砲術復古活動の一環で、着物も用意することにしたのでたっつけ袴を作ってみることにした。上記の浮世絵の様にどうやら鉄砲衆はたっつけ袴を着用していた様だ。
たっつけ袴は昭和後期ごろまでは田舎では農作業用や鳶職、植木屋さんが着ていた事もあったと思う。時代の流れで着物を着なくなった人たちからたっつけ袴の代わりに乗馬ズボンが着用される様になり、現在は植木屋さんや鳶職も含めほとんどが直足袋に乗馬ズボンが多いのではないかと思う。この乗馬ズボンも英国貴族が元は着ていた乗馬様のズボンであるので、袴を辞めて、同じくらい古い似た様な形の西洋品に代替えしただけという話だ。おそらく元は陸軍の軍服の影響があったと思われる。
たっつけとは漢字では裁付と書き、脚半を甲冑を着る際に着用する短めの奴袴に仕立てつけた物だった様だ。完成時期は慶長後期で江戸時代に入ってから先ずお侍さん達が着用、その後地侍など農業に従事する侍などが一般に広めていったと考えられる。たっつけ袴が着用される前は奴袴という裾き紐が通してあり縛るとふわっとしたボンタンの様になる袴を職業に関係なく着ていた様である。この袴は直垂や狩衣、素襖などでも着用される。現在一般的に使われている腰板がついている馬乗り袴は割合新しく裃の袴である。
たっつけ袴を作流にあたってまずは型紙が必要であるが幸い大正時代の和裁指南の本に型紙の記載がある。
夕飯を食べて息子とクロネコの宮崎映画を観てから作業を始めた。
まず小さくてきれなかった紬の長着を解き、反物に戻して髪用シャンプーを入れて洗濯機で洗い、それをアイロンがけする。
洗濯後濡れてシワクチャの反物。
アイロンがけが終わり綺麗な反物に戻ったところ。
たっつけ袴の型紙資料はインターネットに載っているのでそれを参考にして、裁断する。
あとは既製品の折り目を参考にアイロンがけをしてミシンで縫うだけだ。上記写真は参考にした画像。
コテがけをして折り目をつける。
それらしくなってきたところ。
考古参考元
東京美術館 歌川国貞 末広五十三次 日本橋
各種袴の裁縫法参考書
古代服裁縫之秘書
新裁縫教科書 巻之3








