ハロウィンとは何か。
そもそもは大人の白人が化けて欧米に感化された日本の若者を巻き添えにして渋谷で馬鹿騒ぎするお祭りでは無い。
その歴史は二千年以上遡り、その頃ブリテン島、アイルランド島、フランスの北部に居住していたケルト人が彼らの歳時記で言う大晦日に死者の世界と繋がる節分に邪気を祓うために始められた「Samhain・ソーイン」という祭りが起源である。
出典:Telegraph.uk
ケルト文化では春夏秋を生の季節とし、冬を死の季節として考え、一年は秋を以て終わり、冬に新しい年が死から始まると考えていた。故に節分は11月1日である。その前夜に死の世界と生の世界が繋がり死者の霊が世界を荒らすと信じられていた。
大晦日には死者の国の霊を慰める為にケルト神を祀る神職が盛大な焚き上げの儀式を催し、民衆はその年にとれた穀物と動物を持ち寄り神に供えた。この時動物に化けて儀式には参加するとされており、動物の頭の皮と体の毛皮を纏い焚き上げの儀式に参加し、互いの健康と平穏を願ったと言う。
画像:Wikipedia
この焚き上げの火から火種を家に持ち帰り家の炉に火を灯し、その火を冬の間保つ事でその冬(死の霊が荒ぶる季節)の安全を願ったと言う。
この風習が現在に続くランタンに火を灯し軒先に飾りつける事と仮装する事に繋がって様だ。
このパンプキンにお化けの顔を彫り飾る飾り物をJack of Lantern、ジャコーランタンと呼ぶが、これは19世紀に米国へ移民したアイルランド人スティンギー・ジャックがソーインの文化を持ち込んだ事から始まったとされている。
基本的にはトンチの昔話であるので解説は省くが、悪魔を欺いたジャックのトンチにあやかって名付けられた。考えてみれば秋の収穫のお供えと焚き上げの火を合わせた物で、そこに獣物の絵を描いたと言う全てを凝縮した物だ。
私の妻は英仏系のカナダ人であるが、日本のお盆の焚き上げ、火送りや神前のお供物などハロウィンはカナダのお盆だと言い切る。國學院大高度国語教育学修士号をお持ちの御女将様には頭の上がらぬ凡下のわたくしであります。
日本でこう言う催しをする際はまず自分のお祭りを全うしてから多文化の理解を深めたいなぁと思う今日この頃でありました。
拙宅庭先に飾ったブリテン島原住民の大晦日の飾り





