戦争と反戦の話です。


イスラエルとハマスの間で戦争が始まった。双方の攻撃で約千人ずつ死者を出し、西欧諸国と欧米傾倒の日本ではイスラム民族への批判を強めている。


あたかもこの戦争はおととい始まった様に報じられているが現実は違う。2008年から双方の攻撃は続いており、その死傷者の数はかなり多い。



上記の表は双方の死傷者の統計だ。イスラエルは米国の全面的な軍需及び金融支援を受けており米国とイスラエルに技術の賜物がアイアンドームである。


https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アイアンドーム


アイアンドームとはミサイル迎撃システムで過去十数年間の精度は90%。今年5月の精度は95%に登った。実に人工衛星の打ち上げ成功に匹敵する精度を誇っていたのだ。パレスチナ側ではこの防衛システムを持っておらず、イスラエルによる報復攻撃により多くの一般市民が犠牲になってきた。


悲しくもビジネスの世界


日付を同じくして敏感に反応した世界がある。私の本業の金融市場だ。



このまま市場調整に入り円高に触れると見られていた株式市場は大きく反発した。金曜日、月曜日には軍需産業株とハイテク株にかいが入った。軍需航空技術は過去3ヶ月ウクライナ戦争の停滞で売却が進んでいた事もありこの金曜日からの動きは特徴的である。特にロッキードやグラマンの上昇が著しい。



今日米国下院外交委員会委員長のマッカウルがメディアに明かしたところによるとエジプトのカイロからイスラエルにハマスの攻撃を警告する内容の事実が攻撃の3日前にあったと明かした。エジプトの情報局もAP通信に同様のプレス発表をしているがイスラエルは偽情報だと切り捨てている。BBCニュース


事前の警告がありながら精度95%運用のミサイル迎撃が発動しなかったことに関して下院議員のマッカウル議員は疑問を呈している。


戦争の無意味さ

私は戦争の歴史を好んで学んできた。中学生の頃には体育祭で海軍軍楽隊の旧帝国軍行進曲を米軍行進曲の代わりに流してかなり怒られた事もあるほど一時は懐古主義軍隊マニア化した事もある。その分戦争の歴史を何十遍と読み経験者に聞き、攻撃力について学んできた。結果的に軍隊と言うのは抑止力としては国を守れるが、実践を交えてそれが長期化すれば文化伝統の存続に影響を及ぼす事を学んだ。


江戸時代日本が鎖国ができたのは間違えなくその軍事力と経済力の抑止力の為だ。


日本は2000年以上に渡り伝統文化を守り続けたが、明治新政府に其れを明け渡してしまってから伝統を捨ててきた。新政府はまず朝廷を解散して、天皇を孤立させその立場を利用したといえるだろう。その後戦争を繰り返して僅か70年後には数百万人の犠牲を国民に強いて、国家を滅亡させ米国の従属国に仕立て上げた。


江戸時代と比較してどれだけ日本が弱くなったか、移民、軍事協賛、他国の政治に巻き込まれる日々である。


米国も共和党がやっていた3年前迄は非常にうまく戦争を回避して、軍隊を民需生産移転し、あたかも平和国家の様相を呈していた。これが一変したのは民主党が政権をとってすぐである。共和党が一度は和解に導いたイランとの紛争を再燃しミサイルをすぐに打ち込んだ。それから終わりのない戦争の波である。全てはどこにお金を儲けさせるかという米国の話なのだと私は思う。


祖父の経験と呼応する山奥の鉄砲師匠の話


私は米国という国に疑問を持っていたが同時に憧れを持っていた。そんな被れた私に祖父は東京の世田谷で受けた機銃掃射の数々の経験を語ってくれた。当時14歳だった祖父は妹を側溝に打ち伏せに隠し覆い被さる様に妹を守ろうとした。その掃射は後日幾度も繰り返された。起き上がると米軍パイロットがニヤリと笑いかけたという。こんな話はよくある話だ、聞き飽きたと現代の人は笑うだろう。


しかしこれが圧倒的な軍備力の前に無力とかした国家の下にいる市民の現実なのだ。


私は全く同じ経験談を山形の鉄砲師永井さんからも聞いた。永井さんは私の祖父の一つ下の昭和7年生まれ。出身は世田谷の新町だ。私の祖父は東京田町の出身だが世田谷代田に疎開していた。永井さんと私の祖父は5キロも離れていない所に戦時下いたのだ。下手をすると機銃掃射をしたパイロットは同一人物かもしれない奇遇である。幸いなことに二人とも助かり、この様に戦争の現実を伝えてくれているのだ。


機銃掃射をご存じない方は以下のリンクから


二人とも米国を憎み育ったがその圧倒的な力に圧倒され赦していったという。忘れてはならないのはその戦争に至った経緯である。ABC包囲網の影響で経済が破綻していた日本に残された手段は少なく昭和天皇が薦めた内政の非戦化も陸軍により阻止された。天皇陛下の御意向を知りつつ其れを無視した軍人達がいたのだ。

日本は開戦時とてもでは無いが米国、英国連邦と戦える様な国力を持ち合わせていなかったのだ。当時の異常経済は国鉄が昭和14年に製作した映画鐡輪で解説されている。



その中での直前通達済み先制攻撃に至るのである。今回の土曜日の攻撃はその歴史の繰り返しにしか感じられないのである。


敗戦78年。戦争では文化伝統を護れなかったのをよく知っているのは我々日本人なのかもしれない。


戦争など馬鹿馬鹿しい事を政治家が辞めるのはいつなのか。


全世界民の死者鎮魂を願い。合掌