桃太郎論文④
桃太郎は鬼ヶ島に鬼を退治しに行って、宝物を持ち帰りました。
めでたしめでたし。
だけど、ここで
赤鬼とか青鬼とかいうけど、鬼ヶ島には何色の鬼がいたの?
という疑問が生まれる。
というわけで、
鬼ヶ島の色は何色だったのか
これを検証してみたいと思う。
詳しい話は後にするとして、
結論として、存在する鬼の色は全部で5色で、
鬼ヶ島にいたのは
赤鬼 と 青鬼
これが神木優が導き出した答え。
では、なぜなのかを理論的に説明していきたいと思うが、結構ややこしい。
まず、5色とは 赤・青・黄・緑・黒 の5色。
これは仏教の五蓋(ごがい)という考え方に由来していて、5つの蓋に対して、ひとつひとつ色が割り当てられている。
そもそも、五蓋とは仏教における瞑想修行を邪魔する、5つの煩悩のこと。
貪欲(とんよく)、瞋恚(しんに)、惛沈睡眠(こんちんすいめん)、掉挙悪作(じょうこおさ)、疑(ぎ)の5つで、
それぞれの意味は
貪欲・・・・・飽くなき強い欲望のこと、果てしないいろいろな欲のこと
瞋恚・・・・・自分の都合が悪くなるとすぐに怒ったり人のせいにしたり憎んだりすること
惛沈睡眠・・・沈んだ心、だらだらしたりヤル気や気力がないこと
掉挙悪作・・・過去のことにとらわれすぎて思い悩むこと
疑・・・・・・愚痴や妬み、また疑い深いこと。
という意味。
このそれぞれに色が当てられたのだが、どうやって、というのは、どうやら仏教の六道輪廻やら陰陽五行やらが関係しているらしい。
が、
複雑なので、省略。
それぞれの色は
貪欲・・・・・赤・・・・欲深いこと
瞋恚・・・・・青・・・・怒りやすいこと
惛沈睡眠・・・緑・・・・だらだらすること
掉挙悪作・・・黄・・・・過去にとらわれすぎて進まないこと
疑・・・・・・黒・・・・愚痴や妬み、疑い深いこと
となる。
話は少し変わるが、節分の際に鬼に豆を投げて撃退するのは、それぞれの煩悩の色の鬼を退治することで、自分の中にある煩悩を打ち破る、という意味がある。
例えば、欲が強い人は、自分の中の悪い心を取り除くことを願って、赤鬼に向けて豆を投げて退治する。
ダラダラして不摂生、不健康な人は、健康を保ちたいと思い、その願いを込めて、緑色の鬼に投げて退治する。
といった具合。
話はさらに逸れるが、「なぜ豆なのか」というのも、面白い説があって、
豆=まめ=魔目、魔滅で、
投げるのに炒った豆を使うのは、射る、という言葉とかかっている。
日本人は実に言葉遊びが好きなんだなぁと思う。
さらにさらに話はずれるが、
鬼は金棒を持っているイメージが強いが、持っているものも鬼の色によって異なり、
赤鬼は金棒、青鬼は刺股、黄鬼は両刃のこぎり、緑鬼は薙刀、黒鬼は斧らしい。
さて、話を戻して、
つまり、自分の中にある、克服したい煩悩の色の鬼に向かって、豆を投げる。
ということは、特定の煩悩がない場合、その色の鬼はその人にとっては存在しない=見えない、ということになる。
例えば、誰の話も全部信じてしまい、人の愚痴を言わない人は、黒鬼を退治する必要もなく、見えることもない。
以上を踏まえて、桃太郎に当てはめて、鬼ヶ島にいた鬼を検証してみたいと思う。
ここからは、桃太郎俳優・神木優の独断と偏見なので、異議がある方はご自由に異議を持っていただければと思います。
まず、黒鬼。
疑・・・疑い深いという煩悩、
これはいなかった。動物と対等に会話ができる桃太郎。疑い深いわけがない!純粋な心を持っていたからこそ、犬と猿と雉というお供が付いて来てくれたはず。
黄鬼
掉挙悪作・・・過去にとらわれて進まないという煩悩、
これもいなかった。鬼が島の鬼退治をしようと思ったのは、未来を切り開こうとしてのこと。そもそも、桃太郎が子供だとしたら、そんなに後悔したい過去もない。
緑鬼
惛沈睡眠・・・だらだらするという煩悩、
これもいなかった。計画性もなく即行動。たまたまお供と出会ったからよかったものの、もっと戦略を練った方がよかったんじゃないの?と思うほど、ダラダラなしの即出発。
青鬼
瞋恚・・・怒りやすいという煩悩、
これは当てはまる。行く前から鬼は悪いやつ!と決めつけ、すでに怒っていた。さらに、鬼が島に着いたら話し合いの余地なく戦いを挑むその精神。怒りやすかったに違いない。
赤鬼
貪欲・・・欲深いという煩悩、
これは極み。鬼の悪事を暴くことなく宝物のために鬼ヶ島に行ったという説もあるほど。鬼がせっせと集めた宝物を全て奪って持って返って来るほどの欲の塊。
これらのことを纏めると、
鬼が島にいた鬼は、桃太郎が退治しなければならない煩悩の色と一致していたと考えられるので、
貪欲=赤鬼 と、瞋恚=青鬼 ということになる。
その割合は不明だが、もし桃太郎が宝物欲しさだけに鬼ヶ島に行ったとしたら、
100匹の鬼がいたら、
95匹は赤鬼だったと考えられる
以上、鬼ヶ島の鬼は何色だったのか?でした。
みなさんは、何色の鬼を退治しますか?
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