通の人に比べて初めから(先天性)相当なハンディを背負っている。だからこそ、早期理解と対策、習慣化が必要なのだ。


 本当の愛情とは「自分がいなくなっても子供が一人で自立して生活していけるようにすること。」だと私は思っている。




 人間はいつか必ず死ぬ。だがいつ死ぬかなんて誰もわからない。

 もしかすると明日私は交通事故に遭って死ぬかもしれない。心筋梗塞になって死ぬかもしれない。どんな形でいつ死ぬかなんかわからないけれど。

 私がいつ死んでも子供が自分の身の回りの事を出来るように、一人になっても困らないように。



 小さい頃から自分の性質を理解した上で社会に徐々に適応していくか。(いくら知能レベルが高くても小さい頃から訓練を受けていないと仕事や日常生活等、様々なところで支障が生じる。)

 大人になってから自分の性質をようやく理解していくか。

 この「気づきと対処」の早さで人生が大きく変わってくるだろう。



 私は当事者として自分のような苦労は子供にはかけさせたくない。社会不適合を感じながら毎日絶望に明け暮れていたあの日々を思い出したくもない。

 私がそうだったからこそ。

 だからこそ。

 親の見栄ではなく、「子供の将来にとって最善の事。」を考えながらいつも生活するように努めている。


 勉強以外の他のところで(例えば日常生活にしろ対人関係にしろ)他の人が当たり前で出来る事が自分たちは出来ないからそこ、意識して人の何倍もの努力をしなければならない。努力して初めて普通と言われる状態になれるのだから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


<現在息子が通っている発達学級の特徴>

1、少人数制(5~6人/4年生と6年生が混合)

2、その子の個性に合わせて学習・生活指導をしてくれる。

 a、その子の能力に合わせたきめ細やかな学習(現在4年生だが6年生の学習をしている。)

 b、社会性が欠如しているので社会に出た時に困らないように、ソーシャルスキルトレーニングを重視し、積極的に日常生活の中に取り入れ実践してくれる。



・発達学級では少人数制のため、個々の性質を重視した上での指導を行ってくれている。少なくとも通常学級より発達学級の方に編入し直してからの方が成績もグンと伸びて精神的な面においても随分安定してきた。その子の能力を最大限に発揮できるかどうかは「学習環境」と「生活環境」がどういったものかで決まるといっても過言ではないと思う。


※ 少なくともうちの息子が通っている学校はこういった方針で教育指導を行ってくれている。学校によって教育方針にも随分差があると思うが、うちの息子はこういった指導のおかげで毎日楽しく学校に通う事が出来ている。「その子に合う学校」を選ぶ事はとても大切なことだ。こういった学校に巡り会えた事に心から感謝している。



<追記>

 ちなみに私が小学生の時代は発達障害は普通の子として扱われていましたので自分がADHDやADD、自閉症だと気づいていない人が多いようです。(私は普通の子として扱われていましたが怒られる事がものすごく多くて、結果的に自己嫌悪・自己否定・自己欺瞞していました。)

 ここ10年~15年ほどで発達障害に対する認識が随分変わり、今は発達障害も細かく分類されるようになりました。

 たぶんうちの息子も私と同じ時代であれば「普通の子」として扱われていたんでしょうが。

 しかし「普通の子」として、何のソーシャルスキルトレーニングも受けないまま社会に出ると、対人関係等をはじめとする様々な場面で社会不適応として扱われるようになります。そして二次障害の精神障害に陥り人生そのものに嫌悪感を感じていく・・・。この方がよほど問題なんじゃないかなと思います。